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「働きがい=働きやすさ+やりがい」働き方改革の次のフェーズで求められるもの

2022.05.31

最近、「働きがい」という言葉を見聞きするようになった。近いものに「やりがい」「働きやすさ」といった言葉があるが、何が違うのか? 働き手からも、投資家からも注目を集めつつある「働きがい」について、日本の会社の働きがいを調査してランキングを発表しているGreat Place to Work® Institute Japan「働きがいのある会社研究所」の代表、荒川陽子氏に聞いた。

荒川陽子:Great Place to Work® Institute Japan 代表(株式会社 働きがいのある会社研究所 代表取締役社長)2003年HRR(現リクルートマネジメントソリューションズ)入社。2020年より現職。日本の会社の働きがい向上をミッションにしている。

働きがいとは「働きやすさ」も「やりがい」も

1991年、アメリカに働きがいの調査・研究機関のGPTW (Great Place to Work® Institute)が設立された。今から30年ほど前、アメリカでは、すでに“働きがい”が注目されていたのだろう。1998年には「『Best companies to work for』ランキング」としてアメリカにおいて働きがいのある会社を発表し、話題を集めた。現在、GPTWは約60か国に広がり、日本では2009年に「働きがいのある会社研究所」が設立され、Great Place to Work® Institute Japanを運営している。

働きがいとは何だろうか。特に定義されていないので、人によってとらえ方は異なるだろう。着目すべきは、「働きがい」という概念が注目を集め始めていること。日本では、「働きやすさ」「やりがい」という言葉のほうが、なじみがあると思うが、これらと「働きがい」は何が違うのか。まずそこから荒川さんに説明してもらった。

荒川 「働きやすさ」は、快適に働きつづけられる就労条件についてです。福利厚生の質や給料の額も問われます。「やりがい」はその名のとおり、仕事に対するやる気やモチベーションを差します。私たちは、働きがいとは、働きやすさとやりがいの両方で成立するものと考えています。「働きがい=働きやすさ+やりがい」です。

荒川さんの前職場はリクルートマネジメントソリューションズ。もともと人材関係の仕事をしたくてこの会社に入り、大いにやりがいを感じていたと話す。

荒川 私自身、仕事に求めるものは「やりがい」というタイプでした。しかしだんだんと、管理職になり、プライベートでは育児が始まり、やりがいだけで仕事を続けていくのはきびしいと実感しました。「働きやすさ」の重要性に気づいたのです。

—–日本の会社の場合、「やりがい」がアピールされがちと感じるのですが、海外と比べて日本の「働きがい」「働きやすさ」「やりがい」の意識にはどんな違いがありますか?

荒川 たしかに日本ではまだ「働きがい=やりがい」ととらえる人が多いかもしれません。しかし、意外に思われるかもしれませんが、従業員の意識調査を見ると、日本は海外と比較して「働きやすさ」より「やりがい」のほうが低いのです。

「働きがいのある会社ランキング」の調査項目でみると、たとえば「仕事に行くのが楽しみだ」のスコアが低い。たとえばアメリカの「フォーチュン100」(アメリカの「働きがいのある会社ベスト100」のこと)にランクインしている会社と、日本のランキングにランクインしている会社を比較すると、「仕事に行くのが楽しみだ」スコアのギャップは大きく、日本は低いのです。「自分の仕事に特別な意味を感じているか」という、やりがいそのものを問う設問のスコアも低いです。

GPTWが提唱する全員型「働きがいのある会社」モデル

日本は「働きやすさ」も「やりがい」も低い?

——-「働きやすさ」のスコアは?

荒川 こちらも意外かもしれませんが、「この会社で長く働きたいか」という設問でも、アメリカのほうが高いです。アメリカの働き方はいわゆるジョブ型で、制度的に転職もしやすいという背景がありながらも、アメリカで「働きがいのある会社」にランクインしている会社の従業員は長期勤続意向が高いといえます。

理由として、優秀な人材を確保するために、給料などの待遇面のみならず、働く環境や従業員同士のつながりを作るための施策、能力開発のための研修など、十分に人材に投資されていること。また、従業員全員がワクワクできるようなパーパスやビジョンが力強く設定できていることが大きいと言えます。

この点は、日本の会社はまだ弱いですね。終身雇用や年功序列といったかつての日本型経営で、とにかく安定しているからこの会社にいる、という人がまだ多いのかもしれません。

今でも日本の多くの企業に終身雇用、年功序列というものが残っている。とにかく辞めなければ、ある年齢まで肩書きはアップするし、給料も上がる。こうした、いわゆる日本型経営は90年代以降、見直しが求められ、衰退しつつあるが、2022年現在、かなりの割合で維持されている。

荒川 それでも、この10年〜15年、政府からの掛け声もあって企業の働き方改革が進みました。成果として、休日が取れる、有給が取れる、福利厚生が整っている、そうした「働きやすさ」は一定のレベルまで引き上げられたと言えます。なので、次は「やりがい」も上げていこうというのが、今の経済界の機運ですね。

昨年10月、経団連の会合で、「働きがい向上に向けたマネジメント施策」というセミナーが開かれている。その概略を見ると、「特にコロナ禍においてテレワークが急速に普及した。こうした中で、『自律的な働き方への期待』が高まる一方、コミュニケーションの希薄化が問題になっている。そのため組織においては、変化に対応できるマネジメントの強化が不可欠。一方、働き手には、働きがいをセルフ・プロジュースする力の向上が求められる」

“働き方改革”は、経済界および政府からの号令で始まった経緯がある。次に経済界は「働きがい」の向上を求めているのである。では、いよいよ気になる「働きがい」とは何か?

その2「ポストコロナ時代、若手が辞めない“働きがい”の高い会社とは」

取材・文/佐藤恵菜

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