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知ってる?「社外取締役」の役割と必要な理由

2022.09.02

会社法の改正で設置が義務付けられた社外取締役は、通常の取締役と具体的に何が違うのでしょうか。社外取締役の設置状況とあわせて、求められる仕事や設置されている意義、どのような人が就任しているかを見ていきましょう。

社外取締役とは

社外から就任する取締役を社外取締役といいます。どのような目的で社外取締役が設置されるのでしょうか。まずは基本的な知識を見ていきましょう。

社外から招く取締役

株式会社の役員である取締役のうち、『社外から選任される』のが社外取締役です。社内で出世し取締役に就任する社内取締役は、社内の利害関係に判断が左右されることもあるでしょう。

一方、社外取締役は社内の関係にとらわれることがありません。第三者として客観的に会社を評価し、社長が独断で経営方針を決定するワンマン経営を防止する役割を果たします。

設置は法律や規範で決められている

六法全書

(出典) photo-ac.com

社外取締役の設置は、改正会社法(正式名称『会社法の一部を改正する法律』)で、監査役会設置会社に対して義務付けられました。東京証券取引所の『企業行動規範』にも規定が設けられています。それぞれの内容をチェックします。

「改正会社法」で選任が義務化

以前、社外取締役の選任は義務ではありませんでした。しかし、2021年3月1に施行された改正会社法によって、条件を満たす会社は社外取締役の設置が義務とされています。

  • 監査役会設置会社:半数以上の社外監査役を含む3名以上の監査役による合議体を設置している会社
  • 公開会社:株式譲渡を行うときに会社の承認を求める内容が定款に含まれていない会社
  • 大会社:最終事業年度における貸借対照表上の資本金が5億円以上、もしくは負債総額が200億円以上の会社

上記3要件を全て満たしており、さらに金融商品取引法24条1項で『有価証券報告書を内閣総理大臣へ提出しなければならない』と定められている会社(上場会社等)で、社外取締役の設置が義務となりました。

参考:法務省:会社法の一部を改正する法律について
会社法 第327条の2|e-Gov法令検索
金融商品取引法 第24条1項|e-Gov法令検索

東京証券取引所が「企業行動規範」で規定

東京証券取引所の『企業行動規範』でも『独立役員(社外取締役または社外監査役)の確保義務』が定められています。規定の内容は『遵守すべき事項』と『望まれる事項』に分類されており、独立役員の確保義務は遵守すべき事項です。

遵守すべき事項に違反すると措置の対象となるため、上場企業は社外取締役を設置しなければいけません。義務が守られているかどうかは、上場管理部によって審査されています。

また、会社が関係者の立場を踏まえたうえで迅速かつ公正な判断ができるようにする指針を示した『コーポレートガバナンス・コード』では、取締役の『1/3以上』を独立社外取締役(証券取引所が定める独立性の基準を満たす社外取締役)とするよう求めています。

コーポレートガバナンス・コードの実施もしくは実施しない場合の理由の説明も、企業行動規範の遵守すべき事項です。そのため違反すると措置の対象となります。

参考:企業行動規範 | 日本取引所グループ
独立役員 | 日本取引所グループ
コーポレートガバナンス・コード P.18|株式会社東京証券取引所

現在の設置状況と社外取締役の要件

スーツを着た男性

(出典) photo-ac.com

改正会社法や企業行動規範で設置が定められている社外取締役は、どの程度の会社が設置しているのでしょうか。社外取締役になれる人の要件も確認しましょう。

上場企業の9割以上が設置している

2022年7月に発表された東京証券取引所のデータによると、市場区分の一つである『プライム市場』に属す企業のうち、独立社外取締役を取締役の1/3以上設置しているのは『92.1%』です。

背景として、2021年6月にコーポレートガバナンス・コードが改定され、『プライム市場上場会社は取締役会において独立社外取締役を1/3以上(必要な場合は過半数)を選任すべき』と定められました。

これは、改定以前の『独立社外取締役2名以上を選任』という指針より厳しい基準です。対象となっているプライム市場の上場基準は、多くの機関投資家の投資対象になり得る時価総額やガバナンス水準が高く成長と企業価値の向上に参画する企業が分類されます。

参考:コーポレートガバナンス・コードへの対応状況(2022年7月14日時点)|東京証券取引所

要件を満たした一握りの人の中から選ばれる

社外取締役になれるのは、以下に挙げる会社法第2条15号の要件を全て満たすだけ人です。

  • 社外取締役就任前の10年間に、当該会社やその子会社の業務執行取締役等でないこと
  • 社外取締役就任前の10年間に、当該会社やその子会社の取締役・会計参与・監査役であった場合、その就任前10年間に当該会社やその子会社の業務執行取締役等でないこと
  • 当該会社の親会社等の子会社等の業務執行取締役等でないこと
  • 当該会社の取締役・執行役・支配人・重要な使用人もしくは親会社等の配偶者や二親等内の親族でないこと

業務執行を受託しておらず、経営陣から独立して存在していることが社外取締役の要件といえます。社外取締役の中でも、証券取引所が定める高い独立性基準を満たすのが『独立社外取締役』です。

参考:会社法 第2条15号|e-Gov法令検索
独立役員の確保に係る実務上の留意事項(2021年6月改訂版)|日本取引所グループp.2

社外取締役の役割と仕事

パソコンを見ながら考える男性

(出典) photo-ac.com

会社にとって第三者の社外取締役を設置するのは、経営を監督する役割を担うためです。社外取締役に就任すると、取締役会へ参加するのも仕事の一つになります。

経営の監督

会社法330条にあるとおり、取締役や執行役員は会社からの委託を受けて業務執行に当たります。受託の際には、管理者に求められる程度の注意を持って業務へ取り組む義務(『善管注意義務』)を同時に負うことになります。

社外取締役が担う役割の一つが、自分以外の取締役の経営が善管注意義務を守っているかを確認することです。

  • 法令や定款・株主総会決議への違反がないか
  • 会社への忠実義務に背いていないか
  • 判断の前提となる事実の認識に重要かつ不注意による誤りがないか
  • 意思決定の過程にも内容にも経営者として不合理・不適切な点がないか

経営判断に関して、基本的には取締役(執行役員)の裁量が認められており、不合理な判断でない場合は善管注意義務違反に問われません(『経営判断の原則』)。ただ、必ずしも正しい判断ができているとは限らないため、方向性を誤ったまま推し進めようとしているときにブレーキの役割を果たす存在が必要となります。

加えて成長戦略として適切に攻めるときの監督も重要な役割です。リスクが適切であればリターンを得るための挑戦を後押しします。

参考:会社法330条|e-Gov法令検索
社外取締役の在り方に関する実務指針(社外取締役ガイドライン)|経済産業省

取締役会への参加

月に1回行われる『取締役会』への参加は、社外取締役の大切な仕事です。取締役会は以下に挙げるような会社にとって重要なことを経営陣が決める場です。

  • 財産の処分や譲り受け
  • 支配人や重要な使用人の選任・変更・廃止
  • 組織の設置・変更・廃止
  • 内部統制システムの構築に関する決定
  • 多額の借財

主に、社外取締役は、質問やアドバイスをします。ただし、単に参加するだけでは的確な発言はできません。事前準備として資料の読み込みや発言内容の準備が必要です。

社外取締役が必要な理由

打ち合わせ風景

(出典) photo-ac.com

会社の意思決定は、基本的に社外取締役がいなくてもできます。それでも社外取締役を設置するのは、会社や会社の成長によい影響があると考えられているからです。なぜ会社に社外取締役を設置する必要があるのか、理由を見ていきましょう。

コーポレートガバナンスを機能させるため

第三者である社外取締役がいることで、会社は経営の透明性が確保されやすくなります。加えて、コーボレート・ガバナンス(企業統治)の担保になる点も、社外取締役が設置されている理由です。

会社が持続的に成長していくには、株主や債権者などの利害関係者も含めた繁栄を目指す必要があります。そのためには会社の不祥事を防げるよう、第三者である社外取締役による監視が求められます。

社外取締役社内へ与える好影響

社内から出ない意見を率直に出せるのも、社外取締役を置く利点です。社内に利害関係者がいないため忖度することなく意見できます。社内の常識にとらわれない斬新なアイデアが、社外取締役によってもたらされることも期待できるでしょう。

ただし会社の事情を知らないまま社外取締役に就任した社外取締役が、的確な意見を出せないケースもあります。十分に活躍してもらうには、内情についてフォローする体制も必要です。

社外取締役に選任される人材とは?

士業バッジをつけた男性

(出典) photo-ac.com

社外取締役にはどのような人が選ばれているのでしょうか。選任されている人の属性を知ることで、コミュニケーションに役立てられます。バックグラウンドや社外取締の負う責任について紹介します。

属性は経営経験者や士業が多い

東証一部・二部上場企業の全企業を対象に経済産業省が行ったアンケート調査(2020年)によると、社外取締役に就任している人にもっとも多いのは『経営経験者』です。次いで『弁護士』や『税理士』などの士業が多く選任されています。

改正会社法や企業行動規範で取締役の1/3以上の選任が定められている社外取締役は、数が不足しているのが現状です。そのため、今後は多様化が進み、さまざまな人材が活躍するようになると考えられています。

参考:第17回CGS研究会(第2期)社外取締役の現状について|経済産業省

高額な報酬に比例して責任は重い

朝日新聞と東京商工リサーチの調査(2019年)によると、社外取締役の報酬は平均『年663万円』と高額になっています。会社が高額な報酬を設定しているのは、優秀な社外取締役を選任し、経営の監督としてはもちろん経営への参画も期待しているためです。

社外取締役は善管注意義務や、会社への忠実義務も負っています。故意または過失による損害が起こったときには、損害賠償責任を負うケースもあるでしょう。高額な報酬に比例して、非常に重い責任のある立場です。

参考:社外取締役、報酬は年平均663万円 兼務で高額報酬も:朝日新聞デジタル

構成/編集部


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