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あなたのことを認めない上司、同僚、連鎖する負の人事評価を断ち切る方法

2021.06.05

■連載/あるあるビジネス処方箋

「あなたを今、認めない人は今後も認めない」。30年ほどの取材を通じて実感することだ。例えば、上司が部下(Aとする)のことを同世代の社員と比べて低く評価したとする。Aががんばったところで、今後も評価が大きく変わることはないだろう。上司がAをとらえる見方、フィルターが変わらないからだ。上司が企画し、具現化することに関心がなく、目の前のことを黙々とこなすタイプとする。Aが斬新な発想やアイデアを持っていたところで、高くは評価しないだろう。

上司が低く扱えば、その上のいる上司(例えば担当役員など)も低く見る。あるいは同僚らも低く扱うだろう。人事評価は、ある意味で連鎖する。昨年秋に取材したベテラン人事コンサルタント(60代前半)はこう話していた。

「管理職は、突き詰めれば「自分の都合」で部下を「使える・使えない」と判断し、レッテルを貼っている。管理職が「使えない」というレッテルを貼ると、職場で即時に伝染する。同じ部署の他の社員もそのように見る。本人も、「自分はダメだ」と思い込む。この伝染が怖い。「使えない」という固定観念が組織的に強くなる。「使えない」というレッテルは、間違いなく伝染する。他の部下が、上司に「彼はそんなことはないと思います」とはなかなか言えない」

以下は、別の人事コンサルタント(50代後半)が10年ほど前に話していたことであり、私も深く納得したものだ。

「人事評価には、ダブルスタンダードがある。1つのスタンダードは、会社が作る人事制度にもとづく評価だ。もう1つは、上司の価値観(大切にしていること)や見方、とらえ方によるもの。建前としては、すべての上司が1つめのスタンダードで評価すべきだが、それは理想論。人間である以上、心や感情を持っていて、2つめのスタンダードで部下を見るはず。評価とは極めて相対的で、恣意・主観、曖昧、感情論的なものが必ず残る」。

ここからは、私の考えだ。高い評価を受けずに、不満を長年抱え込んでいるとする。耐えられないと感じるならば、他部署への異動願いを出すとか、慎重に検討したうえで転職をするとか、何かを考えたほうがいいのかもしれない。今の上司が認めてくれるとは思わないほうがいい。評価は上司がつけるが、値打ちは自分自身がつける。上司に価値をつけられる必要はないし、上司にそこまでの権限はない。

以上のことを堂々と言えば、反感を招く可能性が高いが、心に秘めておくべきと思う。上司に自分の人生を決められてはいけない。あくまで、自分で決めるのだ。このことを多くの会社員が心得ていない。

私の同世代の多くは現在管理職をしているが、3極化している。1つは役員、もう1つは管理職、3つめのグループは部下がいない管理職や管理職になれない人。特に3つめのグループの管理職と話をすると、上司へのうらみや不平、不満が多い。1時間のうち、30分は上司への愚痴だ。だが、会社員の処遇、評価は上司がつける。つまりは、俎板(まないた)の鯉みたいなものだ。それが嫌ならば、会社員を辞めるかしかない。

組織を離れ、自由に生きたいが、それができない。だから会社員をしているのではないか。連載の記事「止まらないコロナウィルスの感染拡大、フリーランスは生き延びられるか?」で書いたように、個人事業主が生きていくのは会社員に比べると様々な困難がある。私の持論は、「今認めようとしない人は今後も認めない」。それならば、今の努力はホドホドにして、できるだけ早く離れることにエネルギーを注ぐのが賢明。

「自分に実力があれば、どこの職場でも生きていける」と言っているのではない。むしろ、逆。人を評価するのは評価者であり、周囲。実力があろうとも、高く評価される可能性は低い。だからこそ、早くワープをしたほうがいい。

文/吉田典史

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