最近、さまざまなタイプの男性用化粧品やメイク用品などが次々と発売され、男性の美容に対する意識が非常に高まっているのを感じている方も多いのではないだろうか。DIME本誌7月号でも、男性向けの美容機器を特集するなど、その勢いは増すばかりだ。
そんな中、ブラウンより、フラッグシップモデルである「シリーズ9 Pro」に、スキンケアができる「美顔器ヘッド」を付属したモデルが9月30日に登場する。(※先行予約は受付中)
写真は「シリーズ 9 Pro アルコール洗浄器+美顔器ヘッド付属モデル」
スキンケアも叶う電動シェーバーといえば、ヤーマンのラジオ波搭載シェーバー「HOT SHAVE」が6月に発売され、9月にはパナソニックから新型「スキンケアシェーバー ラムダッシュ ES-MT22」が発売される予定だ。
もちろん、それぞれのアプローチの仕方は違えど、電動シェーバー業界も“美容”をテーマににわかに活気づいてきたのを感じる。ということで、ブラウン史上初となる美顔器ヘッド付属モデルである「シリーズ9 Pro」が、どんなものなのか?その使い心地と併せてレポートしよう。
「シリーズ9 Pro」のシェービング力を〝3日伸ばしたヒゲ〟で検証
キャプ:写真のモデルには、シェーバー、アルコール洗浄器、美顔器ヘッド、シェーバーケース、掃除用ブラシ、電源コードなどが付属
この「シリーズ9 Pro 美顔器ヘッド付属モデル」は、シェービングヘッドを美顔器ヘッドへ替えるだけで、シェーバーが化粧水浸透機能を持った美顔器へと変わるというもの。つまり、ブラウンのシリーズ最上位モデルである「シリーズ9 Pro」が持つ究極の深剃りと肌へのやさしさはそのままに、美顔器ヘッドによる効果的なスキンケア性能を両立した1台2役の性能を実現したモデルとなっているというわけだ。
手にフィットしやすいグリップ形状
背面は滑りにくいように加工されている
まずは、その電動シェーバーとしての特長だが、ブラウンは男性のよくある悩みである「夕方ヒゲ」が目立つ理由として、深剃りできずに残ってしまっていた「剃り残し」に着目。
その原因が、近年ますます大型化するシェーバーのヘッドのおかげで、鼻の下などの細かい箇所や網刃に入りにくい“くせヒゲ”や“寝たヒゲ”が剃りきれていないこと突き止め、製品改良を行なったのだとか。その結果、「プロブレードの改良」、「多彩な刃」そして「究極の密着性」の3つの機能で、これまで剃り残していたヒゲも極限の0.05㎜の深剃りが可能となったという。
このプロブレードの改良では、従来に比べて35%広く、かつ30%薄くなったトリマー刃で、より多くの種類のヒゲを1度に捕らえることのできるように緻密に設計。また、前後にヘッドが40°動き、上下に浮き沈みするサスペンションを備えた「プロスイング密着システム」と「コンパクトヘッド」により、究極の密着性を実現。
モミアゲなどの長さを揃えるのに便利なキワゾリ刃は押し上げて使用
充電は電源コードに直接つなぐか、アルコール洗浄システムもしくは充電スタンドを使用
アルコール洗浄システム
持ち運びに便利なレザーシェーバーケース
さらに、ヘッドを毎分10000回振動させる「音波振動テクノロジー」によって肌との摩擦を軽減し、肌にやさしいシェービングを可能とした。加えて「人工知能テクノロジー」でヒゲの濃さを読み取り、毎秒13回自動でシェービングパワーを調節。ヒゲの濃い箇所でパワーを最大化し、少ないストロークで剃ることによって、肌へのやさしさと深剃りの両立が叶ったのだという。
3日間ほどヒゲを伸ばした状態からシェービングを試みた
白髪でゴマシオ状態のヒゲが見えづらくて申し訳ない
それでは、「シリーズ9 Pro」の実力がどれくらいのものなのか確かめようと、3日間ほどヒゲを伸ばした状態からシェービングを試みた。ちなみに筆者は、普段はT字カミソリを使用しているのだが、その理由は、いままで電動シェーバーの深剃りに満足できる製品に出会えてなかったから。
そして実際に、シェービングクリームなどをつけずに剃ってみたのだが、前後に的確に動くヘッドと上下に浮き沈みするサスペンションの働きで、顔の凹凸のある部分でも常に刃が肌に密着して、ヒゲを根元から捕らえているのがわかるほど。
さらに、程よいコンパクトサイズのヘッドが、鼻の下やアゴ下などの剃りにくい形状の部分にもしっかりとフィットするので、剃り残しをすることがほとんどない。そのおかげで、何度もストロークせずに深剃りできるため、短時間でシェービングを済ませることができ、肌にもやさしいという結果に。
写真に向かって右側のみ剃ったところ
なお、最終的な仕上がりが上の写真なのだが、正直、ここまでしっかり深剃りできるとは思っていなかったため非常に驚いた。もちろん、見た目だけでなく実際に剃った箇所を手で触ってみてもチクチクするようなことがなく、つるんとしているのだ。
しかも、もっと驚いたのが、実は筆者は肌がそれほど強くないためT字カミソリでのシェービング後は、必ずといっていいほど肌が赤くなりヒリヒリしてしまうのだが、それがないのだ。この「シリーズ9 Pro」の深剃り性能と肌へのやさしさは、いままでの筆者のシェービングに対する考え方をリセットしなければならないと思わせるほどの衝撃であった。
「美顔器ヘッド」の製品特徴と使用方法の提案
今回、新登場となる「シリーズ9 Pro」付属の「美顔器ヘッド」は、シェーバーヘッドと付け替えることで美顔器の機能を発揮。この「美顔器ヘッド」から発生する磁力が、化粧水成分に作用して起こる磁力の反発と毎分10000回のシェーバーの振動により、化粧水を肌へと浸透させるという。
シェーバーヘッドと付け替えるだけ
なお、「美顔器ヘッド」の磁力は、グリセリン等のほとんどの保湿成分と反応するため、どんなスキンケア製品でも使用が可能となっている。ちなみに、「美顔器ヘッド」は、過去のすべてのシリーズ9に使用することが可能となっており、将来的には「美顔器ヘッド」単体での販売も検討しているとのこと。したがって、すでにシリーズ9をお持ちの方も、わざわざ買い替える必要がないかも知れない。
美顔器ヘッドには収納ケースがついている
そして、ここからは実際に「美顔器ヘッド」の使い心地をレポートしようと思うのだが、筆者は長年にわたり美容関連の取材も多く行なっているため、自分なりに考えたオリジナルの使用方法も併せて提案してみよう。
まず、基本的な使い方だが、洗顔やシェービング後に化粧水などのスキンケア製品を塗布して肌を整えてから「美顔器ヘッド」を顔全体もしくは気になる部分に当てていく。その際、スキンケアに乳液やクリームなどの油分が多い製品を使用した場合は、肌の上を滑らすように移動させていく。
またローションだけというように、肌との間に摩擦や抵抗が生じる場合は、ヘッド部分を点々と軽く押し付けるように移動させていく。そうしないと、肌がよじれてシワのもとになったり、摩擦でシミの原因になる恐れがあるので注意が必要だ。
なお、ヘッドを移動させる場合は、リフトアップに繋がるように基本的には、顔の下から上、かつ上下の中心線から外側(耳のほう)に向かうようにするといいだろう。それらのことを踏まえて、重点的にケアしたいのが、ほうれい線などの口まわりで、年齢とともに垂れ下がった口角も同時にケアできて一石二鳥だ。
さらに、垂れ下がるといえば、目もとのたるみが気になる方も多いため、この部分も顔の中心から耳のやや上のほうに移動するようにケアするといい。また、その他にも、おでこや眉間のシワが気になる場合も併せてケアしたい。
そして最後に、カラダの中のリンパ液の流れをよくするために行なうリンパマッサージを応用した方法なのだが、これは筆者独自の使い方なので、あくまでも参考程度と考えて欲しい。
実は、先ほどの口もとや目もとのケアで顔の中心線から外側に向かって移動させる方法もリンパの流れに沿ったケアだったのだが、こちらは耳の後ろのたまった老廃物を鎖骨に向かって流すためのもの。これにより顔のむくみが首から下へと流れやすくなる。
さて、この「美顔器ヘッド」だが、使用後は肌がしっとりとうるおった感覚で、顔の肌色がいつもより明るくなった印象に。これであれば、手軽に使えて理想的なスキンケアになるのではないかと期待が膨らむ。
興味のある方は、ぜひ使ってみて欲しい…と言いたいところだが、最近の若い世代であれば、何の抵抗もない「美顔器」であっても、おおよそ40代以降ともなると家族などの手前、やはり二の足を踏んでしまうというもの。
ただ、この「シリーズ9 Pro 美顔器ヘッド付属モデル」であれば、深剃りができて肌にやさしいシェーバーの付加価値という捉え方で、そのハードルも低くなり購入しやすくなるのではないだろうか。もちろん実際は、付加価値どころか1台で高性能な2役を有しているのだから、とても魅力的だ。
今後は、このブラウンの製品をはじめ、パナソニックやヤーマンのスキンケアも叶う電動シェーバーがきっかけとなり、年代を問わず、さらに多くの男性に美容への関心を広めていくことになるだろう。
関連情報:https://www.braun.jp/ja-jp/male-grooming/shavers-for-men/series-9/series-9-pro-9487cc
取材・文・撮影/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)
「CanCam」「Oggi」「Domani」などのファッション誌やサイトの編集に長年にわたり携わる。現在は、DIMEにてクルマや家電、グルメ、ファッション情報、美容・健康法、コスメ情報などを発信。