昔、大型貨物車には「速度表示灯」という保安部品の設置が義務付けられていた。
これが現代で復活しようとしている。が、それは大型貨物車に対してではない。特定小型原動機付自転車即ち電動キックボードに対してだ。
この背景にあるのは「歩道乗り上げ問題」である。現実問題、電動キックボードは賛否両論のある乗り物だが、速度表示灯の実装により「歩道での最高速度」を厳格に守らせる効果が期待されている。
電動キックボードの「最高速度表示灯」とは
フリーライターの筆者は、@DIMEに限らず様々なメディアで電動キックボードについての記事を執筆している。
去年3月に道交法改正案が閣議決定された直後、筆者は以下の記事を@DIME向けに書いた。
道交法改正案が閣議決定、電動キックボードに免許不要で乗れるのはいつから?
電動キックボードが、手軽な交通手段になるかもしれない。 3月4日、電動キックボードを免許不要で乗車できる道交法改正案が閣議決定された。 これによると、最高時速2...
この記事で筆者は、
「が、16歳未満の運転は禁止され、さらにナンバープレートや自賠責保険は従来の原付と同じように義務化される見込み。装着が必須の保安部品に関しても、今後その詳細が決定するはずだ」
という一文を書いている。この当時は、時速20km/h以下で走行する電動キックボード(特定小型原付)にどのような保安部品が義務化されるのかという詳細が固まっていなかった。
ヘッドライト、クラクション、ウインカー、尾灯、ナンバープレートは絶対に義務となるだろうが、まさか「最高速度表示灯」なるものが出てくるとは思ってもみなかった。
しかし、よく考えてみればそれは自然の流れでもある。
特定小型原付に区分される電動キックボードの最高時速は20km/hということは前述したが、歩道に乗り上げる際は「最高速度6km/h以下」という制限が発生する。
すると、車道走行モードと歩道走行モードを切り替えることができるセレクターが電動キックボードに実装されるはずで、それと連動した最高速度表示灯も必要になってくる……ということだ。
この最高速度表示灯は、車道走行モードの際は点灯、歩道走行モードの際は点滅という仕組み。歩行者がそれさえ把握してさえいれば、歩道上で車道走行モードにしている電動キックボードを一目で見抜くことができる。