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IT用語としてよく使われる「プラットフォーム」とは?覚えておきたい言葉の使い方と一般的なメリット

2024.02.13

『プラットフォーム』とは、共通の土台となる環境を意味します。ITシステムの基盤を指すほか、ビジネスにおける戦略の一つとしても使われる言葉です。具体的な意味や種類を解説し、プラットフォームビジネスでの成功事例も紹介します。

プラットフォームとは?

IT・ビジネス分野における『プラットフォーム』とは、システムやサービスを稼働させるための基盤を指す言葉です。具体的な意味やインフラとの違いを解説します。

今さら聞けないプラットフォームの意味

プラットフォームとは、『舞台・壇上』を意味する英語『platform』を語源とする言葉です。IT用語として使う場合は、『サービスやシステムを動かすための土台や基盤』を意味します。

ITシステムにおいては、ソフトウェアを動作させるOSがプラットフォームです。データベースや設定を含む、システム基盤の総称を指すこともあります。同一のプログラムを動かす際、基本的にはプラットフォームが同じでなければ動きません。

また、オンラインショッピングを提供するシステムやアプリ・音楽・動画の配信サイトを、プラットフォームと呼ぶケースもあります。いずれもサービスを提供・運営するために必要な、共通の土台となる環境です。

インフラとの違い

プラットフォームと混同しやすい言葉に『インフラ』があります。インフラは『インフラストラクチャー(Infrastructure)』の略語で、『基盤・環境』を指す言葉です。

IT・ビジネス用語としての意味合いが強いプラットフォームに対し、インフラは生活や産業の基盤を意味する言葉としてよく使われます。水道・電気・ガス・道路・駅・通信網などの生活・産業基盤は、一般社会におけるインフラの代表例です。

IT分野では、システム内のネットワークやハードウェアを総称して『ITインフラ』と呼ぶ場合があります。ITインフラは、システムを正常に動作させるために欠かせない、下支えの役割を担う基盤です。

三つのデジタルプラットフォーム

IT関係のプラットフォームは、ほかのタイプと区別する意味で『デジタルプラットフォーム』とも呼ばれます。デジタルプラットフォームは、以下に挙げる3種類に分けられます。

オンラインプラットフォーム

オンラインプラットフォームは、Web上で提供されるさまざまなサービスの基盤です。取引の形態により、大きく4種類に分けられます。

企業と消費者で取引されるタイプの例が、『Amazon』『楽天市場』などのECサイトや『Yahoo! JAPAN』などのポータルサイトです。消費者同士の取引形態では、オークションやフリマアプリ、シェアリングエコノミーが挙げられます。

Googleに代表される検索エンジンやSNS・ソーシャルメディアは、企業と消費者の間に企業が入る形で取引されるタイプのオンラインプラットフォームです。『FinTech』や『AR/VR』など、企業同士で取引されるものもあります。

ソフトウェアのプラットフォーム

パソコンやスマホで基盤として利用されるOSも、システムの土台であることからプラットフォームと表現されます。インストールしたアプリを作動させるには、最も基本的なソフトウェアであるOSの存在が不可欠です。

パソコンに組み込まれる代表的なOSとして、Microsoftの『Windows』やAppleの『macOS』があります。スマホで使われるOSは、Googleの『Android』とAppleの『iOS』が主流です。

OSやハードウェアなどのプラットフォーム一式を、ネット上で提供する『PaaS』というサービスもあります。アプリ開発に必要なプラットフォーム環境の準備を、大幅に削減できることがメリットです。

コンテンツ配信型プラットフォーム

オンラインプラットフォームのBtoCタイプには、コンテンツを配信するサービスが含まれます。アプリ・電子書籍・音楽など、配信されるコンテンツの種類はさまざまです。

コンテンツ配信型プラットフォームの代表例として、Googleの『Google Play』やAppleの『App Store』があります。どちらもスマホアプリをダウンロードできるサービスです。

音楽を配信する『Google Play Music』『iTunes Store』やゲームを配信する『Stadia』も、コンテンツ配信型サービスとして広く知られています。

基本的に無料で利用できるSNSやソーシャルメディアと違い、コンテンツ配信型は有料コンテンツを多く含んでいることが特徴です。決済プラットフォームとしての役割も担っています。

注目を集めるクロスプラットフォーム

クロスプラットフォームは、OSやハードウェアに依存しないアプリ開発を実現するプログラムです。スマホの急速な普及により、近年注目を集めています。

クロスプラットフォームとは?

OSやハードウェアが異なっていても、それぞれで動作するアプリを開発できるプログラムが『クロスプラットフォーム』です。『マルチプラットフォーム』とも呼ばれます。

従来のアプリ開発は、特定のプラットフォームでのみ動くように作るのが一般的でした。しかし、クロスプラットフォームで開発すれば、さまざまなOSやハードウェアに対応するアプリが作れます。

近年のスマホ用アプリは、クロスプラットフォームで開発されたものがほとんどです。市場を限定しないため、AndroidとiOSの両方に対応するアプリが数多く提供されています。

有名なクロスプラットフォーム

クロスプラットフォームの代表格としては、『Java仮想マシン』が挙げられます。『JVM』『Java VM』とも呼ばれるソフトウェアです。

Javaで開発されたアプリは、Java仮想マシンにより異なるOS上で動かせます。Java仮想マシンさえあれば、Javaアプリを使うための特別な設定は不要です。

モバイルアプリの開発に向いた主なクロスプラットフォームには、『Xamarin』や『Flutter』があります。『Unity』や『Cocos2d-x』は、ゲームアプリの開発に適したプログラムとして有名です。

世界中で使われているプログラミング言語「Java」の特徴とメリット

普及した背景にはスマホの存在?

OSやハードウェアに依存しない開発環境は、コンピューター黎明期から存在していました。近年注目を集め始めた背景には、スマホの急激な普及があると考えられています。

スマホに組み込まれるOSは、AndroidとiOSが主流です。それぞれのシェアが均衡しているため、どちらのOSでも作動するアプリ開発が求められるようになり、クロスプラットフォームの普及につながっています。

アプリ開発にかかるコストを軽減できることも、クロスプラットフォームの魅力です。OSごとに違うプログラムでアプリを開発するより、クロスプラットフォームで開発した方がコストを抑えられます。

プラットフォームビジネスとは?

プラットフォームビジネスは、プラットフォーム戦略に基づいて展開されるビジネスモデルです。戦略の特徴や注目される理由を解説します。

プラットフォーム戦略

プラットフォーム戦略とは、相互に関係する複数グループのニーズを橋渡しするビジネス戦略です。多くの企業から商品やサービスを集めることで、より広域の経済圏を形成できます。

消費者がアカウントを一つ取得するだけで、多彩なサービスを受けられることが特徴です。業界や業種を問わず導入されており、多くの成功事例があります。

商品やサービスを売りたい企業と、さまざまなものを買いたい消費者をつなげる『ECサイト』は、プラットフォームビジネスの代表例です。『コンテンツ配信サービス』や『シェアリングエコノミー』『SNS』なども代表として挙げられるでしょう。

戦略の特徴

プラットフォーム戦略では、橋渡しとなる企業が『プラットフォーマー』となり、複数企業と消費者の仲介役を担います。企業と消費者が1対1で取引する従来の形態ではなく、プラットフォーマーを間に入れて取引するのが特徴です。

企業と消費者が1対1で取引する形態を『BtoC』といいます。一方、企業と消費者の間にプラットフォーマーを仲介して取引する形態は『BtoBtoC』です。

BtoCでは、消費者が複数企業から商品やサービスを購入する場合、それぞれの企業とやり取りしなければなりません。しかしBtoBtoCなら、プラットフォーマーとやり取りするだけで複数企業の商品やサービスが購入可能になります。

注目される理由とは?

近年は、あらゆる分野で類似した商品やサービスがあふれており、市場全体が成熟期を迎えています。消費者の価値観も多様化する中で、多くのニーズをいかに満たすかが、これからの時代における企業の課題といえるでしょう。

プラットフォーム戦略は、消費者の多様なニーズを満たせる仕組みを持っている点で注目を集めているビジネスモデルです。成熟した社会において、消費者との関係性をより強化できるためです。

百貨店や青果市場など、プラットフォーム型のビジネスモデルは古くから存在しました。しかし、インターネットの普及に伴い、これからはIT分野でプラットフォーム戦略がより活性化していくでしょう。

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