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仕事の生産性が高い人は睡眠の質も高いというのは本当か?

2023.03.23

男女別睡眠の質悪化の原因ランキング:男女共に上位は仕事関連の原因が並ぶ

睡眠は人が健康的な生活を送る上で必要不可欠だ。十分な睡眠を取ることによって、脳や身体の疲労回復が行われ、翌日の活力に繋がる。

睡眠を評価する際、しばしば睡眠時間などの単純な定量データだけに注目が集まるが、良い睡眠には「質」が重要な役割を担う。

今回の調査において、全国47都道府県の1万人の回答者の中で、自身の睡眠の質が「わるい」もしくは「非常にわるい」と回答した人は4,287人もおり、実に日本全国の半数近くの人が睡眠の質に課題を抱えていることが判明。

睡眠の質が悪い原因として考えられるものを、回答が多いものから順にランキングにしたところ、男性はTOP3すべてが仕事関係であった。

女性も男性同様に上位2位までは仕事関係だったものの、3位はホルモンバランスの変化・乱れとなり、 生理・妊娠出産・更年期など女性ならではの健康課題も垣間見える。

実際に生理・妊娠出産・更年期を理由に睡眠の質に課題があると回答した女性に対して、一か月の中で不眠を感じる日数を要因別に回答してもらったところ、生理(前後含む)で平均5.7日、妊娠出産で平均10.4日、更年期で平均7.3日もあることも判明した。

生産性と睡眠の関係性:生産性の高い人は睡眠の質が高い

睡眠の質の悪化は、仕事のパフォーマンスにも大きな影響を与え、企業の損失にも繋がっていることがわかっており、産業事故の多くも、睡眠不足や睡眠障害が原因で起きているといわれている。

今回の調査では改めて、生産性と睡眠の関係性を調査。自身の生産性を100%を最大値として自己評価した際、睡眠時間との明確な関係性は見えなかった一方、睡眠の質のスコアとの相関性が見えてきた。

自身の生産性をレベル3(生産性の自己評価が51〜75%)以上と回答した人の睡眠の質のスコアは70点以上、またレベル4(同じく76〜100%)に近付くほど睡眠の質のスコアが上がる傾向が見られる。

睡眠においては、睡眠時間も重要ではあるものの、「質」がより重要だと従来言われてきたが、生産性の評価が睡眠時間よりも睡眠の質と相関が強いという今回の結果はこの考え方を改めて裏付ける結果であり、睡眠の質が向上すれば生産性も向上する可能性があると言える。

免疫力と睡眠の関係性:免疫力は「睡眠の質」に鍵が!新型コロナの罹患回数と睡眠偏差値の関係性を調査

2020年以降の新型コロナウイルスの流行もあり、免疫力の向上やワクチンの有効性を高める上での睡眠の重要性が再認識されている。

今回の調査においても、睡眠の質が免疫力に影響を与える可能性を確認するため、新型コロナの罹患回数と睡眠偏差値の関係性を調査した。

今回の回答者の中で新型コロナに1回罹患した人は2,276名(回答者全体の22.8%)存在。一番多く罹患した人では、全体の0.1%ではあるものの12名が5回以上罹患していることがわかった。

新型コロナウイルスに1回でも罹患したことのある人と罹患していない人の睡眠偏差値を比較すると、罹患した人の方が有意に睡眠偏差値が低い結果となった。また、罹患回数が多いほど睡眠偏差値が低い傾向があることも判明。

今回の調査結果はあくまで現時点の睡眠偏差値を評価するものであり、過去1年間の体調不良と睡眠状態の間の因果関係を示すものではないが、新型コロナウイルスに罹患した人は免疫力が低下しており、それが睡眠の問題に起因しているために睡眠偏差値が低くなっている可能性がある。

睡眠は、健康の維持において非常に重要な役割を担っており、新型コロナに打ち勝ち、健康的な毎日を送るためにもこれまで以上に睡眠への意識を高めていく必要があると言えそうだ。

働き方(固定制と交代制)と睡眠の関係性:「交代制勤務」の睡眠偏差値が悪い傾向

今回の調査では、働き方と睡眠の関係性も調査したところ、交代制で働いている人は、睡眠時間でみると6時間48分となり固定制勤務の人と比較しても特に短いわけではないものの、睡眠偏差値では46.6であり、固定制勤務と比較すると有意に悪い結果であることが分かった。

良い睡眠を生み出すには、眠りに就く時間はできる限り日々固定化することが大切だ。夜22時なら毎日22時、深夜3時なら毎日深夜3時。

就寝時間を一定にすることで入眠に最適なリズムが生まれ、寝つきがよくなり、深い睡眠が生まれやすくなるが、交代制勤務の場合そのような固定化が難しく、結果的に睡眠偏差値が悪くなる傾向にあることが考えられる。

本調査でも回答者である日本人有職者全体の10%程度が交代制勤務を行っていることがわかった。単純に睡眠の良し悪しの観点からは交代制勤務を推奨することはできないが、交代制勤務がなければ現代社会を支えられないのもまた事実。

24時間サービスの提供や、24時間工場の稼働のために経済効率から交代勤務を導入する企業は数多くあり、その勤務体系も経済優先で決定されることが多いと考えられる。

また、警察署や消防署、民間の警備会社など、治安や社会インフラの維持のための仕事も24時間対応にならざるを得ない。

完全な解決策にはならないが、交代制勤務者の負担を少しでも軽くするには、シフトを前へずらすのではなく、後ろへずらすことが重要だ。

たとえば、病院の看護師の日勤、準夜勤、深夜勤の三交代制の場合なら、深夜勤→準夜勤→日勤ではなく、日勤→ 準夜勤→深夜勤の順番でシフトを組むということ。

後ろへずらすほうが、順応しやすく、眠気や生産性の問題が少なく、満足度が高いと言われている。

調査概要
調査手法:web調査
対象地域:全国
対象者条件:男女
サンプル数:n=10,000ss
調査実施期間:2023年1月
※集団間の睡眠偏差値、スコアの比較においては、一元分散分析、あるいはt-検定を行い、有意水準5%以下を統計的に有意な差と判定し記載した。
※昨年と一部対象者、調査項目を変えて調査を行っている。
※出典:睡眠偏差値2023 ブレインスリープ調べ

関連情報:https://brain-sleep.com/service/sleepdeviationvalue/research2023/

構成/Ara

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