★今日のうんちく 〜カタクチイワシ〜
今回の料理に使ったアンチョビ。これ、何から出来てるかご存知ですか?それは、タイトルにもあります、カタクチイワシなんです。と、言われても、今度はカタクチイワシって一体何なのか、あまりピンとこないですよね。でも実は、このカタクチイワシという魚、我々日本人にとって、とても馴染みのある魚なんですよ。
身近なものでいうと、「シラス」がこのカタクチイワシの稚魚なんですね。さらには成魚になってからは、「畳いわし」や、「煮干」、「目刺(めざし)」、「田作り」などに使われているのもこのカタクチイワシなんです。ここまで紹介すると、「あ〜、あれね〜。」となって頂けたはず。本文では、なかなか馴染みの無いアンチョビ〜、と紹介していましたが、実はかなり身近な物だったんですね。
そして、このカタクチイワシを調べてみると、この魚自他の存在が、我々の生活に密接に関係しているんだと知りました。それは、日本近海の海では食物連鎖の要となっているという事なんです。このカタクチイワシを接食する生物として、カモメなどの海鳥、サメやカツオなどの肉食魚、クジラやイルカなどの海生哺乳類、イカなどの海生軟体動物、そして人間、などなど。カタクチイワシがいるからこそ、上手く食物連鎖が繋がっていると言っても過言では無い状況とまで言えそうな状態です。逆に、カタクチイワシからしたら、見渡す限り敵だらけなんですね。これは可哀相。
カタクチイワシは1年中繁殖をする魚ではあるのですが、繁殖しては他の生物に捕食されを繰り返し。そんなありがたい魚を、あまり馴染みの無い魚、だなんて言ってしまった事が、とても申し訳なく思います。まさか、こんな形で魚に懺悔する日がくるなんて、思ってもみなかったです(笑)
文/ 藤田晋也