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デジタルIDが消滅可能性都市を救う!?石川県加賀市で普及が進むマイナンバーカード

2021.01.24

2020年4月に発足した一般社団法人LIVING TECH協会。「人々の暮らしを、テクノロジーで豊かにする。」の実現を目指して住宅関連事業者やメーカー、流通・小売りに携わる企業が集い、まずは、ユーザーに心地良いスマートホームを段階的に進めていこうとしています。

2020年10月29日にはカンファレンス「LIVING TECH Conference 2020」を開催。全13セッションの中から、セッション93回にわたって紹介します。

登壇者は、左より武井浩三さん(一般社団法人不動産テック協会 発起人/理事)、岡本克彦さん(日本電気株式会社 マーケティング戦略本部 シニアエキスパート【NEC未来創造会議事務局】)、小木曽稔さん(一般社団法人新経済連盟 事務局政策部長)、日下光さん(xID株式会社 代表取締役CEO


※Session 9 中編※ 「NEC未来創造会議」×LIVING TECH協会 日本のスマートシティ構想、Society5.0を考える

【前編】スマートシティ構想、Society5.0を考える。NECと新経済連盟が見据える未来、思い描くビジョンとは?

#石川県加賀市を消滅可能性都市から救え!

武井(モデレーター):次にxID(クロスアイディー)の日下さん、よろしくお願いします。 

日下:僕たちの会社はxIDという会社でして、ガブテック企業と標榜しています。エストニア共和国という、ご存知の方がいればデジタル化に成功した、日本でいうマイナンバーカードが99%の国民に普及している国にですね、3年前に家族を連れて移住しまして、現地でそのデジタルIDを使った行政サービスを作ったり、現地の政府のアドバイザーをやっていました。今年になってコロナ禍の手前で帰ってきて、今は石川県加賀市のDXアドバイザーをやっています。

まさに2050年、加賀市は消滅可能性都市と言われている地域の一つです。そういった意味ではトピックとして今、2050年に向けて加賀市をどうしていくかってところをデジタルの力でやっていこうということをやっています。

会社自体はマイナンバーカードに全集中している会社でして、マイナンバーカードに特化したデジタルIDアプリの提供しているんですけども、新経済連盟にも入らせていただいて意見交換させていただいています。ミッションとしては、「信用コストの低いデジタル社会を実現する」です。

信用コストの高いデジタル社会へ

今まさにデジタル社会っていろんなとこで議論されていると思うんですけど、僕のイメージではこのままいくと信用コストの高いデジタル社会になってしまうんじゃないかなっていうふうに思ったんですね。ここでいう信用コストは、家族もコミュニティー。家族って約束事ユビキリゲンマンで済むじゃないですか。これは信用コストの低いコミュニティー(社会)だと思うんです。

今の社会って契約社会であって、それは信用コスト高いから、疑うことにも、信じることにも時間とお金かかるので、契約書で担保するっていうことだと思うんですね。

デジタルになった瞬間に、やっぱり非対面でいろんなことが起きたりとか。これまでちょっと飲みに行って関係性を構築するとか、そういったことがコロナ禍でしづらくなってきているので、信用コストの低い状態でデジタル社会を実現するのはすごく重要なんじゃないかなと。

そういった上ではデータの信頼性とか、またその人の信頼性みたいなことを担保するツールとしてデジタルIDは非常に重要なツールなんじゃないかなってことで、今この領域にフルコミットさせていただいています。

実際、足元としては、アナログでも不便だったことをデジタルで解決しようってIT化をこれまでやってきたんですけど、結局デジタルになっても面倒じゃないかと。
 

地域社会でいわれるのはデジタルデバイド(※3)みたいな、高齢者デジタル使えるのか? それは面倒なデジタルは使わないですよね。それを解決していく意味で、アナログで不便だったものがデジタルになっても面倒なことがたくさんあるなと思っていて、例えばデジタルIDで解決できることをいうと本人確認書類何回も提出させられるとか、名前とか生年月日と性別、住所をいろんなとこで何回も書かせられることとか。

3 デジタルデバイド:情報通信技術(IT・特にインターネット)において、リテラシー、理解レベルの問題で利用できる、できないという情報格差

誰もが面倒って感じることが、そのまま取り残されてきている状態のままデジタルで数十年進んできている。最近では、データを使うのも当たりの前になってきているんですけど、データを提供したほうが便利って分かっているけど、提供することによるプライバシーに対する漠然とした不安。この漠然とした不安というのが、ただただ大丈夫ですといわれるだけでは解決してこなかった。

事業者も全員、悪意があるわけじゃないんですけど、そこのトレードオフが取れてこなかったっていうのは、デジタル社会を推し進める上での課題だったんじゃないかなと思いますね。

パーソナルデータを活用した社会へ、Society5.0

その中でも1番重要な課題、Society5.0って人間中心の社会ってよくいわれてると思うんですけど、それを実現するには、デジタルでもリアルでも、私が私であるということをどう証明するか? ということだと思うんですね。

今は事業者ごとにデータを活用するとかできていると思いますが、まさに事業者同士の信用コストが高い。NECさんが持っているデータを楽天で使いたいっていった時に、楽天からするとそれはいいかもしんないけどNECからしたら出したデータで楽天さんが先に儲かったら、社会のためにいいかもしれないけど営利企業としてはどうかと。

まずデータがパーソナルデータなら個人に帰属させる。そして事業者がまたがっていても同じ人であることが担保証明できれば、そのデータを紐付けてまさに個人最適なパーソナルデータを活用した社会が作れるよねと。これを実現している国がエストニアで、日本でもデジタルIDを使って実現できるよねということでマイナンバーカードをトラストアンカー(※4)にしたデジタルIDを今年(2020年)の428日から日本で提供しています。

4 トラストアンカー:電子的な認証の手続きのために置かれる基点のこと。認証の手続きとは、アクセスしている通信相手が正しいことを確かめたり、電子データが途中で変更されずに正しい状態にあることを確かめること

実際に足元でできることは、法律に従った本人確認も何回も身分証の写真をアップロードしたり、名前、生年月日とか書いたりせずに、デジタルIDで一発で終わる本人確認であったり。それぞれのサービスでパスワードを打ち込むのが面倒なので、それもパスワードレスでログインできます。

先ほどペーパレス化の話もありましたけど、契約のデジタル化をデジタルIDでもハンコの代わりに電子署名したり。最近、つくば市でやったのが、役所に行かずに、投票所に行かずにできる電子投票をインターネットで実現しました。行政手続きに関しては石川県加賀市で実現しました。

加賀市で普及が進むマイナンバーカード

何でデジタルIDなのか? マイナンバーカードって日本にあるわけですよね、これまで普及しなかったと言われていますが、この民主主義で義務化もせずに2500万人に普及していることはすごいことで、エストニアは99%と言われていますが、130万人なんです。それを考えるとやっぱりきちんと理解して分析して民間企業が率先して使っていけば使いどころがないわけないです。

マイナンバーカードを事業者にとってもエンドユーザーにとっても使いやすくすることで、民間のデジタルIDとして市民にとっても、自治体と企業にとっても今起きている課題の解決になるじゃないかと。マイナンバーカードをスマートにしてしまおうという取り組みをしてます。

実際に加賀市では連携協定を12月に結んでいます。加賀市は2050年で消滅すると言われている場所なんです。そこに対して移民を増やそうとか、出生率あげようっていうのもよく出てくる話ではあるのですが、やっぱりその少ない担い手でも自治が回る、地方行政が回るためのデジタルっていうところで、市長もデジタル化に本腰を入れていて、まずはID基盤だろうと。

マイナンバーカードの普及施策も一緒にやって、申請と交付を合わせると61%をですね、今日の時点で越えて全国平均の3倍を叩いている状態です。これを使って、実際に行かない、書かない役所の実現ということで窓口の行政手続きをオンラインで実現しています。

デジタルデバイドにどう対処するのか?

加賀市で今、第二弾としてやっている取り組みが、まさにローカルな人たちがデジタルを教えあう。私はデジタルデバイドが問題なんじゃなくてソーシャルデバイド(※5)が問題だと思うんですね。

5 ソーシャルデバイド:社会的に家族や身内、地域社会と距離が近く助け合える教えあえる状態にある人、とそうでない人、繋がりの希薄化

身近に教えてくれる誰かがいない。LINEの使い方とか。近くに教えてくれる人がいれば意外とできます。今の日本は意外とそういうお節介さんがいなかったり、近所の子供なんかちょっと声かけたら防犯アラーム鳴らされたり。

そんな社会になりつつあるのは、ソーシャルデバイドの一端だと思うんです。それを無くしていこうと、加賀市でもシルバー人材などの方にデジタル民生員になっていただいて、地域の方に教えてもらうとか。あるいは小中学生にプログラミング学ばせて、その子たちを先生として高齢者の方たちにスマートフォンで申請できることを学んでもらうみたいなことをしています。

デジタル庁でもマイナンバーカードに関しては利便性を向上していこうとしています。民間企業からはマイナンバーカード、本当に広がるの? との話があるんですけど、半分政府のせいだとしても、もう半分は民間のせいだと思うんですね。これはFacebookログインつける方が儲かると思うわけですよ。何十億人もユーザーがいるから。

マイナンバーカードが広がってないから、社会のためには良いのかもしれないけど、後乗りの方が利潤的にはいいよねとなるので、民間企業が本当に社会にとって良いサービスを生み出すことに頭を使ってこなかったっていう。これが多分それこそ楽天さんやNECさんが本気で取り組んだら間違いなくもっと広がっていたと思うんですね。

誰が悪いとかではなく、制度的に上手くいってなかったってことを、今まさに民間同士で膝を突き合わせて議論するタイミングに差し掛かっているんじゃないかなと思います。

デジタルIDはデータと共に生きるデジタル社会のインフラなので、信頼あるデータを横串で企業、行政が連携していこうと思ったら間違いなく必須のツールになってきます。僕たちだけではなく、いろんなプレーヤーの方とエコシステムを作っていくっていう所の、ある意味では2020年のデジタル庁の動きもあってデイワンに差し掛かったと思います。以上です。

武井:有り難うございます。ご登壇されている3人のそれぞれの取り組みは、相当重なっている領域あると思うんですよね。

後編へ続く。

取材・文/堀田成敏(nh+)

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