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働き方の多様化で注目度アップ!ヒューマンスキルの構成要素とスキルを高める方法

2023.02.23

社内の人間関係を良好に保ち、周囲と協力して業務上の目的を達成するには、ヒューマンスキルの向上が欠かせません。部下を指導する管理職はもちろん、一般社員にとっても重要なヒューマンスキルについて、構成要素やスキルを高める方法を解説します。

ヒューマンスキルとはどんな能力?

ヒューマンスキルは、周囲と良好な人間関係を構築し、円滑に業務を進める上で欠かせないスキルとして注目されています。まずはスキルの概要と由来から確認しましょう。

他者と良好な関係を構築するスキル

他者と円滑な人間関係を構築する能力がヒューマンスキルであり、仕事で成果を上げるためだけでなく、部下を指導する際にも求められるスキルです。

ビジネスシーンではコミュニケーション能力が求められますが、ヒューマンスキルはより広い概念として捉えられます。他者の感情を理解し、自分の考えを正しく伝える能力に加えて、交渉力やプレゼンテーション能力なども、ヒューマンスキルの一部です。

カッツが提唱したビジネススキルの一つ

ヒューマンスキルは、特に管理者に求められる能力の一つとされ、アメリカの経営学者であるロバート・L・カッツが提唱したものです。カッツは重要なビジネススキルとして、次のようにヒューマンスキルとテクニカルスキル、コンセプチュアルスキルを挙げています。

  • ヒューマンスキル:周囲と良好な人間関係を構築するスキル
  • テクニカルスキル:業務を遂行するために必要な専門スキル
  • コンセプチュアルスキル:物事の本質を捉えて問題・課題を解決に導くスキル

業務上より上位の立場にある人ほど、テクニカルスキル以上にコンセプチュアルスキルが求められます。ただし、ヒューマンスキルはどの立場であっても、ビジネスパーソンとして必要なスキルです。積極的に身に付けることで、キャリアアップにつながりやすくなるでしょう。

ヒューマンスキルが注目される理由

パソコンに向かう男性

(出典) photo-ac.com

ビジネスシーンでヒューマンスキルが注目される理由としては、さまざまな背景を持つ社員をまとめなければならない点や、働き方が多様化している点などが挙げられます。

特に管理職に就いている人は、多様な価値観を持つ人材をうまく管理しなければならないため、ヒューマンスキルを継続的に高めていく必要があります。

さまざまな背景を持つ人材がいるため

社内にはさまざまなバックグラウンドを持つ人材がいるため、それぞれに合わせた接し方が管理者には求められます。

管理者自身とは異なる価値観や考え方を持つ相手に対しても、リーダーシップを発揮しなければいけません。ヒューマンスキルを高めて、お互いを尊重しつつ、協力できる体制を構築する必要があります。

管理者のヒューマンスキルが高ければ、自分の部下だけでなく、他部門との連携もスムーズに進み、組織全体のパフォーマンスの向上が期待できます。

働き方が多様化しているため

テレワークやリモートワークが一般化し、働き方が多様化している点も、管理者にヒューマンスキルが求められる要因です。オフィス以外で働く人材とも円滑にコミュニケーションを取りながら、業務を進めなければいけません。

近年は、働き方改革やコロナ禍の影響により、オフィス以外で社員が働く環境を構築する企業が増えています。

部下や同僚と面と向かってコミュニケーションを取る機会が減っており、チャットやビデオ会議などを通して相手の状況を的確に読み取り、適切な助言やアドバイスを与えるスキルが求められているのです。

ヒューマンスキルを磨くメリット

パソコンを前に作業する男性

(出典) photo-ac.com

前述の通り、ヒューマンスキルは管理職はもちろん、一般社員にも広く求められるスキルです。社員のヒューマンスキルを高めることで、企業は以下のメリットを得られます。

社員の業務生産性の向上につながる

社員のヒューマンスキルを高めれば、社内でのコミュニケーションが円滑になり、職場環境が改善されます。

『風通しのよい職場』を作り上げるには、社員それぞれのヒューマンスキルの向上が必要です。互いに尊重し合える職場環境になれば、仕事に対する社員のモチベーションも上がり、業務生産性も高まるでしょう。最終的に、企業全体の売上や業績の向上も実現できます。

人材を効率的に育成できる

ヒューマンスキルの高い管理者のもとでは、優秀な人材が育ちやすくなります。部下は上司のヒューマンスキルを直接学べるため、研修やセミナーなどに参加しなくても、おのずと高いパフォーマンスを発揮できるようになるでしょう。

さらに、ヒューマンスキルの高い社員が増えることで、人間関係にまつわる問題が起こりづらくなり、離職を選択する社員が減るのもメリットです。

人間関係のストレスは離職の最大の原因とされているため、社員のヒューマンスキルを高め、心理的安全性の高い職場にすることで、離職問題の解決につながるでしょう。

ヒューマンスキルの構成要素【一般社員】

ミーティング風景

(出典) photo-ac.com

ヒューマンスキルは、いくつかの要素(能力)から構成される概念です。どの能力も有機的に絡み合っており、人によって得手・不得手があるので、どの能力に重きを置いて伸ばすか考えてみましょう。まずは、すべてのビジネスパーソンに求められる、基本的なスキルから確認します。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力はヒューマンスキルの根幹といえるもので、周囲と良好な関係を維持し、協力して業務を進める上で欠かせません。管理者に限らず、すべてのビジネスパーソンにとって重要なスキルです。どのような職種であっても、コミュニケーション能力は求められます。

他者の考えや感情を正確に読み取るのは困難ですが、コミュニケーションを通じて、ある程度は推し量れるでしょう。相手の性格や状況に応じて適切な対応ができれば、円滑に意思疎通ができるようになり、仕事を進めやすくなります。

プレゼンテーション能力

自らの意見や提案、説明を論理的かつ説得力を持って伝えるスキルです。一般的にプレゼンテーションといえば大勢の前で話をするイメージですが、同僚や上司を説得する上でも不可欠な能力といえます。

自分の考えを正確に伝えられるようになれば、認識の齟齬からトラブルが生じる事態も回避できるでしょう。

プレゼンテーション能力を磨くには、話の構成を工夫したり、表現力を高めたりすることが大事です。さらに、必要に応じて画像や表などを駆使して、分かりやすく伝える工夫も求められます。

向上心

自ら達成すべき目標を定め、必要な知識やスキルを習得し、磨き続ける能力も必要です。これも業種を問わず、ビジネスパーソンならば必須といえるでしょう。

向上心は自分が理想とするキャリアを歩むために、さまざまな知識や技術を習得する上で欠かせません。さらに、向上心のある人は周囲にも前向きな影響をもたらします。周囲と切磋琢磨してスキルを磨けば、自分だけで技術を高めるよりも効率的に成長できるでしょう。

他のヒューマンスキルを伸ばす上でも、向上心は基本的な資質として求められます。

ヒューマンスキルの構成要素【管理職】

ミーティング風景

(出典) photo-ac.com

主に管理職に求められるヒューマンスキルを構成する要素を紹介します。ただし、一般社員でも必要な場面は多々あるので、上記の基本スキルとともに積極的に磨くように心がけましょう。

リーダーシップ

管理者に欠かせない素養として、広く知られているのがリーダーシップです。組織を統率し、部下を適切に指導するためのスキルとして、管理者は必ず身に付けなければいけません。組織の目標達成に向けて推進力を高めるのに必要で、立場が上がるほど高いレベルが求められるでしょう。

また、課長や部長といった役職に就いている人だけでなく、チームで仕事をする際のまとめ役を務める社員も、リーダーシップに関するスキルが必要です。チームメンバーそれぞれが、責任者の感覚で仕事に向き合うことで、全体の生産性が大きく向上します。

ヒアリング能力(傾聴力)

相手の話をよく聞き、何を伝えたいのか正しく理解するためのスキルで、『傾聴力』とも呼ばれます。単に話を聞いていればよいわけではなく、話の全体像と要点を把握し、何が問題なのか、どういった提案をすればよいかを考えなければいけません。

プライベートなシーンであれば、相手の話を聞くだけで問題ないケースもありますが、ビジネスシーンでヒアリングを行う場合、問題解決につながる提案が求められる場面も多々あります。不明点があれば適宜質問をしながら、正確に話を理解できるように努める必要があるでしょう。

ネゴシエーション能力(交渉力)

相手と交渉して自分の意見を通したり、妥協点を見つけたりする能力も、ヒューマンスキルを構成する要素です。

日々、顧客との交渉を経験する営業担当者を中心に、多くのビジネスパーソンに求められるスキルといえるでしょう。話をうまくまとめた上で調整を図る際にも、ネゴシエーション能力は欠かせません。

自分の要望を一方的に伝えるのではなく、相手の要求も受け入れつつ落とし所を探るのは、顧客に対してだけでなく、社内での調整にも求められる能力です。最終的に相手とWin-Winの関係を築ければ、次の機会にはよりスムーズに話を進められるでしょう。

コーチング能力

コーチング能力とは、問題解決につながる気づきや発見、行動を促すスキルです。管理者が部下のマネジメントを行う上で重要な能力で、相手のアプローチの仕方を改善するとともに、自ら成長する機会を与えます。

部下が自発的に必要な知識や技能の習得に努めるようになるには、上司が一方的に答えを押しつけてはいけません。それぞれの性格や強み、理想とするキャリアなどを考慮しつつ、部下が自分なりの答えを出せるように促すスキルが求められます。

ファシリテーション能力

ファシリテーション能力とは、会議やミーティングなどがスムーズに進行するように取り計らうスキルです。全体の方向性を決めるとともに、参加者全員が話しやすい雰囲気を作る能力ともいえるでしょう。

ファシリテーションスキルは会議やミーティングの場面で役立ちますが、管理者が部下と1on1ミーティングを行う場合にも、話を促したり、重要なポイントをまとめたりする力が求められます。チームで話し合いをするケースでも、話のまとめ役に必要なスキルです。

ヒューマンスキルを高めるには?

研修の様子

(出典) photo-ac.com

ここまで説明してきたヒューマンスキルを高めるために、以下の方法でトレーニングをしてみましょう。個人レベルでスキルを磨くのに加えて、研修を受けたり、周囲からフィードバックをもらったりすることも大事です。

研修に参加する

社内で研修を開いたり、外部のワークショップやセミナーなどに積極的に参加したりするのがおすすめです。企業としては、社内の集合研修で基本的な事柄を学ぶ機会を設けたり、外部の専門的な研修を受けられる体制にしたりすることで、社員のスキルを効率的に高められます。

近年はヒューマンスキルに関する研修が数多く開かれているので、具体的にどういったスキルを身に付けられるのかを確認し、自社に合ったもの選びましょう。

福利厚生の一環として、社員が個人的に外部研修を受ける際に費用の一部を負担している企業も存在します。社内の有志で、定期的に勉強会を開くのもよいでしょう。

人事評価の基準として取り入れる

社員にヒューマンスキルを身に付けさせたい企業は、人事評価の基準の一つとして、ヒューマンスキルに関する項目を取り入れる方法があります。

上記のように、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力など、いずれもビジネスシーンで必要な技能ばかりなので、人材評価の基準としても有効です。

特に管理職を評価する場合、リーダーシップやコーチング能力などを評価の基準としている企業は多いでしょう。社員側も、人事評価においてどのヒューマンスキルが重視されているかを理解し、そこを重点的に磨くことでキャリアアップにつながります。

フィードバックを得られる環境を作る

管理者と部下による1on1ミーティングをはじめ、実際の業務の進め方や周囲との関係構築など、ヒューマンスキルの観点から、適宜フィードバックを受けられるようにしましょう。

それまでの業務を振り返りながら、すでに十分に身に付いているスキルと、これから力を入れて身に付けるべきスキルに関して、社員が適切なアドバイスを受けられる環境を作る必要があります。ヒューマンスキルの取得に関して、社員同士が協力し合う環境も大切です。

特に1on1ミーティングを行う際には、具体的にどういったスキルを磨くか、社員が自ら目標を設定するようにしましょう。設定した目標の達成を目指して、学びと実践を繰り返すことが大事です。フィードバックを受けながらPDCAを回すことで、効率的にスキルを身に付けられます。

構成/編集部

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