滝行には、「修業」としての効果と「禊(みそぎ)」としての効果がある
「足柄修験の会」によると、滝行には大き「修行」と「禊(みそぎ)」の二つの意味があるという。
歴史が古いのは「修業」としての滝行で、奈良時代、修験道の開祖役行者が子供のころから滝行を行い、神通力を身につけたと言われている。修験道は仏教、神道にも通じ、平安時代以降は密教の修行法として滝行が行われるようになった。一方、明治になると神道では、祈願の前にけがれをはらう水垢離(みずごり)の一種として、「禊(みそぎ)」の意味で滝行を行うようになった。
「修行」としての滝行の効果は「自分を変える力を得る」「願掛け」「気合入れ」「活力を得る」など。「禊」としての効果は「心身の穢れを落とし新たな自分に生まれ変わる」「本来の自分へ戻る(原点回帰・元気になる)」などがあるそうだ。
夕日の滝は標高500メートルの山中にあり、森林浴効果や滝のマイナスイオンによる癒し効果も期待できる。年間を通しての水量に恵まれているうえ、しっかりした溶岩でできた滝なので安心だという。※画像提供:足柄修験の会
滝に打たれる平均時間は60秒間
滝行は危険を伴うこともあるので、必ず経験者の指導の下行うことが重要だ。寺院や宿坊など、滝行を行なえる施設は意外に多く、場所によって作法はいろいろな違いがある。「足柄修験の会」の滝行は、伝統的な滝行のスタイルを守りつつ、健康という目的にあわせてアレンジしており、本人の希望のスタイルでも行えるが、基本は以下のとおり。
1)空手着に着替え、不動明王にお参り、滝行の安全と参加者の運勢が開かれるよう祈願
2)船を漕ぐ仕草と、掛け声で気合を入れる(鳥船行事)
3)四方に九字(くじ)(護身のための呪文)を切る
4)滝の前で身体を水につけて身を清める(水行)
5)「えいっ!」と掛け声をかけ滝壺へ入る
入った瞬間は呼吸が苦しくなるが、声を出していると呼吸が楽になる。コツは、入りはじめは頭を避けて肩、背中などで水を受けるようにし、しばらくしてから頭に直接受けるようにする。入っている時間は気温、水温、体力により決める。
6)更衣室まで戻って着替える体力を残して滝から出る
滝と一体になることが大切で、長く入ればいいわけではない。90秒間が標準だが、少しでも衝撃以上の痛みがあれば我慢をせず、すぐ出ることも大事。長く入りすぎると体力を消耗し動けなくなる。「足柄修験の会」では動けなくなる前に滝から出られるよう、指導員がサポートする。
滝行の際に着用する空手着や杖、清酒.塩、線香第などは用意してもらえ、衣持参した衣裳の着用も自由。裸で入りたい男性用にふんどしも用意している(1,000円)。参加者が持参するものとしては① タオル2枚程度 ②濡れてもよい履物(指先が出ないもの・簡単に脱げないもの)③ インナーなど。衣装や小物は持参自由とのこと。
「夕日の滝」は大井松田インターで降りて25分ほどの場所で、駐車場もある。都心からのアクセスのよさの人気の理由だ。「足柄修験の会」の「滝行体験会」は、公式サイトでの申し込みが必要。初回の「志納金」が1人9,000円、2回目以降は6,000円になる(5名以上は団体割引有り) ※画像提供:足柄修験の会