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知ってる?「人事を尽くして天命を待つ」の意味と正しい使い方

2021.06.23

日常会話ではなじみがない『人事を尽くして天命を待つ』とは、どのような意味なのでしょうか?言葉の意味だけではなく、正しい使い方や例文も紹介します。また、類義語も一緒に解説するので、場面や状況に応じて使い分けられるようにしましょう。

「人事を尽くして天命を待つ」とは

まずは、『人事を尽くして天命を待つ』という言葉の意味や読み方を見ていきましょう。より深く理解ができるように、由来についても紹介します。

言葉の意味と読み方

『人事を尽くして天命を待つ』とは『じんじをつくしててんめいをまつ』と読み、人間の能力で可能な限りの努力をしたら、あとは焦らず静かに結果を天の意思に任せる、という意味があります。

全力を尽くしたのであれば事の成否は人知を越えた天任せなのだから、「どんな結果になろうとも後悔はない」という心境を表す言葉としても使用されます。

出典は胡寅「読史管見」

『人事を尽くして天命を待つ』の出典は、中国の胡寅(こいん)が書いた『読史管見(とくしかんけん)』です。

東晋王朝時代の中国に異民族が攻めてきた際、将軍の謝安(しゃあん)が指揮を執り、できる限りの作戦を考えて全て実行しました。その結果、国の存亡を懸けたこの戦いに勝利し、異民族の侵略行為の撃退に成功します。

謝安の全力を尽くした姿や、どんな結果になろうとも後悔はないという覚悟を見た胡寅が『読史管見』に『人事を尽くして天命に聴(まか)す』と述べたことが由来といわれています。

「人事」「天命」をおさらい

『人事』には『人間にできる事柄、人としてなすべきこと』という意味があり、『天命』は『生まれたときから定められている運命、天の与えた使命』です。

つまり『人事を尽くして』とは、人間にできる事柄を全てやりきるということで、『天命を待つ』とは天が与えて定められている運命を待つという表現になります。

この二つが合わさって、自分にできる全ての事柄をやりきったら、あとは静かに天が決める結果を待つという意味になります。

使い方と例文

(出典) pexels.com

言葉の意味が分かっても、『人事を尽くして天命を待つ』をどのように使えばよいか分からない人もいるでしょう。そこで、使い方と簡単な例文を紹介します。

「人事を尽くして天命を待つ」の使い方

『人事を尽くして天命を待つ』は、自分自身を鼓舞したり、相手を励ましたりする場面で使用されます。

基本的に単体で意味が完結しますが、突然この言葉を使われては、相手に正しい意味や気持ちを伝えられません。そこで、使用したあとは簡単に意味が分かる文章を付け加えて、真意を説明しましょう。

相手を励ます場面では、相手が最大限の努力をしてきたことを認め、あとは運任せであることを付け加えると伝わりやすくなります。

「人事を尽くして天命を待つ」の例文

ここからは、場面別に具体的な例文を紹介しましょう。

自分を鼓舞する場面での例文

  • 試験対策は最善を尽くしたのだから、今は人事を尽くして天命を待つことにしよう
  • この試合にはベストを尽くした上で臨んだので、今は人事を尽くして天命を待つ心境だ

相手を励ます場面での例文

  • 君は最大限の努力をしたのだから、あとは人事を尽くして天命を待つだけだろう
  • 全力で交渉したので、人事を尽くして天命を待つの気持ちでよい結果を願いましょう
  • あなたはやれることを全てやりきったのだから、あとはもう人事を尽くして天命を待つほかない

「人事を尽くして天命を待つ」の類義語

(出典) pexels.com

使用する場面や状況によっては、『人事を尽くして天命を待つ』ではなく他の言葉が適していることもあります。そこで、使い分けができるように類義語を例文と併せて紹介します。

「能事畢る」

『能事畢る(のうじおわる)』とは、やるべきことを全て終わらせた状態を表します。しなければならないことを残らずやり終えて充実した場面や、あとは運を天に任せるしかないという状況で使用されます。

『能事畢れり(のうじおわれり)』という言い方で使用されるケースが多いようです。

  • 取引先との交渉が終わったからといって能事畢れりと思うなよ。これから明日のプレゼンの準備をするぞ
  • クラス全員で力を合わせて文化祭の準備をしたので、能事畢れりの心境で当日を迎えた

「天は自ら助くる者を助く」

『天は自ら助くる者を助く』は、他人に頼らず最大限の努力をしている人は、必ず天が助けて成功するという意味の言葉です。

『天は自ら助くる者を助く』の出典は、イギリスのサミュエル・スマイルズが書いた『SELF HELP』です。この本の冒頭に『Heaven helps those who help themselves.』と記されていたものを訳したのが由来といわれています。

明治維新後に『SELF HELP』は日本語に翻訳され、『自助論』というタイトルで普及しました。現代でも『天は自ら助くる者を助く』を座右の銘とする人は多いのではないでしょうか。

  • 天は自ら助くる者を助くというように、まずは自分自身の行いが大切です
  • 周りや環境を理由にするのではなく、天は自ら助くる者を助くという気持ちで努力しましょう

構成/編集部

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