腕を組む位置に隠された心理とは
腕組みは体の前に手を回す行為ですが、腕のポジションによって効果が異なるとも言われています。腕の高さの違いによる隠された心理を見てみましょう。
低い位置で組む
へそ周辺の少し低いポジションでの腕組みには、『集中してものを考えている』様子がうかがえます。相手の意見を真剣にくみ取ろうとしている場合などでよく見かける状態です。
さらに低く、腹部辺りを隠すようにしているときは、『警戒心の表れ』だと考えられます。不安な気持ちを抱き、警戒心が高まったためにとっている行動と言えるでしょう。
心理的な面でストレスを抱えている場合も、腹部に手を置く要素になります。相手の心身に不健全な状態が見受けられたら、ときには配慮が必要です。
高い位置で組む
高い位置で腕を組んでいる場合は、『威圧感を与えたい』『優位な立場にいたい』という心理が働いていると思われます。精神的にマウントを取りにいく心情がうかがえる行動です。
腕を高めの位置で組むことによって、体を大きく見せる効果が生じます。それによって生まれる威圧感などを利用して、自分の方が有利な立場にいると示したいのです。
さらに胸を張る、顎を上げるといった行為が加わると、より攻撃的な雰囲気が生まれます。競争心が含まれている可能性もあるでしょう。
人はなぜマウントを取ろうとするのか?マウントを取る人の特徴・対処方法
左右どちらの腕を上にして組むか
『右脳派』の人は、左腕が上になると言われます。感性や想像力といった、抽象的な能力を司る右脳が発達した人は直感的な判断に優れ、画期的なアイデアや発想が得意です。
言葉で説明するよりも、イラストや図の方が感情や考えを提示しやすいと考えることが多く、芸術家や表現者に多いタイプになります。
一方、右腕が上になる人は『左脳派』です。物事を理論的に突き詰め、相手に伝える場合も順序立てたストーリーを大切にします。未来を想定するよりも、実際に起こった出来事を分析する能力が備わっていることが多いです。
左脳は元来、言語機能を司る部分です。言葉を正確に扱う左脳派には、生真面目で几帳面な性格の人が多い傾向があります。
背中を丸めて腕を組む
どこかに不安を感じていたり、心細さを抱えていたりするときに見られる行為です。腕組みは、威圧的で高圧的な内面の表れである一方、繊細さによって萎縮している結果の場合もあります。
腕組みをしながら上体を反らすと高慢さが増しますが、反対に身をかがめながらの腕組みには弱々しさが漂います。自信を失い、覇気がなくなった状態と考えられるでしょう。
腕を組む癖を直そう
他意はなくても、相手に不快感や不安、嫌悪感や恐怖心を与えることもあるため、できるだけ腕を組むことは控えたいものです。中には癖で無意識にしてしまう人もいるでしょう。そこで、腕組みをする癖の解消につながる対処法について紹介します。
腕ではなく指を組む
腕が前になくては落ち着かないのであれば、『指を組む』ことを心掛けてみましょう。そうすれば腕を前方に回しながらも、腕組みの解消につながります。
指を交互に重ねるように組んだ手からは、威圧感や攻撃性は感じ取れません。大げさなジェスチャーでもないため、相手に不快感を与える可能性は低くなります。
手をテーブルや机の上に置けないなら、座った状態の腿の上付近で指を組むとよいでしょう。人の目にもつかず、すんなりと指を組む体勢が取れます。
手は膝に置くのを習慣化する
テーブルに着席する際だけでなく、写真撮影などでも言えますが、椅子に座ったときの手の位置は、膝に置くのがマナーとされています。そのため、手を膝に置くことを習慣化してみることも有効です。
手を膝に置いていれば、無礼だと判断されることはありません。それ以上に、好感を生む可能性の方がはるかに高いと言えます。心情を害する腕組みの癖を直し、マナー面も向上することから、一石二鳥の方策でしょう。
構成/編集部