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働き方改革を推進してきた4社に聞く「Withコロナ時代のテレワーク」のあり方

2022.05.13

コロナ禍で私たちの働き方は大きく変化した。その1つがオフィスワークからテレワークへの移行だ。その実態を捉えるため、働き方改革をリードしてきたアステリア、サイボウズ、Zoom、レノボの4社が、全国の20~60代のフルタイム就労者2000人を対象に、「これからの働き方を考える」というテーマで合同調査を実施した。その調査から見えてきたテレワークの課題や、未来の働き方について紹介しよう。

コロナ禍で企業のテレワーク導入が一気に加速

まず、2020年4月7日の初の緊急事態宣言から2年が過ぎ、テレワークの状況がどう変化したのかを見ていこう。

テレワーク実施率の推移(日本全国)

出典:「日本の働き方現在地」4社合同調査より(以下同)。

4社が行なった合同調査によると、新型コロナウイルス感染症蔓延前は、テレワークの実施率は7.1%と、10%を切る状態だった。ところが2020年~2021年の緊急事態宣言下で一気に4.2倍の29.5%と上昇。2022年の現在はwithコロナへとシフトしたせいか、25.8%とやや減少傾向が見られる。

このテレワーク実施率は企業規模によって異なり、3000人以上の企業が44.2%の実施率であるのに対して、300~2999人規模の企業は29.1%、300人未満の企業は17.5%という結果になった。企業規模によってテレワーク実施率にギャップが生じていることが顕在化した。

テレワーク実施者の実施頻度推移

次にテレワークの頻度について見ていこう。新型コロナ蔓延前は週1回未満の人が、40.7%だったのに対して、2020年~2021年では21.7%と約半数に減少している。2022年の現在はそこからさらに21.3%に減少。その分は週1回以上の頻度にシフトしたと考えられる。

自分で働き方を選択できる「ハイブリッドワーク」に注目

テレワークが普及する中、日々、自らが働く環境を能動的に選択する働き方である「ハイブリッドワーク」が注目され始めている。

働き方を従業員一人ひとりが能動的に決められているか?

調査では、一般社員の47.7%がテレワークを自身で決められると回答。だがこの結果は、テレワークが浸透している企業でも、半数以上の人がテレワークを能動的に選べていないということ。管理職・経営者・役員ではこの数字が75.5%になり、両者の間に27.8%のギャップが存在していることがわかった。

テレワークが選択可能な働き方を望むかどうか

将来的にテレワークが選択できる働き方を希望するかどうかについては、「テレワークができる職種×経験あり」では72.0%が「したい」と回答。一方、「テレワークができる職種×経験なし」の場合は32.5%と、両者の回答には約2倍以上にもなる39.5%の差があった。このギャップは、実際にテレワークをしてみないと、どのような働き方なのか想像できないためだと考えられる。

初めの一歩を踏み出せないのがテレワークの課題

調査では、全体の59.9%がテレワークできない仕事で、テレワークの制度自体も未導入であると回答。テレワークしにくい/できない理由としては、社内や社外の関係者とのコミュニケーションが取りづらいことが課題として挙げられている。

テレワークしにくい/できない理由は?

1位の「社内関係者とコミュニケーションがとりにくい」という回答を詳しく見ると、このように回答した管理職・経営者・役員が39.3%いるのに対して、一般社員は24.9%にとどまった。この結果から管理職はテレワークの課題がコミュニケーションだと思っているが、一般社員はあまりそうは思っていないことが明らかになった。そして3位の「職場以外だと部屋・机・椅子など物理的環境が整っていない」という回答からは、職場の存在価値について興味深い答えが示された。

オフィスの存在価値はどう認識されているか?

テレワークが普及することで、オフィスの存在価値が問題視される。今後もオフィスがあった方が良いと答えた人は全体の58.9%になるものの、その理由は、1位が「業務に使用する機器がある」、3位が「資料やデータを保管する」など、オフィスには事務効率を高めるためのシステムや機能があるという回答が上位になった。この回答から、オフィスがコミュニケーションのために必要というわけではないことが浮き彫りになった。

完全テレワークが定着しても便利な場所に住みたい

将来的に完全テレワークが定着し、働く場所を選ばない働き方になったら、居住条件の変化を求める傾向が調査結果に強く現れた。23.6%が住み替えをしたいと考え、ワーケーションは21.8%、移住についても21.7%と興味を持っている人が多いことがわかった。20代は特にその傾向が強かった。

完全テレワークだったら暮らしたいエリア

5人に1人以上が住み替えや移住を希望するものの、地方に移住したいというニーズはそれほど多いわけではない。出勤する可能性があることや交通の便の良さ、買い物やショッピングに困らないなどの理由から、都市部やその周辺を希望する人が多かった。一方でワーケーションしたいエリアは、1位が北海道、2位が沖縄、3位が東京都という結果になった。

これらの調査結果から、コロナ禍でテレワーク導入が加速したものの、次の4つの課題が見えてきた。1つ目がテレワーク浸透の鍵は経験のみによって変わってきていること。2つ目がハイブリットワークで、本当に柔軟な働き方が意識レベルまでは浸透していないということ。3つ目が消極的にオフィスから離れられない現状にあること。そして4つ目がテレワークを自由に選べたとしても、現在の居住地と移住には明らかな依存関係があることだ。

4社合同調査 調査結果から見えてきたこと

働き方改革をリードしてきた4社の取り組みや未来の働き方

合同調査を実施した4社は、テレワークに対してどのような取り組みを行なっているのだろうか。まずグループウェア開発のサイボウズでは、社内のコミュニケーションを工夫する。

「オンラインに情報交換できるグループウェアを用意し、一緒に働いている人の肌感覚を感じるために、『分報』を考えました。『今から働きます』、『お昼食べます』、『わからないので教えてください』などなど、今まで口頭で話していたことをつぶやくことで、いろいろな人と情報共有できるようになりました。問題もすぐに解決できるようになり、それぞれは遠隔で働いているのですが、一緒に働いているような感覚で働けるノウハウを獲得しつつあります。弊社ではコロナ禍に出社率が約10%に。その一方で、オンラインのコメント量は7倍以上になりました」と、サイボウズ 代表取締役社長の青野慶久氏。

テレワークで不足しがちなコミュニケーションを、サイボウズはグループウェアの書き込みで補う。

ソフトウェアベンダーのアステリアでは、テレワークが新型コロナの緊急的な措置ではなく、生産性が上がるテレワークを本気で追求するべきだと力を込める。

「テレワークについて社内調査したのですが、テレワークの方が生産性が高いと答えた社員が2020年7月に47%だったのが、1年後の2021年7月には78%になりました。実際、会社の業績も最高益を更新しました。当社は全社テレワークを2011年から実施していますが、コロナ禍で打合せのオンライン化、捺印の電子署名化、代表電話の外注なども行ない、出社要因を極力削減してきました。ホームオフィス環境に投資し、今でも毎月1.5万円の快適化手当、家族の検査費用全額負担、アーロンチェアの持ち帰りOKにしています。オフィスの再定義も進み、全社的にNoオフィス、省オフィスを進めています。国内は9割以上がテレワークしているので、本社オフィスは移転して広さを1/4にし、人が集まることに主軸を置いた内部デザインにしています。WeWorkなどのサテライトオフィスを契約したり、地方拠点やワーケーションの推進で熊本と名古屋に新しくオフィスを作りました。選択できるオフィス環境を5つに増やしても、実はコストは下がっています」と、アステリア 代表取締役社長/CEOの平野洋一郎氏。

アステリアが実行するオフィスの多様化。

未来の働き方について、Web会議サービスを提供するZoomでは、いろいろな現場で利用されるようになったビデオコミュニケーションの可能性を追求する。

「今、オフィスワークとテレワークが共存できる環境作りが必要になってきていると思います。例えば会議では、オフィスの会議室にいる参加者とオンライン参加者が同じように発言できるよう、グリッド(格子状)レイアウトで並列に並べる仕組みが求められます。チャットで議論を広げて、会議ではその続きから始めるという、共同作業の効率化も進んでいくでしょう。5年後には全ての人がどのテクノロジーを使っているかを意識せずに、時間、場所、言語の壁を乗り越えて、豊かにコミュニケーションできていることでしょう。Zoomで特徴的なのはAIで自動翻訳できることですが、広くコミュニケーションの基板になっていきたいと考えています」と、ZVC Japan(Zoom) 社長の佐賀文宣氏。

オフィスの会議室でもテレワークでも同じように表示され、Zoomで会議ができる。

グローバルなPCメーカーであるレノボでは、海外で課題となっている働き方に関するポリシーの二極化について言及する。

「テレワークが先行する海外では、働き方を個人に委ねる方法と、会社が決める方法の二極化しています。その結果、自分の好きなスタイルで仕事をさせてもらえないなら、働き方が自由な会社に転職するという人が多くなってきて、問題になっています。日本でも働き方の二極化が進むと、優秀な人材を失ってしまうことになりかねません。逆に自由な働き方を許すという方針に変えるだけで、優秀な人材を確保できるということでもあります。日本は通信インフラが整っているので、海外よりも恵まれていると思います。地方からでもちゃんと繋がるので、会社ごと地方に移転したとしても問題ありません。5年後に自由な働き方ができているかどうか、それは今の段階で経営者がどのように判断しているかどうかだと思います。今が分岐点でもあります」と、レノボ・ジャパン 代表取締役社長のデビット・ベネット氏。

レノボが考えるオフィスと在宅だけではない、仕事によってふさわしい仕事環境。

(写真、左上から時計回りで)サイボウズ 代表取締役社長 青野慶久氏、ZVC Japan(Zoom)社長 佐賀文宣氏、アステリア 代表取締役社長/CEO 平野洋一郎氏、レノボ・ジャパン 代表取締役社長 デビット・ベネット氏。

働き方改革をリードしてきた4社が提言するのは、単にオフィスワークかテレワークかという選択肢だけでなく、より効率的な働き方ができる仕事環境の多様化。コロナ禍で加速したテレワークがwithコロナでどのように変化していくのか、これからの経営者やワーカーの考え方や行動にかかっていると言えるだろう。

取材・文/綿谷禎子

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