ただ一言「脱帽」の料理連チャン
店内に流れているBGM。聞き覚えのある曲だと思ったら、エルビス・プレスリーの『オール・シュック・アップ』。ご主人に「この曲、エルビスですね」っていったら、こう返ってきた。
「ウチの店は60年代ポップスしか流さないから」
カックイ~! 普通、こういうタイプの和食出すお店って、演歌とかナツメロのイメージあるじゃない。もっと地元感出そうとする店だと、郷土民謡とかね。
宮城県とかだったら♪まつっしまぁ~の、さぁよ~お・ずいがんじぃ~♪の『斎太郎節』とか流れてそうじゃないですか。それもそれで好きだけど、店の料理も音楽も自分の好みでやっちゃう。これはカッコイ~ですよ。
でまぁそこから話が弾んで、まぁそうだろうとは思ってましたけど、同年配なワケですよ、ご主人とワタシ。ってことで、そのご主人の写真もどうぞ。
『味処 まるたけ』のご主人。オレの食の好みを完全に見抜き切った男・吾妻健氏! いきなりお店行って会うと、もしかして「頑固オヤジ系?」と思う方も中にはいるかもしれないなので、この写真で免疫つけてください。気さくで素晴らしい方です。
そしてド~ンと『刺身の盛り合わせ』がやってくる。写真をこの下に載せますが、その澄んだ輝きと、よく締まった水っぽくない表面を見ていただきたい!
もうオレ、味覚の満足感で悶絶死寸前ですよ その悶絶死に追い打ちをかけるように、小鍋仕立てで、仙台が発祥といわれる『せり鍋』がカウンターに推参! それも牛肉のっかってる!!
↑どうだ、完全に酔っぱらってきてるんで写真がピンボケだ! そんなピンボケでも気付かざるを得ない、サシの入り具合でわかる牛肉の上等さ。
出汁の温かさが身に染みる。ひょっとして、オレは夢を見ているんじゃなかろうか? という夢心地に、ご主人のこと一言がとどめを刺す!
「牡蠣御飯もあるよ」
正直、お腹パンパン、それ以上に幸福度パンパンなんですが、軽く茶碗に一杯いただいた。
米と牡蠣の旨味が渾然一体となり、米の一粒だけで、もはや牡蠣!
『味処 まるたけ』。一軒いっただけで、百軒いった感動! あまりのうれしさにご主人の吾妻健氏とツーショント撮っちゃったもん。
↑当然、酔ってるんでピンボケ! オレ、人見知りなんでお店の人としゃべったりすることって少ないんですが(スナックのみ別)、よっぽど気分よかったんだろうな~。40年近く酒呑んでて初めてかもしれない、お店のご主人と写真撮るの。
『味処 まるたけ』。とにかくオレの好みのモノがズバズバ出てきた、その驚愕! それが全部、今まで好きで喰ってきたたモノの中でトップレベルという再驚愕!
きっと誰もがこの店にくれば、そのダブル驚愕に酔いしれるに違いない。
お値段は1万3千円ほどでしたが、これは納得のお値段。いや、お安い。
この店を一言でいえば、店内でも流れたエルビス・プレスリーの『オール・シュック・アップ』。その日本でのタイトルは『恋にしびれて』!
文/カーツさとう
コラムニスト。グルメ、旅、エアライン、サブカル、サウナ、ネコ、釣りなど幅広いジャンルに精通しており、新聞、雑誌、ラジオなどで活躍中。独特の文体でファンも多い。