DIME MAGAZINE
●医療機関への調査結果
「医師の労働時間を管理する」意識が高まっている医療機関は約7割
2024年の「医師の働き方改革」では医師の労働時間を管理していくために、まずは医師の勤務実態を正確に把握することが重要であるとされている。医師の働き方改革に向けて「院内で医師の労働時間を管理することへの意識が高まっている」についての質問には、「かなりそう思う」（13.3パーセント）と「そう思う」（55.2パーセント）を合わせると、意識が高まっている医療機関は68.5パーセントだった。
「副業先も含めた労働時間」を把握できている医療機関は約半数
勤務医の労働時間の把握状況について質問すると、「自院における労働時間」を把握している医療機関は「すべての医師について把握している」、「大半の医師について把握している」を合わせると90.6パーセントが把握していると回答。「副業など自院以外の労働時間」の把握については、「全ての医師について把握している」と「大半の医師について把握している」を合わせて56.3パーセントにとどまっており、勤務実態の把握にいまだ大きな課題があることがうかがえる。副業先での労働時間を把握するための方法として、もっとも多かったのは「バイトを申請制にしている」（33.6パーセント）だった。
●医師への調査結果
約3割の医師が「医師の働き方改革」で年収が減少すると回答
「医師の働き方改革」施行後、年収（常勤／非常勤の合計）にどんな変化が見込まれるか質問すると、「大幅に減少する」と「減少する」を合わせると、医師の32.8パーセントが収入が減少すると回答。「医師の働き方改革」以降も収入は変わらないと考える医師が全体の4割を超える一方で、およそ3人にひとりの割合で「医師の働き方改革」以降は年収が減少すると考える医師が存在している。
収入が減少する理由は非常勤の副業先収入の減少がもっとも多い
収入が減少する理由としては、「非常勤先の収入が減少するため」（64.4パーセント）が最多で、「常勤先の収入が減少するため」（19.5パーセント）、「常勤・非常勤両方の収入が減少するため」（16.1パーセント）が続く。年収が減ると見込んでいる医師が特に懸念しているのは、これまで通りアルバイトができなくなることによる非常勤先からの収入減であることがわかる。
「医療機関の宿日直許可の取得状況」がアルバイト探しで重要
医師が「医師の働き方改革」以降のアルバイトを検討する時には、自身の勤務時間数に関わるため、勤務先となる医療機関が宿日直許可を取得しているかの確認が必要になる。今後のアルバイト探しにおいては、69.1パーセントの医師が医療機関の宿日直許可の取得状況が分かることが重要であると回答（「非常に重要である」「重要である」の合計）。今後は、宿日直許可の有無が医師のアルバイト募集求人において、欠かせない情報になっていくと思われる。
年収を維持するために約半数の医師が「投資などの医業外収入」を検討
「医師の働き方改革」施行後も年収を維持するために検討していることについて質問すると、「投資などの医業外収入を確保する」172件（47.9パーセント）が最多で、次いで「宿日直許可のある医療機関でのアルバイトを探す」137件（38.2パーセント）、「転職する」74件（20.6パーセント）だった。「その他」では、“働けるうちに稼ぐ”、“フリーランスになる”、“開業する”などの声もあった。
https://www.mstage-corp.jp/2022/12/19/3052
医療機関『「宿日直許可」の取得状況についてのアンケート』概要
調査期間：2022年11月1日～2022年11月18日
有効回答：286院
対象：全国の病院・診療所・老健など
回答属性：急性期病院61院、ケアミックス病院77院、療養病院37院、回復期リハビリテーション病院21院、精神病院31院、有床診療所13院、有床診療所33院、老健3院、そのほか10院
調査方法：ウェブを利用したアンケート調査
医師『「医師の働き方改革」以降に予測される変化についてのアンケート』概要
調査期間：2022年11月/22日～2022年11月29日
有効回答：359名
対象：『Dr.転職なび』・『Dr.アルなび』に登録する会員医師
調査方法：ウェブを利用したアンケート調査
構成／KUMU
出典：「株式会社エムステージ」
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