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〝人とのつながり〟はさらに増す!?スマートホームが浸透すると人々の意識・生活はどう変わる?

2021.01.19

2020年4月に発足した一般社団法人LIVING TECH協会。「人々の暮らしを、テクノロジーで豊かにする。」の実現を目指して住宅関連事業者やメーカー、流通・小売りに携わる企業が集い、ユーザーに心地良いスマートホームを段階的に進めていこうとしています。

2020年10月29日にはカンファレンス「LIVING TECH Conference 2020」を開催。全13セッションの中から、セッション5の内容を3回にわたって紹介します。

左から、滝沢潔さん(株式会社ライナフ代表取締役)/武井浩三さん(一般社団法人不動産テック協会 発起人/理事)/巻⼝成憲さん(リーウェイズ株式会社 代表取締役CEO)/赤木正幸さん(リマールエステート株式会社 代表取締役社長CEO・不動産テック協会代表理事)/名村晋治さん(株式会社サービシンク 代表取締役/テクニカルディレクター)


※Session 5 後編※不動産テック協会から見える未来!IOTからスマートホームまでの今後

【前編】不動産とテクノロジーをどのように融合させていくのかがキーワード
【中編】5Gでスマートホーム、スマートシティはどう変化していくのか?セキュリティ問題はどうクリアする?

今後注目されるスマートテクノロジーとは?

巻口:みなさんが今注目しているテクノロジー、IoTにしてもスマートシティの技術にしても、何かあれば理由とともに教えていただきたいと思います。まず赤木さん、注目されているスマートテクノロジーって何かありますか? 

赤木:そうですね、特に新型コロナ以後、どうしても遠隔で会議とかしていると、温度感とか空気感がわからないんですよね。例えば、昔ありましたけどバーチャル空間でそういったやり取りがもっと近くでできる、何でしたっけ「セカンドライフ(※1)」でしたっけ?だいぶ古いですねが、ちょっと注目してます。また地上げの話ですが(笑)セカンドライフって人気のある場所はすごく高くなったっていう。そういう意味でも、やっぱり不動産的なちょっとドキドキ感はありますね(笑)。 

1 セカンドライフ(Second Life):アメリカのリンデンラボ(Linden Lab)社が運営する、インターネット上の仮想世界。

滝沢:バーチャル空間の土地を、早めに買っておいて高値の転売を狙うとか(笑)? 

赤木:もちろんです。もちろんって言っちゃいましたね(笑)。 

巻口:ほんとにテック会社やってます? 

一同:(笑)

巻口:滝沢さん、注目しているスマートテクノロジーはありますか?

滝沢:5Gについて一つだけ欠点だなと思っているのが、消費電力が大きいこと。コンセントに繋がるようなものか、毎日充電してくれるようなものじゃないと対応できないんですよね。だから、家中にセンサーを入れたら、多分電池が12日で全部なくなって対応できない問題があるんです。じゃあ、コンセントに繋がっていて、家の中で5Gの恩恵が一番大きいのは何かなって考えたら、意外にこれがスマートスピーカーじゃないかなと思っていて。

今のスマートスピーカーって、自然な会話にはちょっと程遠いじゃないですか。それはたぶん、iPhoneSiriですらとんちんかんな感じすると思うんですよ。あれって、言葉をローカルのほうで判断して言葉を返す。で、そのローカルのリフレッシュ、新しい情報を定期的にネットから取ってる感じなんですね。 

5Gの通信速度で、会話をそのままストリーミングでサーバーのほうに流せば、リアルタイムに理解して返せるようになるので、ひょっとしたらスマートスピーカー相手に自然な会話が、ついに実現するかもしれないっていう期待がありますね。 

巻口:それはもう、エンジニアとしても非常にワクワクしますよね。期待したいとこですね。 

滝沢:はい、未来感がありますね。 

巻口:武井さんいかがですか? 

武井:僕は、まちづくりに興味があるんで、スマートシティを考えたときにやっぱりこう分散化していくっていう、「コンパクトシティ」と「ネットワークシティ」って呼ばれますけど、小さくキュッとまとまった街とかが、ネットワークでつながっていくような世界観。オフグリッドの世界になっていく。オフグリッドにやっぱり一番重要なのは電力なので、その場で「必要な分だけ電力を生んで使う」みたいなものができると、社会インフラコストが劇的に下がると。

電気代って4割ぐらいが送電コストで、さらに販売コストも乗ってきます。「その場で作ってその場で消費する」ってのが、もっとも効率的なので。そういうふうになると、巨大都市を作らなくても人間が生きていけるようになるし。 

そうしたときにもう一つ、やっぱりリモートワークとかをするときに「個人認証」っていうのが、すごく必要不可欠というか。今も、ハンコ押すために出社する「ハンコ出社」とかありますよね(笑)。あと、例えば証券会社の口座開くのを、ハガキが来るのを23日待ってそこに免許証のコピー付けて送るとか、これなんの意味があるの?って。 

行政の仕組みもセットだとは思いますけど、このへんのeKYC(※2)っていうんですかね、個人認証をネット上で瞬時にできる仕組み。スマホの読み取りとかで簡単にマイナンバーカードとかできるようになるんで、そのへんのテクノロジーがかなりインフラとしてできあがると、いろんなところに影響を及ぼしてくるんじゃないかなと期待をしてます。

 2 eKYC(イー・ケー・ワイ・シー):「electronic Know Your Customer」の略で、オンライン上での本人確認手続きを指す。 

巻口:今回のデジタル庁の取り組みとかは、武井さんにとってはもう渡りに船じゃないですけど、長く言っていた話が「ようやくきたか」みたいな。 

武井:マイナンバーカードが普及すると、多分働き方改革が進むんですよね。それはなぜかっていうと、雇用っていう概念が今まで「労働者を企業が管理する」っていう構造だったのが、個人と行政とかが直接繋がると社会保障を企業を介して提供する必要性がなくなり、「雇用と業務委託、何が違うんだっけ?」っていう世界になると。そうするとさらに、労働の流動性っていうのが増して、僕今10社ぐらいの会社といろんなことやっているんですけど、そういうことを、もっといろんな人がやりやすくなるのかなと思っています。 

巻口:名村さんは、注目されてるスマートテクノロジー、いかがですか? 

名村:そうですね、やっぱり僕はARですね。つい先日、スマートグラスがやっと一個届いたんですよ。当然まだデカイし分厚くて、これ目の前でみたら「こんな派手なサングラスしてるやつおらんやろ!」みたいな(笑)。でも、数年前にあったGoogle Glass(※3)とかに比べると、だいぶキレイにはなっていました。正面は見えますし、そこにちょっとモニターがあって。次、空間にちゃんと画が出るようになっているんですね。映画も観れたんですよね。 

3 Google Glass(グーグル グラス):Google社が「Project Glass」という研究開発プロジェクトで開発している、メガネ型の拡張現実ウェアラブルデバイス。

モノができれば、あとはもう技術進歩で薄くなって軽くなるだけなので、そうなるとスマートフォンはデジタル、単に通信、データのやり取りをするデバイスで、無線なのか有線なのかでスマートグラスにつながれば、家の中でも冷蔵庫の開けずに中身を見るとかって世界はたぶん出てくると思います。

スマートホームは人の意識・生活をどう変えるのか?

巻口: では、最後にスマートホームだとかスマートシティが、人の意識だとか行動を促すのか、というような話をしていきたいなと思います。武井さんお願いします。 

武井 :人の意識、社会って「人間の常識」でできてるじゃないですか。「社会は、国はこういうものだ」とか、そういうルールなんでね。働き方、暮らしが変わって何が変わるかって「共同体意識」が一番変わると思うんですよね。 

今まで、特に高度成長期って「家庭は家庭、仕事は仕事」で、仕事と家庭ってのは基本的には分離していて、「公私混同するな」って言われていた時代でした。そこから「出社するな」になって、家で仕事することが勝手に混ざっちゃてて。僕、大企業の組織変革とかもお手伝いしているんですけど、出社しないと「自分がどこのなんなのか」っていう、社会的アイデンティティっていうものがだんだん溶けてくると。

やっぱり家族との時間が増えるし、子どもが大きくなっていくのってプライスレスだよなとか、今やっぱり一緒にいるべきだなとかっていう感情が勝手に芽生えてきて。今、地域活動する人も増えてるんですよね。 

やっぱり物理的に距離が近いと共同体意識を形成しやすいんで、これから働き方改革はもっと進むと思いますし、そうなっていくと今までベッドタウンみたいなところとか、郊外とか、今移住も今進んでますけど、そういったところで「一緒に働いてるけれどもそれぞれが別の会社」みたいな状態って、できていくと思うんですよね。 

コワーキングスペースは今もありますけど、そうじゃなくてベッドタウンの方にワークスペースが移動していって、暮らしと働くことが混ざり合っていく。なんか昔の商店街みたいな、ああいう雰囲気、僕はそれが意識を変えるなって思うんですよね。子どもが親の働いている姿を見るっていうのがオフィスワークが増えてなくなって。でもそれがまた戻っていくような状態。それが今、始まってきているのかなと思っています。 

巻口:逆に、「働き方改革は絶対進まない」っていう主張の名村さん、いかがですか? 

名村:はい(笑)。働き方改革って、かなり個々の人間が働くというか、そもそも生きるとかっていうことに対して、主体性を持たないとできないんですよね。「勤めているから、そこに行ったから給料もらえる」っていう時代ではなくなってきているので。「生産性」がすごく声高に言われるようになり、「あなたは何をしたの?」と言われるようになってくる。それを数値化されてしまい、しかも今回のこのテレワークで、「頑張ってるとかよくわかんないし、だってお前ずっと家にいたじゃん」みたいな話で、そうなってきたときに、数値で評価する部分って日本人にそんなに馴染まないと思うんですよね。

だから、「自分が主体性を持つ」こと。このスマートホームの分脈でいうならば、働き方も変わりますよ、絶対変わります。ただ、急に「数字で評価しますよ」っていうのは無理だと思っているんです。 

ただ、自分がどう主体的に自分の人生を生きるかみたいなところに繋がっていけば、働き「方」は、変わっていくと思いますね。だからそっちに対する未来には、どこか期待があるかなと。

巻口:先ほどの名村さんのお話でも、人が新しいテクノロジーだとかデバイスに触れることによってだんだん考え方が変わっていって、それに慣れていく。それによって行動が変容していくっていうのは、間違いなく起こっていくことですよね。

これは笑い話なんですけど、インターネットが出たころ、テレビ局の番組スタッフに、パソコンをうまく打てるように指導するコンサルタントがいたと(笑)。みんなパソコンを打てなかったから、トレンディドラマとか作る時に「この人パソコン使えるんだ」って見せるために、そういうコンサルタントがいたみたいな。 

過渡期は、そういう新しいモデルが出てくるわけですけども、我々テックを提供するプレーヤー側としては、どちらかというと、目の前の課題感、「この業務を改善しましょう」だとか「こういったことところの問題点みたいなものを解消しましょう」っていう、2年先、3年先ぐらいを見がちなんですけども、より長い、これからの10年のソーシャルの変化に対してですね、課題感を持ちながらサービス提供していくべきなんじゃないかなって。 

モノを実際作っている滝沢さんは、どこまで先のスマートホームの未来とかを、考えられているかご意見いただいてもいいですか? 

滝沢:生活の方に話を戻して、スマートホームがやってくれることって結局は、「日常生活のルーティーンをどんどん削ってくこと」になると思うんですね。一番わかりやすいのは、昔は手で洗濯していたけど洗濯機ができた。さらに乾燥機も一緒になって干す作業もなくなったっていう。日常生活のルーティーンを、どんどんなくしてくような動きにはなっていくと思うんですよ。

例えば、ゴミ箱にゴミを捨てておいたら、それが自動的に無くなっているような。ロボットが全部集めてやってくれるとか、電気を手でつけるっていう動作一つがなくなっていく。食べ終わった後の食器に関しても、キッチンに置いといたら全部あとはきれいに食器棚に並んでいるみたいな。 

そういうルーティーンを片付けていくと、じゃあ「人の生活って、結局何が残るのかな」と。ほとんどはコミュニケーションっていうところ、人と会話するとか、あと娯楽とかだけにどんどん集約していくんじゃないのかなって思ってます。 

巻口:先ほどの武井さんの話ともつながりますけど、より人とのつながりが増していくっていうのが、スマートホームやスマートシティの分脈だと思います。そういった世界観を我々テックプレーヤー側も早く実現したいなと思って日々、サービスを提供しているわけですけどれも。

実際に我々はそういった課題感をユーザーさんと共有しながら、進めるためにこういったリビングテック協会みたいなところがあることによって、「我々はこう考えてますよ」「ユーザーさんからどんなフィードバックがありましたか」みたいなことが、より密になれば、その世界観も一日も早く実現するんじゃないかなと期待しているところです。 

みなさんにまだまだ聞きたいことはいっぱいありますけども、この辺りで締めさせていただきたいと思います。みなさんありがとうございました。

全員:ありがとうございました。

取材・文/久我裕紀

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