小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

三井不動産が宇宙産業参入を促進するオープンプラットフォームを立ち上げた理由

2023.02.20

日本の宇宙産業発展のために非宇宙企業との連携が重要

クロスユーの理事長には東京大学大学院工学系研究科教授の中須賀真一氏が就任。中須賀氏は超小型衛星、宇宙システムの知能化・自律化、革新的宇宙システム、航法誘導制御等の研究、教育に従事、世界初の CubeSat を含む超小型衛星 15 機の打ち上げに成功している。

宇宙産業は4つのフェーズを経てきたと考えられ、個人研究の第一フェーズ、官自らが開発する第二フェーズ、官が投資して民間の会社が開発したロケットを官が使う第三フェーズで日本を含む大多数は今この段階にある。現在アメリカでは、民間が自己資金で開発し官がサービスを購入する第四フェーズに徐々に移りつつある。

「宇宙産業発展のためには『共創』の理念が非常に重要になります。アメリカではスペースXやブルーオリジンが製造したロケットを政府が一定額で購入するといったサービス調達(アンカーテナシー)の取り組みが進んでいます。民間企業が技術を開発し、政府が購入して支える官と民との共創で、政府は同じ予算案の中でやれることが増え、民間は政府が客になることで収入が得られるだけでなく信頼度が高まり、より民間の投資が進むようになります。

世界の宇宙産業規模は約40兆円といわれており、これから年率5%で成長を続け、2050年には200兆円の市場になると予測されています。約半分は宇宙開発が本業ではない周辺の企業が新たな形を得るとされています。ゼネコンによる月面宇宙基地の開発、自動車メーカーの月面探査車の開発、食品関連企業による宇宙や閉鎖性のある環境下での栽培の研究、宇宙太陽光発電などです。

日本の宇宙産業発展のために、宇宙企業と非宇宙企業との連携強化が重要で、両者の接点を創出することがクロスユーを設立した理由のひとつです。

私自身、研究活動の中で感じていましたが、様々な分野の方々と普段から同じ空間にいる『コロケーション』が特に日本では重要だと思っています。閉鎖的な環境ではなく、様々な業種との出会い、交わる中に身を置いた方が自らのプロジェクトを飛躍することにつながり、オープンイノベーションの土台になると考えています」(中須賀氏)

【AJの読み】宇宙を利用したビジネスチャンスが拡大し多業種との共創が不可欠に

現在、月に向かって進んでいるアイスペースの月面探査機には、玩具メーカーのタカラトミーやJAXA、ソニー、同志社大学の共同開発による変形型月面ロボット「SORA-Q(ソラキュー)」が搭載されており(関連記事)、ソラキューにはタカラトミーの変形玩具の技術が使われている。

宇宙を利用したビジネスチャンスは拡大しており、宇宙産業は宇宙探査だけでなく、建設や自動車、食、エネルギーと様々な領域と関わりがあり、非宇宙企業との連携はますます必要になると言われている。

宇宙企業、スタートアップ、大学、研究機関のネットワークや、海外とのネットワークは欧米に比べると日本ではまだ弱く、日本の宇宙産業における大きな課題になっている。多様なプレイヤーの「共創」を実現するには人的ネットワークが不可欠で、オープンプラットフォームを提供し産官学で推進するクロスユーは大きな役割を担う。

文/阿部純子

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年4月16日(火) 発売

DIME最新号は「名探偵コナン」特集!進化を続ける人気作品の魅力、制作の舞台裏まで徹底取材!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。