★今日のうんちく 〜パクチー〜
今では日本でもお馴染みの香草となった、パクチー。本文でも少し触れましたが、パクチーとはタイ語であり、世界的な呼び名は英語名のコリアンダーです。ちなみに、中国料理でもこのパクチーはよく使われるのですが、その際は香菜(ツァンツァイ)と呼ばれますね。では、日本名は何なのか?ご存知の方いらっしゃいますか?
正解は『コエンドロ、別名・カメムシソウ』という名前なんです。
コエンドロとは、パクチーのポルトガル語読み(Coentro)から来ているそうで、そもそも日本にパクチーが伝来したのも、室町時代にポルトガル人が日本に持ち込んだからなのです。なので、コエンドロは和名というより、ポルトガル語ですね。
ということは、何よりもの和名なハズなのに、おかしな名前になってしまっている『カメムシソウ』に注目ですね。なんというストレートな名前なんでしょう。カメムシが臭い匂いを放つのは分かりますが、まさかその臭いイメージだけを引き継いで香草の名前に使うとは、当時の日本人の発想に驚きです。カメムシソウの名付け親となったその人が、初めてパクチーを嗅いだ瞬間には、さぞ大きな「くさっ!!」っというリアクションをしたのかと想像すると、少し笑ってしまいますよね(笑)
パクチーが苦手な方にとっては、パクチーがカメムシソウと呼ばれる草だと知ったら、さらに嫌いになりそうですね。これまでに様々な食材の名前を調べてきましたが、今回ほど食材のネーミングイメージって様々だな、と思ったことは初めてでした。
文/ 藤田晋也