クイックな体制でコロナ禍でも勝ち続ける
大型店舗は現在「3COINS+plus」という名前で、全国に130店舗以上展開。
――新型コロナウイルスの流行中に、アプリとECストアを立ち上げたとのことですが、実店舗とECストアでは、どちらに需要がありますか?
小林 「やはり生活雑貨は手にとって選びたい方が多いので、まだまだ実店舗ですね。おかげさまで各地からの出店要望もたくさんいただいていて、コロナ禍以降、大型店を増やしています。
ただ、ECストアはもともと構想としてあったので、外出が難しくなったコロナ禍のタイミングで、半年ほどの開発期間で2020年9月にオープンしました」
――かなり短期間で開発されたのですね。商品や商品開発での変化はありましたか?
升川 「3COINSは、お客様の気分や時流にクイックに対応する体勢がもともとあるので。扱う商品やボリュームも、コロナ禍を機にガラッと変えました。
たとえば、以前なら夏はビーチアイテム、春や秋はピクニックやアウトドアアイテムがよく売れるので、レジャーアイテムをたくさん展開していました。でもコロナ禍で、その需要が一気になくなって。
2020年の夏は、STAY HOMEに合わせて『おうち時間』に振り切って、お料理をする方の増加に合わせてキッチンアイテムを充実させました。あとは『おうちカフェ』も流行ったので、それに付随するインテリアも増やしましたね」
「ダイヤモンド型立体形状マスク20枚入り」330円(税込)。
小林 「そもそもは2020年2月に花粉対策として発売したマスクとマスクケースも、偶然にもコロナ禍に突入して、一気に売れ始めたアイテムです。お客様の要望を受けてバリエーションを増やして、今ではファッション性のあるマスクが売り上げの上位を占めています」
――今後は、どのような展開を視野に入れていますか?
升川 「男性のお客様にも、もっとご利用いただきたいと考えています。ですので、従来のデザイン性重視のものと、実用性や機能を追求したシンプルなものの2軸で商品開発を進めているところです。
あとは、より生活に寄り添える手に取りやすい物を増やしていけたら。そのためにも、300円を中心にしっかり展開しながら、500円、800円、1000円と、価格の幅を広げています。
生活者としてお財布を考えれば、300円という低価格で商品のクオリティをあげたり幅を広げたりすることも大事ですが、最初は新しいと感じる商品も、いつかは100円均一や他の生活雑貨店に追いつかれてしまう。3COINSならではの物作りを続けていくためにも、あくまで手に取りやすい価格の範囲で+αをご提案していけたらと思っています」