現社会人よりデジタルネイティブの新社会人の方がリアルなコミュニケーションを重視
オンラインコミュニケーションを続けたい・始めたいと思わないと答えた人にその理由を確認すると、現社会人は「直接会ってコミュニケーションする方が楽しさを感じる」(41.1%)、「直接会ってコミュニケーションするほうが効率的」(38.8%)、「直接人と触れ合うことが大切」(33.3%)などが理由として多く挙げられた。
新社会人では「直接会ってコミュニケーションする方が楽しさを感じる」(53.0%)、「直接会ってコミュニケーションする方が気持ちや微妙なニュアンスは伝わる」(50.0%)、「直接人と触れ合うことが大切」(42.4%)のスコアが現社会人と比べ高くなっている[図8]。
23年4月に社会人になる人(新社会人)はデジタルネイティブ世代だが、デジタルを使いこなしているからこそ、リアルなコミュニケーションをより重視しているのかもしれない。
誰もが重要と認識する瞳を通じたコミュニケーションは、若年世代の方が得意
次に、言葉以外の手段を用いた非言語コミュニケーションのひとつである瞳を通じたコミュニケーションについて確認した。
コミュニケーションにおいて「アイコンタクトは重要」と答えた人は全体の87.0%と高いものの、アイコンタクトを意識したコミュニケーションが「できている」は67.8%、アイコンタクトを意識したコミュニケーションは「得意」と答えたのは57.7%に留まった。アイコンタクトは重要だとわかっていても、なかなかうまくできないものだ。
世代別に見ると、アイコンタクトを意識したコミュニケーションが「できている」が7割を超えて高いのが23年4月に社会人になる人(74.0%)と24年以降社会人になる予定の人(72.0%)、「得意」が6割を超えているのも23年4月に社会人になる人(60.0%)と24年以降社会人になる予定の人(68.0%)だ[図9]。
言語コミュニケーションと並び、瞳を通じたコミュニケーションも若い世代の強みとなりそうだ。
瞳を通じたコミュニケーションで、コロナ禍の就活もビジネスもうまくいく
アイコンタクトで、印象的な経験を自由記述で質問した。以下にて一部を紹介していく。
・相手に話したいことが伝わっているか不安だったが相手がニコッと笑っているのが目元から判断でき安心したこと。(20代女性)
・相手の変化に気づけるようになった。(20代女性)
・相手の目を見て話すことで自然に上を向くようになり明るく話すことができた。就職活動の面接では、下を向きがちであるという傾向がみられることを知り、自分は相手の目を見て話そうと心がけた。この結果相手から面接が楽しかったと言われる機会がたくさんあった。(20代男性)
・相手の目に合わせてコミュニケーションを取ることによって、相手の話をよく覚えられるようになり、また相手にも自分の話を聞いてもらえるようになったと感じました。(20代男性)
・普段はあまりしないが、ここぞの話し合いのときは全員の目を見るようにしながら話をすると、いつもより引き締まった空気になる。(30代男性)
・目を見て相手が嫌そうな感じをしているのがわかるので、仕事の交渉する際には明らかに嫌そうな目をしている時には提案内容や話の内容を変えると、目がにこやかに笑うので、相手が喜ぶ提案や話がどのようなものかわかりやすい。(40代女性)
・少しの感情の変化も目を見て話せば相手が何を思っているか感じ取れる事ができるため。(40代女性)
・お互いの気持ちを確かめ合える。(50代女性)
アイコンタクトによって「印象が良くなる」「誠実さが伝わる」
図9でアイコンタクトは重要と回答した522人に、重要だと思う理由を確認したところ「与える印象が良くなると思うから」(50.6%)、「誠実さが伝わると思うから」(48.5%)、「意思が読み取りやすくなると思うから」(48.3%)が上位に挙げられた[図10]。
瞳を通じたコミュニケーションは、ビジネスだけでなく、人としての好感度醸成にも役に立つようだ。
新社会人や学生は、“瞳のチカラ”の重要性を理解し、うまく使いこなしたいと考え、意識している
コミュニケーションをとる際の“瞳のチカラ”について確認すると、「“瞳のチカラ”は重要である」(77.3%)、「“瞳のチカラ”をうまく使いこなしたい」(76.3%)と、“瞳のチカラ”が重要であることを多くの人が認識している。
だが、コミュニケーションをとる際、6割は「相手」の“瞳のチカラ”を感じている(61.2%)ものの、「自身」の“瞳のチカラ”を意識している(53.3%)は約半数とやや少なくなっている。
世代別にみると、23年4月に社会人になる人(新社会人)や24年以降社会人になる予定の人(学生)は、”瞳のチカラ“が重要であると考え、自身の”瞳のチカラ“をより強く意識する傾向が見られた[図11]。
“瞳のチカラ”を高めることは、現社会人の先輩からの応援やよりよいコミュニケーションへつながる
職場にいる新入社員(入社1年以内の方)から“瞳のチカラ”を感じたことがある現社会人に、その時感じた気持ちを確認した。すると、「応援したい」(57.5%)、「話を聞いてみたい」(49.3%)と関心が高まり、約4割が「助けてあげたい」「ミスをしても許してあげたい」(同率38.4%)と答えた。
また、新入社員の“瞳のチカラ”を感じることで、現社会人の3人に1人は「自分も頑張ろう」(35.6%)という前向きな気持ちになっている[図12]。
新社会人は、“瞳のチカラ”の重要性を理解し意識しているが、“瞳のチカラ”を高めることは、現社会人からの好印象にもつながるようだ。
コロナ禍のコミュニケーション、影響の大きい現社会人と柔軟に対応している新社会人
コロナ禍生活も4年目となるが、コロナ禍前と後での周囲の人とのコミュニケーションの満足度を100点満点で確認した。
すると、コロナ禍前は61.7点に対しコロナ禍後は54.4点となり、コミュニケーションの満足度は低下している。属性別に見ると、コロナ禍前の満足度が高いのは現社会人で62.4点だが、コロナ禍後は53.1点と9点以上も低くなっていた。
一方、新社会人はコロナ禍前の満足度が60.6点、コロナ禍後の今が55.4点、学生はコロナ禍前61.7点、コロナ禍後56.2点と、満足度は下がってはいるものの、現社会人より下げ幅は小さくなっている[図13]。
現社会人がコロナ禍後の新たなコミュニケーションで大きな影響を受けている中、若い世代は、現社会人と比べるとコロナ禍後のコミュニケーションにうまく対応しているようだ。
現社会人も新社会人も「聞き上手」!でも「話し上手」にはまだまだ至らず
自分のコミュニケーション力について確認すると、「①相手の話をよく聞き、適切な相づちをうつことができる」と答えたのは全体の84.2%と高く、23年4月に社会人になる人では約9割(89.5%)、社会人歴10年以上の人(80.0%)では8割が“聞き上手”を自認していた。
しかし、「②初対面の人に対しても積極的に話しかけることができる」(46.5%)、「③話しかけられるのを待つのではなく、自ら話しかけることができる」(49.8%)、「④大人数が居る中でもうまく会話の輪に加わることができる」(48.3%)など、自ら能動的に交流することができると答えた人は全体の半数以下で、まだまだ“話し上手”とはいえないようだ[図14]。
とはいえ、若い世代は、能動的なコミュニケーションをオトナ世代よりうまくこなせる傾向がある。新社会人は社会人歴の長いオトナたちに比べ、コミュニケーションスキルが高いため、入社後もそれを活かし積極的にコミュニケーションを図ってみてはいかがだろうか。
出典元:千寿製薬株式会社
構成/こじへい