アフターコロナの世界経済の行方
コロナ禍は流石のロジャーズも少なからず焦りを感じていたようです。なぜなら各国のコロナ対策により海外渡航が禁止され、投資をする上で大切にしてきた現地を訪ねることが出来なかったからです。その際の拠り所としたのが歴史です。過去を振り返ればペストやコレラ、スペイン風邪など未知の感染症が蔓延した事例が沢山あり、その度に人類は乗り越えてきました。
つまり投資をするうえでの原理原則に逆らわず、ロジャーズはコロナ禍でアジア株を買い増しする決断をします。
特にアフターコロナの世界経済では先進国や新興国よりも小さいフロンティア国にロジャーズは注目しています。例えばベトナムは中国と国境を接しており、今後はベトナムから中国へ往来が増えることが予想されます。またベトナムは勤勉な国民性であり、物価が安く、資源が豊富な経済に欠かせない条件が揃っています。
このように、どんなにも危機的な状況になっても、世界で何が起こっているのかを冷静に調べることができる、これがロジャーズが世界三大投資家と呼ばれる所以ではないでしょうか。
おわりに
投資をすればするほど、以下にジム・ロジャーズが優れた投資家なのかを実感するのではないでしょうか。たとえロジャーズと同じレベルの投資家になることは難しくても、現地に足を運び、現実を目の当たりにすることで、小さな変化に気付き、新たに興味を持ったものは誰よりも調べる。こうした姿勢は、投資の世界だけでなく、多くのビジネスパーソンにも役立つのではないでしょうか。
今回は冒険投資家ジム・ロジャーズの投資と人生哲学について解説させていただきました。
文/鈴木林太郎