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医師の働き方改革のカギを握る「宿日直許可」とは何か?

2022.12.27

2024年から医師の時間外労働の上限規制がスタート

医療人材総合サービスを提供して『Dr.転職なび』や『Dr.アルなび』を運営するエムステージは、2024年にせまる「医師の働き方改革」以降の医師確保のポイントのひとつとなる「宿日直許可」について、医療機関286院と医師359名にアンケート調査を実施して結果を発表した。

多くの医師が医局派遣や副業で常勤先以外の医療機関でも勤務をしているなかで、常勤先の勤務後に働ける当直や週末の日当直では、幅広い年代の医師が副業をしており、医師不足や常勤医の負担緩和に悩む医療機関の支えとなっている。

2024年から始まる医師の時間外労働の上限規制では、総勤務時間が上限を超えないように、副業先を含めた勤務時間の管理が必要だ。

そこで重要になるのが医療機関の「宿日直許可」の取得有無。宿日直許可がある副業先であれば、原則的に勤務時間とみなされないため、大学病院の医師派遣の引き上げや非常勤医師の採用ができないといった可能性を避けることができるからだ。

宿日直許可を受けられる基本的な条件は、「通常ほとんど業務が発生せず、夜間に十分な睡眠が取り得る」場合で、「ひとりあたりの宿日直を宿直は週1回、日直は月1回に収める」などの条件がある。そこで医療機関の「宿日直許可」の取得状況や医師への影響について、医療機関・医師への調査を実施した。

「宿日直許可」を取得済・取得予定の医療機関は約8割

「宿日直許可」の申請予定を質問したところ、78.2パーセントの医療機関が取得済み・取得予定であることがわかった。「宿日直許可」の取得は、医療機関にとって非常に関心が高いことがわかる。

「宿日直許可」の取得有無が医師確保に影響を与えると考える医療機関は6割以上

「宿日直許可」の取得有無が自院の医師体制確保にどの程度影響があると思うか質問すると、「大きな影響がある」(37.4パーセント)と「影響がある」(27.6パーセント)を合わせると、65パーセントの医療機関が影響があると回答。

自由記述回答

●非常勤医師の採用・確保ができなくなる
・夜間当直は非常勤医師にお願いしており大半が大学病院の医師のため、宿日直許可を取らないと夜間当直医師が回らない(大きな影響がある/100床未満・急性期病院)
・ほとんどの当直をスポットや外勤の先生にお願いしているため、医師の確保が難しくなる(大きな影響がある/100床以上200床未満・ケアミックス病院)
・「日直回数が月1回」との回数制限があるため、特に週末の日直に複数回入っていただている先生については今後1回しかご勤務をお願いできない(影響がある/100床以上200床未満・急性期病院)

●常勤医の負担が増える
・取得しないと当直に穴が開く。時間外の概念を受けない理事長・院長への負担が増大する(大きな影響がある/100床未満・療養病院)
・当直の大半を外部より調達しているので、許可がなければ大学病院などに勤務する医師からの応募者が減少し、常勤医の負担増となる。そのために医師の増員の検討がさらに必要となる(大きな影響がある/100床未満・ケアミックス病院)
・近隣の大学病院からの派遣にて宿日直が成り立っている。「宿日直」が取得できないと自院の常勤医師にて体制構築が必要となり、とてつもない負担となる(大きな影響がある/100床未満・ケアミックス病院)

●現在の医療提供体制を維持できなくなる
・宿直医師が決まらない日があれば、その診療科の救急受入ができなくなる。地域医療にとって大きな問題であると考える(大きな影響がある/300床以上400床未満・急性期病院)
・医師が少ない地域で2次救急を担当していると、宿日直許可申請が通らない可能性が高い。むしろそういった中小の2次救急指定病院が、2024年の働き方改革に大きく影響される中で、特に医療過疎地域はますます厳しい状況になることが予想される(100床以上200床未満・ケアミックス病院)
・宿日直許可を得られなかった場合、現在非常勤医師で埋めている当直枠が引き上げによって、埋まらなくなる可能性が高い。そうなると埋まらない枠に常勤医師が入らざるを得ない状況となるが、勤務間インターバルを加味すると翌日の外来、手術、処置などが人手不足となる(大きな影響がある/200床以上300床未満・急性期病院)

●今よりも人件費がかかる
・非常勤医師を多数お願いしなければならない。人件費がかかる(大きな影響がある/100床以上200床未満・療養病院)
・管理者の宿直回数が増える。やむを得ず週2回目になった時は、時間外報酬として支払うことになる(100床以上200床未満・精神病院)
・宿日直許可が得られず「勤務時間として対応せよ」となった場合は、多額の人件費が発生してしまう。病院運営に大きな影響が出るため、時間外対応を停止せざるを得ない可能性がある(大きな影響がある/100床未満・ケアミックス病院)
・外勤をしている勤務医がいるが、外勤先の施設が宿日直許可を受けていなければ、残業時間超過してしまう可能性がある。また残業時間超過により外勤を辞めてもらう必要が出た時は医師の給与が減ってしまうので、場合によってはその減額分を補填する必要が出てくる(大きな影響がある/100床未満・ケアミックス病院)

●その他
・宿日直許可が時間外労働時間の免罪符的な役割になっている。本来の医師の働き方改革から歪んだ対応になりがちではと感じる(200床以上300床未満・ケアミックス病院)
・医療機関と医師の合意で十分と思います。宿日直の基準を決めること自体がナンセンス(100床未満・無床診療所)
・全国的に医師不足なことは誰もが承知している社会問題だが、現実的に不可能に近い要件が示されており、労基、医療現場とも苦慮している。守れるルールと医師の労働のバランスをとり、再度当該事項について検討することが必要であろう(200床以上300床未満・精神病院)

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