話題沸騰!DEEN池森氏と野﨑洋光料理長のオリジナル蕎麦対決【DEEN池森の絶品蕎麦レシピvol.⑨】
今や、芸能界随一の蕎麦好きとして知られる、人気ロックバンドDEENのボーカル・池森秀一氏。5月30日に発売された初のレシピ本(『分とく山・野﨑洋光監修 DEEN池森の「創作」乾麺蕎麦レシピ』)も大好評だ。そこで、この本の中から気になるレシピを実際に作って食べてみた。
15年以上、365日ほぼ毎日食べ続けるほどの蕎麦マニアの池森氏。
※参考「365日毎日食べるほど蕎麦が大好き!?DEEN池森秀一氏が蕎麦にハマった理由」
『分とく山・野﨑洋光監修 DEEN池森の「創作」乾麺蕎麦レシピ』
池森秀一・著 小学館・刊 定価1650円(税込)
ちなみにこの本の監修は、日本を代表する料理人「分とく山」の野﨑洋光氏。池森氏が提案するポップで自由奔放な創作蕎麦レシピ25品と、それにヒントを得た野﨑氏の創作蕎麦レシピ25品が対になっていて、合計50品が紹介されている。
今回作ってみたのは、野﨑料理長考案のレシピ「ツナ缶冷やしつけそば」。材料と手順のシンプルさに驚愕した「生のりつけそば」の、さらに上をいくシンプルなそばつゆと、斬新な具、そして美味しさにまたもや驚かされた。
味付けは醤油とツナだけ!?具はパプリカ!?
まずはそばつゆの材料から。
※分量は「DEEN池森の「創作」乾麺蕎麦レシピ」でご確認を。
・こいくち醤油
・水
・ツナ缶
・炒り白胡麻
「生のりつけそば」の調味料は醤油と砂糖だったが、今回は醤油のみ。出汁もなく、醤油とツナ缶だけという潔すぎる布陣だ。続いて具。
・パプリカ
・クレソンの葉の部分
※近所のスーパーで入手できなかったので、ベビーリーフで代用
・葱
そばの具材にパプリカ。今まで食べたことはおろか見たことも聞いたこともないので、味の想像がまったくつかない…。
そのパプリカは薄切りにして、サッと湯通ししておく。後でわかるが、ここで茹ですぎないのがポイントだ。
そばつゆは、材料をまぜるだけ
そばつゆの作り方は、水にこいくち醤油を加え、
湯通ししたパプリカ、ツナ缶(油ごと)、煎り白胡麻たっぷりも加え
クレソンの葉の部分(今回はベビーリーフ)を加えるだけ。
時間があったので冷やしておいたが、すぐ食べる場合は水を少な目にして氷を加えてもいいような気がする。
パプリカの食感に感動し、クレソンでなければいけない意味を理解
葱を添えて完成。つゆはカラフルで見るからにおいしそう。
そばに、ツナとパプリカ、ベビーリーフをからませるようにして食べると…。
パプリカのシャキシャキしてみずみずしい食感、爽やかな香りが、ツナ入りのコクのあるそばつゆとあいまって、びっくりするほどそばの風味を引き立てている。今回の主役はツナかと思いきや、実はこのパプリカとそばのマリアージュにあったことにここで気づく。
そして、クレソンでなければならなかった理由にも思い至る。このパプリカに、クレソンのほろ苦さとわずかな辛みが加わったら、いったいどんなマリアージュが出現したことだろう。遠くのスーパーに行ってでもクレソンを探すべきだったと、激しく後悔した。
やや高級バージョンのツナ缶で試してみた
上のプロセスで使ったのは、どこででも手に入り、よく特売になっているおなじみの「シーチキン」(上の写真右)だが、違うツナ缶だとどれくらい味が変わるのか、試してみた。上の写真左は、熱烈なファンの多いホワイトシップ印のツナ缶。身がやわらかい夏びんちょうマグロを使用し、一番絞りの綿実油を使っている。
1缶の容量がはごろもフーズのシーチキンは70gだが、こちらは90g。同じ分量で作ると、ご覧のとおり具だくさんになる。
こちらのバージョンで最初に感じたのは「やっぱり高いほうが、油が甘くて美味しい!」ということ。コクのレベルがひとつ上がった感じがして、ツナ缶によってこれほど味の印象が変わることに驚いた。
ただ、身が細かくほぐされているいつものツナ缶のほうがつゆやそばとの一体感があり、これはこれで捨てがたい美味しさがある。高ければより美味しいというわけでもなく、好みの問題のような気もする。最近よく見かける、オリーブオイルのツナ缶は、パプリカやクレソンと間違いなく合いそう。
最後に、パプリカの衝撃で忘れかけていた薬味のねぎを加えた。すると、さっきまで“洋”の味寄りだったそばつゆが、一瞬でよく知っている“和”の味に変わる。こんなにパンチのあるそばだったのに、最後にねぎが全部持っていくとは…。
『分とく山・野﨑洋光監修 DEEN池森の「創作」乾麺蕎麦レシピ』
池森秀一・著 小学館・刊 定価1650円(税込)
取材・文・撮影/桑原恵美子