長く愛されるブランドを引き継いでいくために
―この先、考えていることを聞かせてください。
塩谷「今、まさに動き始めているのは音楽連載の立体版。来年の夏に、『Oggi Fes』という音楽フェスを開催予定です。『Oggi』読者が興味のあるものを考えたときに、フェスもあるのかな? と。ただし、テント泊はハードルが高い。だから場所は、会社帰りに立ち寄れる都心でできればと思っています。会場には、まだまだアイディアレベルですが、骨格診断をしてからスーツを試着できるブースやファンデーションお試しブースなどを作り、回遊できるようにしてもいい。音楽を聞きに自分の席に行くと、座席にいろんなサンプルが置いてある・・・という『Oggi』ならではの内容でやってみたいなぁと思っています」
―そういった全ての発想の源にある原動力は何なのでしょう?
塩谷「長年愛されている『Oggi』を、これからも続けることです。雑誌に限らず全てのものにいえますが、これから30年も続く商品を新しく作るのは、なかなか難しいでしょう。だから、今あるものは、どう生き残っていくか、発展させていくかを考えたいですね」
―生き残るために大切なこととは何でしょうか?
塩谷「雑誌でいえば、サイズや刊行形態が変わったとしても、やめずに出し続けることでしょうか。やはり、かたちあるものは認識していただきやすいと思います。とはいえ、あまりかたちに固執しなくていいと思っています。いずれにせよ、そのためには『Oggi』というブランドが強くないといけない。歴史から培った物事を大切に、軸足は残しながらも、常にもう一方の足で新しい世界を探る姿勢は忘れずにいたいです」
「Oggi」という“ブランド”がずっと愛される5ヶ条
1 ファンの年齢層に上限は設けない
「好き」と言ってくれる皆さんが『Oggi』読者。エイジで切る時代はもう終わった。
2 本質は大切に、固定概念にとらわれない
魂は売らない。でも、ある程度は流れにのり、ギリギリまで攻める。
3 信頼を獲得する高いセンス
流行のキャッチセンサーは高く。読者が「やっぱりおしゃれ」と言われるべく、旬の情報やスタイリングを、しっかりとしたコンセプトのもと見せる。
4 新たなファンを増やすフックを作る
待っているだけではだめ。「長く続いている」ことにあぐらをかかず、存在を知ってもらうことを意識する。
5 新たな世界を探り続ける
かたちに固執するのではなく、惹きつけるコンテンツを模索し続ける。
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塩谷 薫
小学生の頃に出版社で働くことを決め、大学時代のアルバイト先は小学館の『プチセブン』。同社に入社後『プチセブン』を皮切りに、女性誌の編集者として『CanCam』、『Domani』、『AneCan』副編集長、『CanCam』編集長を経て、2018年10月から『Oggi』編集長に。
取材・文/ニイミユカ 撮影/横田紋子







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