社外取締役が必要な理由
会社の意思決定は、基本的に社外取締役がいなくてもできます。それでも社外取締役を設置するのは、会社や会社の成長によい影響があると考えられているからです。なぜ会社に社外取締役を設置する必要があるのか、理由を見ていきましょう。
コーポレートガバナンスを機能させるため
第三者である社外取締役がいることで、会社は経営の透明性が確保されやすくなります。加えて、コーボレート・ガバナンス(企業統治)の担保になる点も、社外取締役が設置されている理由です。
会社が持続的に成長していくには、株主や債権者などの利害関係者も含めた繁栄を目指す必要があります。そのためには会社の不祥事を防げるよう、第三者である社外取締役による監視が求められます。
社外取締役社内へ与える好影響
社内から出ない意見を率直に出せるのも、社外取締役を置く利点です。社内に利害関係者がいないため忖度することなく意見できます。社内の常識にとらわれない斬新なアイデアが、社外取締役によってもたらされることも期待できるでしょう。
ただし会社の事情を知らないまま社外取締役に就任した社外取締役が、的確な意見を出せないケースもあります。十分に活躍してもらうには、内情についてフォローする体制も必要です。
社外取締役に選任される人材とは?
社外取締役にはどのような人が選ばれているのでしょうか。選任されている人の属性を知ることで、コミュニケーションに役立てられます。バックグラウンドや社外取締の負う責任について紹介します。
属性は経営経験者や士業が多い
東証一部・二部上場企業の全企業を対象に経済産業省が行ったアンケート調査(2020年)によると、社外取締役に就任している人にもっとも多いのは『経営経験者』です。次いで『弁護士』や『税理士』などの士業が多く選任されています。
改正会社法や企業行動規範で取締役の1/3以上の選任が定められている社外取締役は、数が不足しているのが現状です。そのため、今後は多様化が進み、さまざまな人材が活躍するようになると考えられています。
参考:第17回CGS研究会(第2期)社外取締役の現状について|経済産業省
高額な報酬に比例して責任は重い
朝日新聞と東京商工リサーチの調査(2019年)によると、社外取締役の報酬は平均『年663万円』と高額になっています。会社が高額な報酬を設定しているのは、優秀な社外取締役を選任し、経営の監督としてはもちろん経営への参画も期待しているためです。
社外取締役は善管注意義務や、会社への忠実義務も負っています。故意または過失による損害が起こったときには、損害賠償責任を負うケースもあるでしょう。高額な報酬に比例して、非常に重い責任のある立場です。
参考:社外取締役、報酬は年平均663万円 兼務で高額報酬も:朝日新聞デジタル
構成/編集部