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3か月前でないとダメ?雇用形態によって異なる退職を会社に伝える時期

2022.11.09

法律と就業規則、どちらが強いのか?

多くの会社では就業規則などで「退職する●カ月前までに申し出なければならない」と定めていますが、法律の方が強いです。なぜなら、↓

(1)裁判例

法律が優先する」と判示した裁判例があるからです。高野メリヤス事件(東京地判昭和51年10月29日)では「会社の都合で2週間の期間を延長することはできない」旨判断されました。この事件では、会社の就業規則で「6か月前に退職を申し出なければならない」となっていましたが、無効となりました。

この裁判例に従えば、2週間前に退職を申し出ればOKということになります。

(2)反対の見解

「いや、就業規則の方が強い!」っていう見解もあるっちゃあるんですが、「法律の方が強い」という裁判例の方が強いのが現状です。

 「退職する●カ月前までに申し出ろよ!」なんて恫喝されている場合は、労働局や弁護士に相談してみましょう。退職代行を使うのもアリです。上記裁判例を根拠として退職をもぎとってくれる可能性大です。

損害賠償を請求する!と脅されたとき

会社によっては「引き継ぎが不十分だ」「辞めたら損害賠償を請求する!」と言ってくることがあります。

まぁコレは、ハッタリかましてるだけのことが多いですね。実際に損害賠償請求してきません。裁判で損害賠償請求が認められる可能性は低いからです。

 むずかしい話になりますが、損害の立証や、因果関係(あなたが退職したことと損害との間の因果関係)の立証がゲキムズだからです。もし私が会社から依頼されても断ります。ほぼ勝てないので。

 もし、会社から「損害賠償を請求する!」と言われている方がいらっしゃったら、労働局や弁護士にご相談ください。

まとめ

今回は、

●法律上、正社員なら2週間前に伝えればOK
●就業規則より法律の方が強い
●会社の「損害賠償請求するぞ!」はほぼ認められない

ことをお伝えしました。

心身を壊す前に、素早く辞められることをお祈りしています!

取材・文/林 孝匡(弁護士)
【ムズイ法律を、おもしろく】がモットー。コンテンツ作成が専門の弁護士です。
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