ワークスタイルは不可逆?今後も在宅ワークを継続したいという人は62.5%
「テレワーク」の取り組みが加速により、私たちのワークスタイルに大きな変化が訪れた。そこでファクトリエはワークスタイルの変化や課題、良かったことなどについてアンケート調査を実施した。
60.1%が今回初めて在宅ワークを導入
事前項目として在宅ワークの実施状況について質問したところ、以前から在宅ワークを導入していた人が26.3%と約1/4を占めた一方で、今回初めて導入したという人が60.1%と過半数を占め、また特に男女に差異はなかった。
初めて導入した人を職業別に見ると、営業職が22.6%で1位、次いで事務職が20.6%という結果に。
通勤しないのは楽だが、実務の効率では出勤に軍配
「在宅ワークを実施してみた感想 」について5項目を質問した。
在宅ワークは通勤しないのが楽と回答した人が89.7%とほとんどの人が通勤しないことにメリットを感じる一方で、実務に関しては50.0%の人が出勤した方が仕事が捗る(そう思わない人は24.2%)、69.7%が何かしらの課題・悩みがあると回答。さらに在宅ワークの方が集中できると答えた人42.8%と過半数以下にとどまった。
ただ、戸惑うと回答した人はとても当てはまる、どちらかといえば当てはまると合わせても31.1%であることから、在宅ワークが初導入直後のタイミングであることから、自分らしいワークスタイルの確立ができていないこと、環境が整っていないことなどに課題があることがわかる。
着る服は92.8%がカジュアル化
「在宅ワーク時の身だしなみ 」について洋服と髪の毛・化粧の2項目を聞いてみた。
・新しい日常では仕事着のニーズも変わる!~男女ともに洋服は着替えても圧倒的にカジュアルへ~
在宅ワーク時の洋服は毎日必ず全身着替える人が72.9%。洋服を着替えることは一つのスイッチとなっているようだ。しかし、それでも通勤時よりもカジュアルという人が92.8%(全体の62.4%)に達した。
一方で、テレビ会議のときのみ着替える人は22.8%。たとえテレビ会議があったとしても10人に1人が下半身は着替えていないという結果に。
さらに全体で見たときに在宅ワークで着替え部分だけ見ても、出勤時よりカジュアルもしくはリラックスできる服という人は77.7%にまでのぼり、求められる仕事着が新しい日常では大きく変わることがわかった。また全項目においてこの傾向に男女の差異はほぼなかったが、毎日着替える人の場合は女性の方が8%ほどカジュアル志向が強いという結果になった。
ヘアメイクは必ず毎日整える派が多いが、男女に大きな違いが
髪の毛やメイクを出勤時と同じくらいまで整える人は22.3%と洋服の4.8%に比べて4.6倍だったが、ただし、毎日必ず整える人の合算は65.2%と洋服の72.9%を大きく下回った。
毎日必ず整える派の全体にしめる割合は男性65.8%、女性66.3%と大きな差異は認められなかったものの、その内訳に男女で大きな差異が認められた。男性は毎日必ず整える派のうち41.6%が出社と同じくらいまで整えるというに対し女性は27.7%と大きく下回り、整える物の休日と同じ程度が72.3%を大体数を占めた。
やはり女性にとって、髪の毛はもちろんメイクに関して、仕事で実際に対面で人と会うのと画面を通じて会うのには、大きな差があると感じていることが想像できる顕著な結果となった。
仕事に入るルーティーンはコーヒーを飲むが人気。中には自宅で社員証をかける人も
「在宅ワーク時、仕事を始めるとき、集中したいときのルーティーン(自分の中での決め事)や切替スイッチのグッズはありますか?」という質問を自由解答で聞いたところ、68.4%が何かしらを回答。仕事に集中するために様々な工夫をしていることがわかった。
「通勤」「時間の使い方」「コミュニケーション」に関するメリットを回答する人が多かった。
一番多く頻出したワードは「通勤・通勤時間」
やはり「通勤しなくて良いのが楽」と答えた人が多かったことからも予想できる結果に。ただし、「通勤しないことが楽」「通勤のストレスがない」というだけではなく、「通勤しなくてよくなった分の時間が有意義に使える」という内容が多く見受けられた。
家族や子供とのコミュニケーションの時間が増え、一緒に食事を取れるようになった、という家族との豊かな時間が増えたというメリットを感じる人が多いようだ。
また家事をする時間が取れるようになったという意見も多かった。一方で仕事に関しては、遠方でもテレビ会議などにより身近に感じられるようになった、同僚や上司とも密・フランクに話せるようになった、というネットでのコミュニケーションをメリットとしてあげる回答がある。
在宅ワークを継続したい人 62.5%!もはやワークスタイルは不可逆!?
「在宅ワークと出勤を選べるなら、在宅ワークを継続したいですか? 」と聞いたところ、なんと62.5%の人が継続したいと回答。さらに「とてもそう思う」だけでも39.4%に達した。逆に継続を望まない人は16.8%にとどまる。
今回必要に迫られて初めて在宅ワークをした人がほとんどだったが、実際に導入してみて、課題はあるものの、享受できるメリットの方を強く感じる人の方が多いようだ。
また望まないが少なかったことからも、現在「なんとも言えない」と回答している人たちも、現段階ではまだ導入したばかりで課題解決ができていないので・・・という心理が透けて見える。
現在見えている課題を上手に解決すれば、「在宅ワーク」という言葉がなくなるほど、出社せずに仕事をすることが当たり前のようになるかもしれない。もはやワークスタイルは不可逆とも言える。
アンケート調査概要
調査期間:2020年4月15日(水)~2020年5月5日(火)
調査方法:GoogleFormを利用した自社インターネット調査 (全10問)
調査対象:日本全国の在宅勤務経験者
有効回答数: 370名
構成/ino.