目次
当日になって、「今日は出勤できない」と思う日もあるでしょう。「事前の申請なしに休めないか」という思いがよぎったとしても、明確な理由なき無断欠勤はしにくいものでしょう。
やむを得ず当日欠勤をする際に、一般的に認められることが多い理由と当日欠勤に関するマナーやNG行為、連絡方法などについて解説します。
当日欠勤をする理由(体調不良の場合)
基本的に、当日欠勤は望ましいものではありません。しかし客観的に見て、どうしても出社できない状況があることも確かです。
どのような状況であれば、当日欠勤が認められやすいのでしょうか。一般的な例を見てみましょう。
自身の体調不良
体調不良を起こしたときに、無理は禁物です。仕事に行ける状況ではない場合、当日であっても休む方がよい場合もあります。
しかし、会社に伝えるときに『具合が悪い』とするとあまりに漠然としています。できるだけ具体的に、症状を伝えることも大切です。
目が覚めると、発熱していることがあります。この場合、『38℃を超える熱が出ており、出社が難しい状況です』というように、具体的に示すとよいでしょう。
そのほか激しい腹痛や頭痛など、体調が著しく悪く仕事に行ける状況ではないと感じた場合は、当日であっても真摯に状況説明を行い、休息を取って医療機関を受診するのがよいでしょう。
女性の場合は生理痛も
女性の場合、生理痛も会社を休む正当な理由になり得ます。個人差はあるにしても、生理痛は通常の生活を難しくしてしまうこともあるでしょう。
中には『生理痛で欠勤なんて甘えてると思われてしまうのではないか』と不安を覚える女性もいるようです。しかし、現代では社会全体で理解が進み、仕事を休む正当な事由として広く認められるようになっています。
会社に連絡を入れるとき『もしも電話口に出るのが男性だったら』と考え、躊躇してしまうこともあるでしょう。
しかし、そのような場合でも別の理由を無理にこじつけるのはよくありません。仕事に行ける状態でないのなら、生理痛がつらいことを隠さず伝えるというのも一つの方法です。
家族の体調不良
子どもは、急に体調を崩しやすい傾向があります。起こしたら熱がある、体に痛みが生じていたということは頻繁に起こることです。
また、高齢者と同居しているときに、具合が悪くなることもあります。状況によっては1人で日常生活もできなくなる場合があり、付き添いが必要になるケースも考えられるのです。
家族が体調を崩してしまったときに、夫婦のいずれも昼間に働いていると、どちらかが休まざるを得ません。家族の安全と健康のためであれば、当日欠勤は十分に認められるでしょう。
当日欠勤をする理由(体調不良以外の場合)
自身の体調も万全で、出社する意欲も十分あるにもかかわらず、病気以外の理由で出勤が難しくなることがあります。外出を阻むケースについて、幅広く見ていきましょう。
自宅の鍵や財布の紛失
いざ家を出ようとして、自宅の鍵や財布が見当たらないと、そのまま外出するわけにはいきません。解錠したままでの外出はあまりにも不用心ですし、財布がなければ身動きできなくなります。
しかし、たとえ本当であっても、その理由を伝えられた側はあまりよい印象を抱きません。基本的に、鍵や財布の紛失は本人のミスなのです。
そのようなケースで有効なのは、連絡を1度で済まさずに、2段階で報告することです。1度目は『どうしても見当たらず、少し遅れてしまいます』とします。
そしてその後『管理会社に連絡したところ、午後に鍵の交換をすることになり欠勤せざるを得なくなりました』『警察に問い合わせたら保管されていたので、引き取りに行くためお休みしたい』と2度目の連絡を入れて、承認を得てから休みましょう。
家や車の修理
最寄りの駅やバス停がとても遠い場所にある職場もあります。そのような会社では、多くの社員が自家用車で通勤することもあるのです。
出発しようとすると、エンジンがかからないトラブルが発生することもあるでしょう。翌日以降の出社にも関わることから、修理のために欠勤せざるを得ないこともあります。
集合住宅の場合、自身の部屋以外が原因で水漏れや異臭などの異変が生じる場合や、家具の破損や体への悪影響などを考慮し、自宅で対処することが望ましい場合も起こり得るのです。出勤が難しい状況になった時点で、迅速に連絡して承認を得る必要があります。
病院での検査や付き添い
自身や家族の体調が優れずに市販薬の使用では改善しない場合、病院での診察や検査を受ける必要があります。
自分は病院に行けたとしても、子どもや高齢者の場合は付き添いが必要になるケースもあるでしょう。また、検査や診察後のケアも必要です。
付き添いで医療機関に出向くときなども、欠勤しなくてはならない理由の一つです。この場合も会社に対してきちんと状況を説明する必要があります。
当日欠勤は有給扱いになる?
労働基準法に則って、どの企業でも有給休暇が設定されています。
当日欠勤は、有給休暇として認められるのでしょうか?その可否について考えてみましょう。
会社規定により異なる
結論から述べれば、企業ごとの規定によって異なります。
認められる場合もあれば、会社規定上認めないとする企業もあります。
有給休暇が余っているからいって、必ず有給休暇扱いになると考えるには注意が必要かもしれません。
当日欠勤の連絡の注意点
やむを得ない理由で当日欠勤しなければならなくなったときでも、会社への連絡は不可欠です。
近年は、電話・メール・チャットなどさまざまな連絡方法があります。そのような環境の中で、どのように連絡することが望ましいのでしょうか。
原則、電話で連絡する
近年は、いくつもの通信手段があります。基本料金以上の通話料や通信料がかからないことで、SNSアプリなどを利用した連絡方法をメインにしている人は多いものです。
そして、会話をすると不要に長い時間を要することもあり、そのような状況を避けるためにテキストで用件を送信することをメインにしている人も少なくありません。
しかし、当日欠勤の連絡に関しては、メールやSNSによる文章だけの連絡で終わらせるべきではありません。電話できちんと、休む旨を伝えるようにしましょう。
実際に通話をすれば、休む側の状況が声の雰囲気で伝わり、相手に納得してもらいやすくなるケースもあります。休むにあたって、重要な仕事や面談がないかなど会社側が確認しておきたいことがあるかもしれず、質問にも迅速に回答できるのです。
必ず始業前に連絡を入れる
『いつ』会社に連絡するかも重要です。当日欠勤では、必ず始業の10~15分前までに電話で一報入れるように心掛けましょう。
業務開始後の連絡だと、連絡を受けた相手は、始業からそのときまでの間に重要な業務がなかったかなどを心配するかもしれません。また、その日に必要な引継ぎなどがある場合も、始業前の方が安心感が生まれます。
反対に早すぎて、始業時間までにあまりに時間があると、誰も出社していないことも考えられます。誰かに伝えたいことがあっても、直接話すこともできません。同僚の1人が確認したいことがあったとしても、その人が出社しているとは限らないのです。
そのため、始業前の早すぎない時間帯に欠勤の連絡を入れることが望ましいといえます。
連絡先は直属の上司
多かれ少なかれ気が引ける当日欠勤の連絡ゆえ、気軽に話せる同僚に伝えたいところです。しかし、当日欠勤の場合は直属の上司へ連絡が基本となります。上司が不在の場合、それに準ずるポジションの人に一報を入れましょう。
なぜなら、会社側はその日に、欠勤する人の仕事を用意しているかもしれません。その際に、報告する人が仕事の割り振りをする権限のある人ならば、すぐに人員の再配置などを行えるのです。
また、欠勤する人がその日にしなければならない業務を誰かに引継ぐにも、勝手に人選することはできません。管理権限のある人に連絡することが、職場の混乱を招かないためにも重要です。