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新型コロナの影響で、旅行や都道府県をまたぐ移動を控えている方も多いだろう。GO TO トラベルキャンペーンの実施など、ようやく少しずつ人の移動が始まったところだが、まだまだ海外渡航は簡単ではない状況で、気軽に「貯まったマイルで海外へ」とはできない状況だ。
航空券の購入だけでなく、日常生活でショッピングマイルを貯める「陸マイラー」も増えてきている今、これまで貯まったマイルはどうなるのかと気になっている人も多いだろう。
本記事では、大手航空会社のマイルの有効期限や延長方法、新型コロナへの特別対応までを紹介する。今一度自分のマイルの期限を確認し、コロナ収束後の楽しみに活用できるよう対策しておこう。
マイルには有効期限がある?
日本で主に利用されているのは、国内主要航空会社のJAL、ANA、アメリカの主要航空会社のデルタ航空、ユナイテッド航空のマイル。デルタ航空、ユナイテッド航空のマイルには有効期限がなく長期的に貯められるのがメリットだが、日本の航空会社のマイルに比べると価値が低い傾向にあり、特典航空券に交換するには多くのマイル数が必要だ。
JAL、ANAのマイルは、どちらも有効期限が設けられている。両者とも目安となるのは「36か月後の月末」、つまり「3年間」。複数回搭乗している場合には、それぞれに失効日が訪れる。こまめに失効日をチェックして、有効期限内に交換するようにしよう。
ただし、ANAは年間搭乗実績から独自のステイタス制度を採用しており、最高にあたる「ダイヤモンドステイタス」を獲得していれば、期間中はマイルが失効しない。ステイタスが変動し降格してしまうと、すべての未使用マイルの有効期限が36カ月に戻ってしまうため、ステイタスのチェックも欠かさず行おう。
有効期限の確認方法
まずは現在貯まっているマイル数と有効期限を確認してほしい。
JALの場合
Webサイトにログインし、「有効マイル数」の表示を見ることで確認可能。Webサイト以外にも、会員向けメール配信サービス「JALメールニュース」に登録することで、定期的にマイル実績の通知が受け取れる。 現在の有効マイル数の下に、直近3カ月の月末日に失効する予定のマイル数が書かれている。
ANAの場合
ANAのマイル有効期限は、PC向け Webサイト「ANA SKY WEB」、スマホ向けWebサイト「ANA SKY MOBILE」、スマホ用アプリ「ANA」、iPadアプリ「ANA for iPad」の「マイル口座残高照会」で確認可能。ANAマイレージクラブ入会時に自動配信されるよう設定されている、月1回配信の「ANAメールマガジン」にも記載されている。
電話で確認したい場合は、「ANAマイレージクラブ・サービスセンター」へ。郵送での確認は、Webの会員ページで「送付物の設定・変更」から、「ステートメント」の郵送希望を設定することで可能だ。
マイルの有効期限を延長するには?
「有効期限がもっと長ければもっとマイルを貯められるのに……」という方も多いはず。そんな方に、有効期限を延長するちょっとしたワザをいくつか紹介したい。結論を言えば、JALは「e JALポイント」に、ANAは「ANA SKY コイン」に交換するのがおすすめだ。
【JAL】e JALポイントに交換する
「e JALポイント」は、5,000マイル=5,000ポイント、1万マイル=1万5,000ポイント、5000マイル単位で交換できるポイント。e JALポイントの有効期限は1年間。注目したいのは、マイルをe JALポイントに交換するたびに「手持ちすべてのe JALポイントの有効期限」が1年後の月末へ延長される点。
マイルやe JALポイントの有効期限が近くなったとき、最低交換単位の5000マイルをe JALポイントに移行すれば、その都度すべてのe JALポイントの期限が1年後まで延長され、長期間マイル維持できる。貯まったe JALポイントは「1ポイント=1円」で使用でき、航空券や国内ツアーの支払いに利用できる。
【ANA】ANA SKY コイン
ANA SKYコインは、ANAの航空券や旅行商品の支払いに利用できるコイン。このコインで航空券を購入すれば、フライトマイルが貯まる点も魅力だ。
マイルからANA SKY コインに交換した場合、有効期限は「交換月から12カ月後の末日」。マイルの有効期限は3年のため、ギリギリのところでコインに変えるとプラス1年の延長が可能だ。
マイルとコインの交換レートは、原則として「1マイル=1コイン」。ANAカードを保有していれば、さらに交換率が上がる。交換率の上昇度は、カードのランクやANAマイレージクラブ会員のステータスにより異なり、1万マイル以上の交換でレートが最大1.7倍となるものもあるため、これを活用しない手はない。
頻繁にフライトを利用する人は、ANAの「ミリオンマイラー」になろう
マイルはショッピングの利用などでも貯まるが、フライトのみで集められるマイルに「ライフタイムマイル(LTマイル)」がある。「ANAマイレージクラブ」に入会してから、現在までにマイル口座に積算された搭乗分の区間基本マイレージの合計がカウントされており、ライフタイムマイルが100万に達すると「ミリオンマイラー」のステータスを与えられマイルの有効期限が「無期限」になる。
ライフタイムマイルの対象は、ANAグループ運航便と提携航空会社運航便を利用した際のマイレージ。特典航空券の場合は、ANA国内・国際線を利用した場合のみカウントされる。こちらは、搭乗後6か月以内に積算希望の手続きが必要。
航空系クレジットカードの利用
「クレカ利用で貯めたポイントを必要なときにマイルへ交換」というスタイルで利用すれば、実質マイルの有効期限を気にする必要がない。JALカードは、クレジット決済のたびにマイルが直接貯まっていく仕組みであり、この活用法は難しいが、ANAカードならカードで貯めたポイントをマイルに移行する仕組みのため、ANAマイラーにはぜひチェックしておいてほしい。
ソラチカカード(ANA To Me CARD PASMO JCB)
航空会社提携クレジットカードの中でも、特に人気の「ソラチカカード」。JCB、東京メトロ、ANAが提携して発行しており、ANA一般カード、To Me CARD、JCBのメリットが融合した使い勝手の良いカードだ。
普段の買い物などに加え、東京メトロへの乗車や定期券購入でもマイルが獲得できる。他にも、定期券の購入にこのカードを使うと、Oki Dokiポイントが1,000円で1P、メトロポイントが1,000円で5P、PASMOへのオートチャージでも1,000円で10マイル(10マイルコースの場合)獲得することができる。ポイントサイトなども活用すれば、ANAマイラーにとって “秘密兵器”になる1枚だ。
新型コロナでの特別対応について
新型コロナの影響で使えないマイルへの対応に関しては、各航空会社で柔軟な特別対応がとられている。自分が利用する航空会社ではどのような措置がとられているかをチェックし、必要な対応を確認しておこう。
JAL
JALは、2020年3月26日~12月31日までに「事前登録」をした人限定で、2020年2月29日~2020年12月31日に有効期限が切れるマイルとe JALポイントを「有効期限が1年間のe JALポイント」に変換する。事前登録は、JALマイレージバンク会員画面から行え、登録期間は以下のとおり。
1.2020年2月29日~9月30日に有効期限をむかえるマイル・e JALポイントの場合
⇒2020年3月26日(木)~9月30日(水) ※日本時間
2.2020年10月1日~12月31日に有効期限をむかえるマイル・e JALポイントの場合
⇒2020年10月1日(木)~12月31日(木)※日本時間
JAL/有効期限をむかえるマイル・e JALポイント・JALクーポンの取り扱いについて
ANA
ANAは、2020年3月31日~21年2月28日までに期限が切れるマイルとANA SKYコインに対し、有効期限を21年3月31日まで延長する。有効期限を迎えたマイル・ANA SKY コインは一度失効するが、翌月下旬頃に2021年3月31日(水)の有効期限として同数のマイル・ANA SKY コインが積算される。
ANA/新型コロナウイルスの感染拡大に伴うANAマイレージクラブからのお知らせ
デルタ航空
「メダリオン会員」に対し、2020年の資格を2021年末まで延長。また、上位会員になるための「メダリオン資格マイル」のプログラムも、現在取得済のものは2021年度末まで、今年取得予定のものは2022年へ繰り越す。
ユナイテッド航空
上級会員の「2020プレミアステータス」に対して、22年1月31年までのステータス維持を保証。また、21年のステータス獲得プログラムについて、プレミアム資格の基準を通常の半分へ引き下げる。
文/oki