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対人関係を円満に保つ上で重要なのは、『断らないこと』ではありません。相手を不快にさせず、やんわり断ることが重要です。現在断るのが苦手だと感じている人は、やんわり断るスキルを身に付けましょう。メールでの上手な断り方やポイントを紹介します。
相手を不快にさせずやんわり断るコツとは?
人とのコミュニケーションを円滑に行う上で、『断る』スキルは非常に重要です。意に沿わないお誘いを受けた場合は、どのように断るとカドが立ちにくいのでしょうか?
相手との関係を壊さずにやんわり断るコツを紹介します。
まずは感謝の言葉を
「声を掛けてくれてありがとう」「誘ってくれてありがとう」など、まず感謝の言葉を伝えると、ポジティブな印象を与えやすくなります。
ネガティブな言葉の前に感謝の言葉を置くことで、「誘ってくれてうれしい」というポジティブな気持ちを伝えられます。
相手も自分も嫌な気持ちになりにくく、お断りによって受けるネガティブなダメージが弱まります。
中には、誘いを断るとき「すみませんが…」「ごめんなさい…」などの言葉で始める人もいるでしょう。
しかし、この断り方だと、相手に「誘ってしまって悪かったかも」と感じさせる上、自分自身も「申し訳ないことをした」という気持ちが強くなってしまいます。
まずは、感謝の気持ちを伝えることで、双方が不快感を抱くことなくお断りができます。
理由を誠実に伝える
「先約があるので」「家の都合があって」と理由をきちんと伝えれば、ほとんどの人は「仕方ないね」と引き下がってくれます。
断るのが苦手な人は、「否定的な言葉を使ってはいけない」と考えて断りの言葉をうやむやにしがちです。
しかし、明確な理由を言わずに断ると、相手に否定の意志が伝わりません。相手はいつまでもあなたの決断を待つこととなり、時間を無駄にしてしまいます。
曖昧に言葉を濁して逃げることが『やんわり断る』ことではありません。初めから断ると決めているのなら、誘われた時点で理由を伝えて断るのがマナーです。
代替案を出す
相手からの誘いが『完全NG』ではないのなら、代替案を出しましょう。
例えば、「その日は都合が悪いから○日はどう?」と伝えれば、ボールを相手に渡したことになります。あなたは相手の判断を待つだけでよく、断ったからといって罪悪感を覚える必要がありません。
これは、仕事で何かを頼まれたときにも使えるテクニックです。
例えば、誰かに仕事を振られたときには、「今は手一杯なので、着手できるのは明日の午後以降になりますが、よろしいですか?」と言えばカドが立ちません。
『条件付きのお断り』は、やんわり断りたいときにぴったりな方法といえるでしょう。
プライベートで使えるお断りメール
プライベートで親しい人と付き合うときも、『お断り』が必要になるシーンは多々あります。「関係を悪くしたくない」と何でも応じていると、その人との付き合いがストレスになるかもしれません。
やんわり断る方法を実践して、円満な関係をキープしましょう。プライベートで出番の多い、お断りメールのポイントを紹介します。
友達からのお誘いやお願いを断る場合
友達から誘われたりお願いされたりしたときは、『きちんとNOを伝えること』『理由と感謝・謝罪を忘れないこと』に気を付けましょう。
「はっきり断ると関係が悪くなるかも」と心配する気持ちが湧くかもしれませんが、曖昧な断り方は誤解・トラブルの元です。きっぱりNOを伝えた方が、相手も次の行動を決めやすくなります。
例えば、気の乗らない飲み会に誘われたときには、以下のようなやんわり断る方法がおすすめです。
【例文】
- 「誘ってくれてありがとう!でも、その日は職場の先輩と約束しているんだよね…。申し訳ないけれど、今回はパスさせて。都合のいい日を後で連絡するよ!」
- 「声を掛けてくれてありがとう。でも、最近仕事が忙し過ぎて、体調がよくないんだよね。申し訳ないけれど、今回はやめておく。体調が回復したら、こっちから連絡するよ!」
明確な理由や感謝・謝罪を入れてメールを送れば、たいていの人は理解してくれます。
誠意を込めたメールを見ても気を悪くする人・文句を言う人については、その程度の付き合いだったと割り切りましょう。
デートなど恋愛系のお誘いや告白を断る場合
恋人や片思い中の相手からの誘いを断る場合は、行けなくて残念という気持ちを前面に出しましょう。
例えば、恋人や片思い中の相手から食事に誘われたときは、以下のようなお断りメールがおすすめです。
【例文】
- 「誘ってくれてうれしいな。本当にタイミングが悪くて申し訳ないけど、その日は出張でいないんだよね。○日と△日なら空いてるんだけど、都合はどう?」
- 「誘ってくれてありがとう。すごく行きたいんだけど、家の用事で行けそうにないんだ。○日と△日なら全然大丈夫なんだけど、どう?」
会える日を具体的に提案すれば、「行きたくないのかも」と誤解される心配がありません。相手が代替日をOKしてくれれば、何のトラブルもなくそのままデートにつなげられます。
次のお誘いを受ける気がないなら
気のない相手から誘われた場合、メールの文章は素っ気なさを感じるくらいでOKです。具体的な代替日を伝えるのは避け、相手に余計な期待を抱かせないようにしましょう。
【例文】
- 「そのお店だったら、○○さんとか△△さんも行きたいって言ってた。ほかの人も誘っていい?」
- 「ちょっとその日は都合が合わないと思う。都合のいい日があったら連絡するね」
2人きりでのお誘いに「大勢で」と伝えれば、遠回しに気がないことをアピールできるでしょう。
また、告白されて断る場合は、「好きじゃない」とストレートに言うのはおすすめできません。相手を傷つけて、逆恨みされる恐れがあります。
【例文】
- 「○○さんとは友達でいたいな。都合がよすぎるかもしれないけれど、今のままの関係じゃだめかな?」
「友達でいたい」とアピールすれば、相手もそれ以上は強く押せないでしょう。
ビジネスで使えるお断りメール
仕事で何かを断る必要がある場合は、直接過ぎる表現は控えるのがマナーです。断り方一つであなたの評価や相手との信頼関係が変わるので、メールの体裁・言葉の選び方には注意しましょう。
ビジネスでやんわり断りたいときにおすすめのお断りメールを紹介します。
上司や先輩に送る場合
同じ会社の上司や先輩にお断りメールを入れる場合も、お断りの基本は同じです。
『相手が納得できる理由を伝える』『断る意志を明確にする』『誘ってくれたことの感謝を伝える』を心掛けましょう。
例えば、プロジェクトの打ち上げへの参加を断る場合は、以下のようなお断りメールがおすすめです。
【例文】
件名:○○での打ち上げの件について △△課長 お疲れさまです。□□です。 この度はプロジェクトの打ち上げにお誘いいただき、ありがとうございました。 私事で恐縮ですが、ご了承いただけますと幸いです。 |
欠席の理由は、真実でなくても構いません。相手が納得しやすくカドが立ちにくい理由を伝えましょう。
家庭の都合のほか『飲酒を止められている』『体調が悪い』など、健康上の理由も説得力があっておすすめです。
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取引先へ送る場合
取引先から受けた提案などを断る場合は、『否定語を入れないこと』『理由を明確に伝えること』『こちらとしても苦渋の決断であること』を伝えるとカドが立ちません。
例えば、取引先から新システムの提案を受けて断る場合は、以下のお断りメールがおすすめです。
【例文】
件名:新規○○システム導入のご提案について 株式会社〇〇 △△部 平素より大変お世話になっております。 弊社で慎重に検討しました結果、大変恐縮ではございますが今回は見送らせていただきたく存じます。 当社に置きましては、(理由を述べる) 今回は貴意に添いかねる結果となり、誠に申し訳ございません。また機会がございましたら何卒よろしくお願いいたします。 |
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