★今日のうんちく 〜メキシコ風〜
今回のメニュー名、「メキシコ風」というのは、メキシコで多く栽培されている唐辛子(鷹の爪)がスパイスとして使っているので、このように名付けました。そもそもメキシコ料理というのは、メキシコという国ができる以前、その地に栄えていたアステカ帝国の食文化が元になっています。そのアステカ帝国で、主に使用されていたスパイスのひとつが、今回使った唐辛子(鷹の爪)なんです。
こう紹介すると、唐辛子の文化というのは、かなり歴史が古いんだな〜、と感じますよね。正直、お腹が脹れる食材でもないし、そのまま食べたらただただ辛いだけなのに、よく昔の人はこの唐辛子という物を重宝したなと感心します。唐辛子などのスパイスというのは、料理の味を良くする為の物で、いわば嗜好品。人間というのは、今も昔もグルメに対する熱意は変わらず強いものなんですね。
ちなみに、現在のスパイスの嗜好品としてNo.1は、サフランです。サフランは、パエリヤのお米の色づけに使われるスパイスで、価格は100gで約3万円。ピンと来ないかも知れませんが、対比として、コショウが100gで約300円と言えば、その高級さが伝わるでしょうか?サフランなんて、多少香りがあるものの、それだけでは決して美味しいと言えるものではないのに。こんな値段が付くということこそが嗜好品である事の表れでしょうね。
スパイスの存在価値は様々ありますが、料理の質を格段に上げるものというのには変わりありません。なので、今回のように、ちょっとした味付けに使われただけなのに、メニュー名にまで存在感を出してくるのにも納得です。「この料理には○○ってスパイスと、○○ってスパイスを合わせて作ってるんだよね〜」なんて言えるようになったら、もう料理上手と自信を持っても良いのではないでしょうか?
文/ 藤田晋也