ガッツと前向きで押していく。指示待ちから脱却せよ!
──お父様もインドで会社を経営なさっていたそうですね。
「はい。父から言われたことは『とにかく人を大切にしなさい』ということ。父もいつも笑顔で、社員ともいろんな面で交流していました。やっぱり会社って、お金、設備、商品もあるんですけど、その前に人が会社をつくるんですね。だから私も〝会社は人〟だと思っています。子供の頃から父の姿を見ていましたから、考えを受け継いでいるんだと思います。私はお客様に喜びと感動をお届けするには、まず社員を大切にすることが必要だと考えているんです」
──ジュネジャさんは亀田製菓をどんな会社にしたいですか?
「社員に笑顔と夢と働きがい、やりがいがあること、現場をよりよくすること、そして亀田製菓のポテンシャルをもっともっと世界中に知ってもらいたい。亀田製菓を感じてください、愛してくださいという気持ちがあります。私は夢と笑いのある会社をつくりたいんですけど、この2年間、私が入社してからずっとコロナ禍で、工場も入れない、海外も行けない、マスクしてると誰かもわからない状態だったのです。最近ようやく全社員と会って、話すことができました。私が話して終わりではなく、私にもいろいろ聞いてくださいと言いました。それで『この人、日本語しゃべれるんだな』と安心してもらえました(笑)。その時に『私たちはグローバル・フード・カンパニーになります』と伝えて、夢も語りましたけど、課題も伝えました。今の私たちの実態、原料の値上げやエネルギーのコストがどんどん上がって、ウクライナの戦争があって、為替がこんな状態になるなんて誰も思ってなかった。そう考えると、いいことは1個も起こってないんです。でもそればっかり考えるとネガティブな思考になってしまうから、まずはポジティブに。どこの会社でも取り巻く環境は同じですからね」
もっとアグレッシブに情熱を持って挑戦を
──ビジネスパーソンの読者にアドバイスをお願いします。
「若い人に言いたいのは、大変な時期を乗り越えられるよう、ガッツと前向きで押していこう、ということです。じゃなかったら、生きていけないと思うんですよ。それには指示待ちの人間になってほしくない。上司から言われたことだけやる……これでは普通のサラリーマンですよ。成長しない。もちろん組織ですから上司を尊敬しないといけない。言うことを聞かないといけないこともあるでしょう。それはそれでいいですけど、自分が何をしたいのか、会社をどうしたいのかをひとりひとりが考えてほしいです」
──ご自身の若い頃は?
「私は『あの上司、いずれは部下にする』と思ってました(笑)。これは今の日本の課題だと思いますけど、みんなもう少しアグレッシブに、前へ突き進んでほしい。だって世界中のCEOを見ると、みんな30代、40代、若いですよ。そうなるには、もうやる、やる、やる! と構造改革することですね。指示されるのではなく、自分の中から出てくる情熱を持ってやる、燃えることに挑戦する。そうじゃないと!」
──最後に、亀田製菓をこの先どうしていきたいとお考えですか?
「亀田製菓は戦後の食糧難の時代、『生活に喜びと潤いをお届けしたい』という想いでお菓子の製造を始めました。この創業の心を大切にし、今後も世界中のお客様においしく、からだに良いものを選び、食べ、楽しむ、健やかなライフスタイルをお届けしていきたいと考えています。最終的にはグローバル・フード・カンパニーにしたいという経営者としての夢がありますが、そのためには社員にもっともっと挑戦してもらいたいですね」
会社は人がつくるだから社員を大切にしないといけない
※1 小麦や大麦、ライ麦などに含まれるタンパク質の一種であるグルテンに対して異常な免疫反応を起こす自己免疫疾患。
※2 28品目アレルゲンフリー/【特定原材料(7品目)】卵、小麦、乳、落花生、そば、えび、かに。【表示が推奨されている原材料(21品目)】
ゼラチン、牛肉、豚肉、鶏肉、いか、さけ、まつたけ、キウイフルーツ、バナナ、りんご、カシューナッツ、いくら、あわび、さば、ごま、くるみ、大豆、やまいも、アーモンド、もも、オレンジ不使用。
取材・文/成田 全 撮影/干川 修