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7月1日からの改正道交法施行によって電動キックボードの保険はどうなる?

2023.05.10

特定小型原付向けの保険は「開発中」

特定小型原付向けの自賠責保険料は、この記事を執筆している2023年5月1日の時点ではまだ決まっていない。

保険というものは必ずデータの裏付けがあるものだ。今の時点ではデータが少なく、改正道交法に合わせて早急には決められないのだろう。

ただし、特定小型原付区分の保険料は従来の原付区分のそれよりも安くなる見込み。その場合に発生する差額は後日返還される、というところまでは決定しているのだ。

ともあれ、「新しい車両区分の保険料」というのは断言したことが言えない。それは任意保険も同様だ。

特定小型原付区分の電動キックボードのみに向けた任意保険、というものは今の時点では情報がない。AIを使って事故データを算出し、そこから保険を開発するという話はあるが、どのみちあるのは「開発中」の話題。従って、こちらも当面の間は原付区分の保険に入ることになるだろう。

シェアサービスの保険は?

ところで、電動キックボードシェアサービスを利用中に事故を起こしてしまった場合の保険はどうなるのか?

これについては、シェアサービス事業者の加入する保険が適用される。東京ではもはやお馴染みの交通手段になったLUUPの場合、電動キックボード搭乗時の対人・対物賠償責任補償額は無制限。

もっとも、「上記はシェアリング車両利用中のみ補償され、シェアリング車両の利用に起因して第三者の生命、身体、財産に損害を与えた場合の法律上の賠償責任を補償します。ユーザーの故意・重過失に起因する傷害は補償の対象に含まれません」という但し書きにも目を通す必要がある。

こうしたことがあるからこそ、LUUPを始めとした電動キックボードシェアサービスは安全講習会の開催に熱心だということが読み取れる。

最近では電動キックボードの飲酒運転防止を呼びかける取り組みが各事業者で活発になっているが、それは「飲酒運転での事故には保険が適用されない」という警告の意味合いも多分に含まれている。

任意保険加入のススメ

以上、「電動キックボードの保険」というテーマで記事を書き進めたが、筆者としては任意保険は確実に加入することをお勧めしたい。

自転車が歩行者と衝突して死亡させてしまった、ということが実際にあるのは賢明な読者諸兄諸姉は既にご存じだろう。

電動キックボードではそうしたことは起こらない、と考えるのはあまりに楽観的である。だからこそ「免許不要」という点に今も激烈な議論があるのだが……。

路上の安全がかかっているこの問題については、今後も調査して最新の情報を読者の皆様にお伝えしたいと思案している。

特定小型原付区分の電動キックボードに義務付けられる「最高速度表示灯」とは?

昔、大型貨物車には「速度表示灯」という保安部品の設置が義務付けられていた。 これが現代で復活しようとしている。が、それは大型貨物車に対してではない。特定小型原動...

【参考】

警察庁
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/tokuteikogata.html

保険について-LUUP
https://support.luup.sc/hc/ja/articles/360051962573

取材・文/澤田真一

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