「ヘッドハンターを名乗る人物から連絡がきた!」
「会社に電話が…どうして自分の情報を知っているのだろう」
一昔前までは主に外資系企業で見られた採用手法、ヘッドハンティング。近年では、日系や中小、ベンチャーなど、様々な企業でヘッドハンティングが行われています。読者の皆さんの周りでも、ヘッドハンティングが行われているかもしれません。
本記事では、ヘッドハンティングの意味や注意点、ヘッドハンティングされるための方法などを紹介していきます。
ヘッドハンティングの意味、引き抜きとの違いとは
まず、ヘッドハンティングの意味を確認しましょう。
デジタル大辞泉(小学館)によると、ヘッドハンティングとは「他の会社の有能な人材を、より有利な条件で引き抜くこと」。引き抜きという表現が含まれているように「ヘッドハンティング」と「引き抜き」には厳密な違いはありませんが、実際には次のように区別する使い方もあるようです。
【ヘッドハンティング】
・企業から依頼を受けたヘッドハンティング会社が行う
・候補者は主に役職者
(英語でheadhuntingと書くように、会社の幹部級人材がターゲット)
【引き抜き】
・企業が直接対応する
・候補者の役職の有無は問わない
ちなみに、近年では企業が直接人材にアプローチする採用手法を「ダイレクトリクルーティング」とも呼んでいます。
ヘッドハンティングの種類
一口にヘッドハンティングといっても、実は同じ採用手法であるとは限りません。ここでは、「サーチ型」と「登録型」という代表的な2種類の方法を紹介します。
【サーチ型】
サーチ型のヘッドハンティングでは、企業の依頼を受けたヘッドハンティング会社のヘッドハンターが、候補となりうる人材を探し出します。この場合、候補者が転職市場にいるか、いないかは関係ありません。企業が求める人材を見つけるため、独自のネットワークをはじめ、取材やセミナー登壇情報、人事情報、SNS発信をチェックします。
そのため、転職支援サービスに登録していない状態であるにもかかわらず、ある日突然ヘッドハンターから連絡が来たという人もいるでしょう。SNSや電話番号など候補者個人の連絡先を入手できない場合は、在籍中の会社に電話をかけるヘッドハンターもいます。
【登録型】
登録型は、主に転職エージェント(人材紹介会社)が提供するヘッドハンティングサービスです。求職者はスキルや経験などをデータベースに登録、企業が求める要件を満たしていると判断された場合に、転職エージェントから企業が紹介されます。
ヘッドハンティングで転職するメリット・デメリット
ヘッドハンターから連絡をもらい「選ばれた」と舞い上がってしまう人がいる一方、「転職を考えているわけではないのに…」と動揺してしまう人もいるかもしれません。多くのひとにとって、転職は大きな変化を伴うイベント。後悔しないよう、次に挙げるメリット・デメリットを考慮したうえで判断しましょう。
ヘッドハンティングで転職するメリット
・年収アップも!今より良い条件で働ける
ヘッドハンティングでは、多くの場合、現職より良い条件が提示されます。ヘッドハンティングは、企業が候補者に「あなたのそのスキルや経歴が必要です」とアプローチする手法であることからも分かる通り、基本的に企業は候補者に「選ばれる側」だからです。通常の選考と比べて、条件交渉も有利に進められるでしょう。
・キャリアの選択肢が広がる
自分だけでは見つけられない企業と出会える可能性もあるのが、ヘッドハンティングの魅力です。「自分のスキルや経験で、こんな仕事もできるんだ」「今とは違う働き方ができそうだ」など、キャリアの選択肢を広げるきっかけになりうるでしょう。
ヘッドハンティングで転職するデメリット
・周りからの期待が高すぎることがある
ヘッドハンティングされるということは、あなた自身が高く評価されていること。企業としては、あなたにそのスキルや経験を自社でもフルに活用して、成果を出してもらうことを期待しています。しかし、入社後に活躍できない可能性もあるでしょう。「こんなに良い条件で採用したのに…」「期待外れだった」と思われているのではないかと、押しつぶされてしまう人もいます。