エアビーアンドビー(Airbnb)は2008年にサンフランシスコで設立されたテクノロジー企業です。
世界最大の民泊マーケットプレイスを展開しており、ホストとゲストを結びつけるプラットフォームを提供しています。
何より「見知らぬ人が家を借りる」という文化を創造したシェアリングエコノミー企業として、旅行のあり方や働き方そのものの変えたといっても過言ではないでしょう。
旅行需要が回復した今、さらなる成長が見込める企業としても注目です。
そこで今回は米国企業深掘りシリーズとして、エアビーアンドビーについて深掘りしていきます。
ビジネスモデル
エアビーアンドビーのビジネスモデルはとてもシンプルです。
予約が成立した場合、その手数料が入る仕組みです。
ユーザーによる一定の品質管理をするために、ゲストとホストが互いに評価するシステムにしており、この構造はウーバーと同じ原理といえます。
調査会社によると民泊市場においてシェア74%というデータもあり、高いブランド力によって今後も独占的な地位が続くことが予想されます。
またグーグルの「ググる」のように企業名が「動詞化」するほど浸透しており、これは競合他社にとっては牙城を崩すことが非常に困難であることを意味します。
そして他のハイテク企業のようなインフラを整える設備投資がほとんどかからないことから、高収益体質なビジネスモデルであることも大きな魅力です。
実際、2022年の四半期決算を見ると、旅行シーズンは利益率42%という高水準でした。
もうひとつ魅力的な指標としては市場規模があります。
これは2022年末時点のデータとなりますが、エアビーアンドビーの過去4四半期の予約額は611億ドルです。これに対して、エアビーアンドビーがサービスを提供している市場規模は最大で1兆5000億ドルある巨大産業です。つまり今後も事業成長の伸び代が大きいマーケットであることも大きな魅力ではないでしょうか。
コロナ禍から業績も回復
コロナ禍は旅行業界に大きなダメージがあり、
エアビーアンドビーの2019年の売上高 4,805.24(単位:百万ドル)に対して、
2020年の売上高 3,378.20(単位:百万ドル)と大きく下落しました。しかしそこから数年で力強く回復しており、2022年の売上高 8,399.00(単位:百万ドル)と過去最高を記録しています。
これは2023年2月に発表された通期決算において、通期売上高は前年比40%増の84億ドル、営業利益は前年比4倍の18億ドルと高い水準であり、財務状況は極めて良好です。