ユニークな戦略で知名度をアップ!
台湾の音楽フェスティバルにプロデュースするアイドルグループが登場
コロナ禍で台湾へ行けなくなったものの、リモートでやり取りをし、2020年春、『月宵◇クレシェンテ』を立ち上げます。
彼女たちの知名度アップのため、木本さんは戦略を練ります。1つ目は無料&格安チケットの用意。実は台湾の物価は安いのに、アイドルイベントのチケットはそれと比べると高め。そこに目をつけました。
ライブの際、一般客向けに無料チケットのエリアを後方に、コアなファン用に前方の格安有料チケットのエリアを作ったのです。ここに来て貰ったお客さんにソーシャルメディアを通じて拡散をして貰いました。
2つ目は女性ロックバンドとのコラボ。台湾ではアイドルが出演出来る大きな音楽フェスティバルがなく、どうしたら参加出来るのかを模索していた時、『月宵◇クレシェンテ』が好きという『P!SCO』という女性バンドが共演の話を持ちかけてきました。
木本さんは「その手があった!」と閃きました。共演の後、先方に一緒の楽曲作りを打診した所、すんなりOK。MVの視聴回数もうなぎ上り、そして今年8月にはついに台湾の大型音楽フェスティバル『河海音樂季』のメインステージに登場、約1万人の前で歌ったのです。
2021年秋には姉妹グループである『陽光◆スペクトラ』もデビュー、木本さんの台湾進出は見事に成功しました。
タイへも進出、グループを立ち上げ中
木本さんの勢いは止まりません。アジア戦略の第2弾として、今度はタイでのアイドルグループ立ち上げを現地のアイドル事務所と共に進めています。今年夏、現地でメンバー募集を開始、現在、オーディションと選考の最中ということです。
「自分たちの事務所のグループだけじゃなく、他の事務所さんのグループさんの海外での受け皿役や相談役などもしたいと思っています。皆でアジアのアイドルシーンをもっと盛り上げていきたいんですよ!」
最終目標は数万人が集まるアイドル・フェスティバルのアジアでの開催。木本さんは現状に満足することなく、常に遠くを見つめています。
(取材協力・タイランドハイパーリンクス)
梅本昌男(海外書き人クラブ会員) フリーライター。タイや東南アジア諸国の記事をJAL機内誌などの媒体に書く。単行本『タイとビジネスをするための鉄則55(アルク)』。NHKラジオへの出演や写真ACのモデルの仕事なども行っている。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員