ユーチューバー成功の鍵は?
大切なのはとにかく動画を作ってアップして、世に問うことだというアキラ先輩。
しかし意外にもマーケティングや戦略を考えている訳ではなく、自分の興味が赴くままに動画を制作しているそうです。
「先ほど、自分のポジションで自分らしく語りなさいと言いましたが、ユーチューバーを目指す方へのもう一つのアドバイスは、とにかく動画をアップすることです。僕に相談に来る人たちにそう言うのですが、『良い題材がない』『編集能力がない』とか言い訳をして結局動画を作らないのです。しかし考えるだけ無駄です、そんなことをしているよりまず作ってみることです」
アキラ先輩によると、相談を持ちかける人の9割は実際に始めることがないそうです。
「中には『こんな作品では恥ずかしい』と言う人もいますが、そういう方に言いたいです。駄作は再生されないから恥ずかしくないですよと(笑)。動画の内容の判断を自分でするのではなく、世間にして貰うべきなのです」
フィリピンと日本の繋ぐビジネスに挑戦中!
ユーチューバーを超えた活躍をしている。
ユーチューバーとして成功を収めたアキラ先輩。今、新たな挑戦に取り組んでいます。フィリピンの若者たちを日本へ送る人材派遣ビジネスです。
フィリピンの人々は性格が明るくお年よりに対する尊敬の念が強いので介護などの現場で活躍するのにうってつけです。またアメリカの植民地だった時代があることから英語が得意なため英語教師としても有能です。
「生活の苦しい地方の若者に職を与え、人材不足で悩む日本を助けることにもなるウィンウィン(win-win)のプロジェクトです。応募に来る若者たちそれぞれの才能を生かしたマッチングをすることを心がけています」
フィリピンで自分の人生が大きく転換したアキラ先輩。日本の若い人たちへ1つのアドバイスがあります。
「もし日本が生き辛いと感じたら、フィリピンで少し生活をしてみるのも手です。いろいろな体験がここではできます。また英語圏であることから、ここでの体験を生かし、シンガポールやオーストラリア、アメリカへと自分の道を切り開いていく踏み台になるかもしれません」
人もうらやむような金銭的大成功を収めたあとに、ギャンブルや豪遊で全財産を溶かしてしまう波乱な人生。そしてたどりついたのが「ありのまま」「等身大」で生きること、語ることの大切さ。波乱万丈の人生を生きてきたアキラ先輩の言葉には説得力があります。
梅本昌男
フリーライター。タイや東南アジア諸国の記事をJAL機内誌などの媒体に書く。単行本『タイとビジネスをするための鉄則55(アルク)』。NHKラジオへの出演や写真ACのモデルの仕事なども行っている。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員