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100均と何が違う?3COINSの毎日ちょっと幸せになるモノ作り戦略

2022.11.08

売り上げアップにInstagramを活用

――防滴スマホケースでいえば500円(税込550円)で買えます。デザイン性や実用性の高さと利益とのバランスは、どうとっているんですか?

升川 「難しい質問ですね(笑)。正直、現在の雑貨業界は全体的に低価格な傾向にあります。でも、だからといって、安かろう悪かろうみたいな物作りは、3COINSの役目ではないと思っていて

ピクニックなどに使うレジャー用品やマスクを除いて、3COINSでは使い捨ての物をあまり作りません。そのあたりは、100円均一に委ねればいいかなと。僕たちは、トレンド感もありつつ、少しでも長く使えるものをご提案する。それがお客様の『300円で、これが買える!』という驚きやワクワクにつながっていると思うので。

そういう意味でも、やはり大切なのはお客様目線にたつこと。お客様が欲しいものを追い求めることが、デザイン性や実用性の高さと利益とのバランスをとることにもつながっているのではないでしょうか。

だから、デザインも機能も一切手を抜かず、コストぎりぎりまでかけているんですよ」

2022年9月5日に販売を開始した、ファッションブランド「THEATRE PRODUCTS」ディレクションによる新ライフスタイルブランド「3C」

――コラボレーションもよく見かけますが、集客に一役買っているのでしょうか。

小林 「コラボレーションが始まったのは、5〜6年前です。当初はキャラクターものが中心でした。近年では100円均一や他の生活雑貨店でもキャラクターものが増えてきたので、3COINSならではのコラボレーションを意識しています。アパレルブランドの『シアタープロダクツ』との取り組みも、その一つです」

升川 「先方からお声がけいただけることもあれば、こちらからご相談するパターンもあって。どちらにしても、自分たちが欲しいかどうかという“生活者目線”を大切に、コラボレーション先を決めたりアイテムを作ったりしています」

『SANDER STUDIO』とコラボレーションしたチャリティープロジェクト

――「3COINSならでは」でいえば、チャリティー商品も。

小林 「『TU DU KU(つづく) PROJECT』というサスティナブルシリーズで、売り上げの一部を子どもたちの貧困問題に取り組む団体の『Save the Children』に寄付しています」

洗って繰り返し使えるシリコン製のジッパーバッグ。

スーパーなどの買い物かごに合わせて使えるエコバッグ。

小林 「これは、難しいことを伝えたいというよりも、身近な暮らしや日々のお買い物を通して世界の“ちょっと幸せ”につながるという取り組みです。

お客様が生活の中で使って楽しんでくださることが、まずは大事。それが、まわりまわって誰かの役に立っていると知ったら、ちょっと嬉しいですよね」

フォロワー数およそ158.5万人の公式アカウントは2015年6月から立ち上げた。

――よいもの、思わず手に取りたくなる商品を作る。その上で、さらに売るために工夫していることはありますか?

小林 「一ついうなら、Instagramです。今はSNSで情報を探す方も多いので、Instagramで新商品をしっかり見せたり、社内スタッフにインフルエンサーとして実感に基づいた投稿をしてもらったりして、商品の回転率をあげています」

――社内にインフルエンサーがいるんですか。

小林 「公式アカウントの他に、全国各地に60人くらいのインフルエンサーがいて、中には10万人くらいフォロワーがいるスタッフもいますよ。募集はかけますが、社員・アルバイト問わず、やりたいと立候補してくれるスタッフに公式アカウントを渡しています。

SNSは自主性や個性が光るメディアなので、何回投稿するとか、何を発信するとかは、強制しません。伝えたいことを、自由に発信してもらいます。もともと3COINSファンのお客様はもちろん、投稿をきっかけにスタッフのファンになってくださった方が『会いたい!』とお買い物にきてくださるパターンも多いようです」

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