〝仕事を捨てる〟の3STEP
【STEP 01】週1回15分の〝内省〟でタスクを見直す
週に15分だけ、1週間の仕事を振り返る時間をつくる。こうして仕事を洗い出すだけで、無駄なタスクが11%も削減されるという。新たに時間を創出したなら、タスクの優先順位を短期的な〝緊急度〟ではなく、中長期的な〝重要度〟で並び替えることがコツだ。生み出された時間を何にどう使うか、先に決めておくと、ダラダラせず時間の有効活用にもつながっていく。
【STEP 02】「放棄」「延期」「委託」でアクション
有能な人ほど、会社の評価軸に合わせたアクセルとブレーキの使い分けが絶妙。裁量権につながる提案書作りにはアクセル全開でエネルギーを爆発、評価に結びつかないチーム会議や報告書作成ではブレーキを踏んで労力を抑える。重要でない案件は「放棄」、今やらなくてもいいなら「延期」、人に任せられるものは「委託」といい意味での〝ずるい〟仕事術で効率化を図ろう。
【STEP 03】自己裁量権を獲得し、幸福度がUP
ビジネスパーソンの理想のゴールは、社内で自己裁量権を持ち、好きな仕事を、好きなやり方、好きな場所で行なうことだ。〝Work in Life〟を目指し、時には仕事が終わった自分へご褒美を用意してモチベーションを上げる。この位置に立てれば、企業にいながら仕事の取捨を自分でコントロールできる。
心理学者マズローの提唱する欲求5段階説。レベル4の尊厳欲求は承認欲求のことで、レベル5の自己実現欲求が自己裁量権となる。
越川流〝仕事捨てテク〟Keyword 3
【01】巻き込み力
周りを巻き込むことで無駄な仕事は減っていく。口説きのポイントはお願いする意義と目的、メリットをハッキリ伝えること。相手もいい気分で承諾できる。
【02】ポジティブ変換
仕事で穴をあけても「失敗に気づいたオレってすごい」と考えられるのがポジティブ脳。何事にもへこまず、前向きに捉え続けることで行動の改善が起こる。
【03】割り切り
今後につながらない、ためにならない仕事は割り切るのが鉄則。「重要そうな仕事の8割は重要ではない」(越川さん)ので、労力をかけず淡々とこなすのがベスト。
クロスリバー代表取締役CEO
越川慎司さん
日本マイクロソフトの業務執行役員を経て2017年に起業。これまで延べ800社以上の働き方改革を支援し、オンライン特別講座も提供。コロナ禍中に13冊のビジネス書を上梓した。
取材・文/安藤政弘 イラスト/中村純司