新型コロナウィルス感染拡大により「好影響」と回答する人は約80%
新型コロナウイルスによって多くの人命が奪われ、経済は大きな打撃を受けるなど、人々の生活にさまざまな影響を及ぼしている。
しかし、新型コロナウイルスによる外出自粛や働き方の変化をきっかけに、図らずもわたしたちが自身の仕事や生活、価値観と深く向き合うことになった。
今後もアフターコロナの「新しい生活様式」と向き合っていくなかで、価値観や考え方、意識はどのように変化していくのか?
今回はワークポートが全国の転職希望者365人を対象に実施した「新型コロナウイルスがもたらした価値観の変化」についてのアンケート調査結果を見ていきたい。
約80%が自身の価値観に「変化あり」好影響と回答する人はなんと約80%!
まず、新型コロナウイルスが自身の価値観に変化を与えたと感じるか聞いたこところ、「はい」と回答した人が75.3%、「いいえ」と回答した人が24.7%となった。
新型コロナウイルスがもたらした価値観の変化は自身にとってどのようなものだと感じるか聞いたところ、「とても良いものだと感じる」(24.1%)、「やや良いものだと感じる」(51.2%)とする人は合わせて75.3%となり、「やや悪いものだと感じる」(18.6%)、「とても悪いものだと感じる」(6.0%)とする人は合わせて24.6%となった。
約80%が新型コロナウイルスの感染拡大により価値観や意識、考え方に変化があったと回答しており、またその変化が自身にとって良いものだと考えている人も多いことがわかる。新型コロナウイルスは国民の生活や経済に甚大な影響を及ぼしているが、その一方で、未曾有の事態のなかで新たに生まれる価値観や考え方は必ずしも悪いものではないということが感じられる結果となった。
新しいことを始めた人が半数以上!図らずも自身の生活にゆとりを持てた人たちも
対象者に、新型コロナウイルスによる外出自粛をきっかけに、仕事に関することで始めたことはあるか聞いたところ、「はい」と回答した人が51.2%、「いいえ」と回答した人が48.8%となった。次に、生活に関することで始めたことはあるか聞いたところ、「はい」と回答した人が51.0%、「いいえ」と回答した人が49.0%。
仕事に関することで具体的にどんなことを始めたのか聞いたところ、「安心して働くことができる環境を求めて転職活動を始めた」(40代・男性・機械系エンジニア)、「今の業種は先が全く見えないため、転職を考えるようになった」(40代・男性・接客販売)、「資格取得に向けて勉強を始めた。時間差出勤や隔週出勤になり、今まで業務に充てていた時間で勉強する余裕ができた」(30代・女性・事務)といった、危機感から転職活動を始める人や働き方の変化により空いた時間で資格の勉強に励む人の意見が多く挙がった。
また、「テレワーク時代の社会の流れに順応するため、できることはスマホやネットを使ってやるようになった」(30代・男性・製造)といった、新型コロナウイルス感染拡大によって急速に進んだテレワークや業務のデジタル化に対応しようとする人の意見も散見された。
さらに、「経済面に不安を感じ、自作アクセサリーの通販を始めた」(20代・女性・医療福祉)、「知人の勧めで趣味を副業にできないか模索し始めた」(30代・女性・事務)といった、経済面の不安などから副業を始める人も見られた。
次に、生活に関することで具体的にどんなことを始めたのか聞いたところ、運動や自炊が多く挙がったほか、「家族と気軽にビデオ通話をするようになった」(30代・男性・コールセンター)、「自分の両親や兄姉家族を交えたビデオ通話をしている。文字だけのやり取りより伝わるものが多く助かっている」(40代・男性・その他)、「休日以外でも家族と過ごす時間を大切にするようになった」(30代・男性・企画マーケティング)、「外食ができないので、ホットプレートなどで家族と楽しみながら調理するメニューが増えた」(30代・女性・事務)といった、家族との時間をより大切にするようになったと回答する人が多く見られた。
また、「人と繋がれるためオンラインゲームを始めた」(20代・女性・事務)といった意見もあり、社会的距離をとる必要が出たことで、心理的に家族や友人など人とのつながりを求める人が増えたのかもしれない。
さらに、「掃除や読書。これまでは家にいる期間が少なかったためできなかった」(20代・女性・システムエンジニア)、「布団を頻繁に干すようになった。出社している時は帰宅が23時になることも多くあまり干せなかった」(30代・女性・企画マーケティング)、「片付けや整理整頓など、家のことに目を向けるようになった」(30代・男性・その他)といった意見も挙がった。
今回の調査では、これまで家族と過ごす時間や家事をする時間、自分の時間などを十分にとれず、外出自粛やテレワークへの移行によって初めて時間に余裕ができた人も多く見られた。
新型コロナウイルス終息後も今回新たに始めたことを継続したいか聞いたところ、仕事・生活ともに「継続する予定」、または「できれば継続したい」と回答した人が約90%。図らずも自身の生活にゆとりを持てるようになり、これまでの仕事や生活を見直すことになった人も多いのではないだろうか。
時間の使い方を見直す人も「分刻みで時間に追われる生活をやめられた」
対象者に、新型コロナウイルスによる外出自粛をきっかけに、仕事に関することでやめたことはあるか聞いたところ、「はい」と回答した人が23.8%、「いいえ」と回答した人が76.2%となった。次に、生活に関することでやめたことはあるか聞いたところ、「はい」と回答した人が25.8%、「いいえ」と回答した人が74.2%。
仕事に関することで具体的にどんなことをやめたのか聞いたところ、外出を伴うランチや飲み会、会議や打ち合わせといった回答が多かった。また、書面での契約やハンコを押す業務などをデジタル化する動きも見られた。
さらに、「営業先に長時間滞在するのは時間の無駄だと感じた。準備に注力して作業時間を最短で行ったら効率が上がった」(20代・女性・営業)、「会社の人と会話が減っても気にしないようになった。ソーシャルディスタンスのメリットだと思う」(30代・男性・クリエイター)といった意見も見られた。
次に、生活に関することで具体的にどんなことをやめたのか聞いたところ、「タバコの本数を減らし、極力喫煙所には行かないようにした」(20代・男性・クリエイター)、「包装せずに陳列されている食品の購入をやめた」(30代・男性・接客販売)といった、感染防止対策をする人の意見や、「分刻みで時間に追われる生活をやめられた」(40代・女性・営業)、「外出自粛をきっかけに仕事終わりの寄り道をやめたが、無駄な時間だったとわかり現在もやめている」(20代・女性・営業)といった、時間の使い方を見直す人の意見も見られた。
約60%がアフターコロナは「新しい生活様式」になると予想
アフターコロナは、新型コロナウイルスが流行する前のような生活が戻ってくると思うか聞いたところ、「戻ってくると思う」と回答した人が19.2%、「戻ってこないと思う」が56.4%、「どちらともいえない」が24.4%となった。
半数以上が、今後新しい生活様式になっていくだろうと予想している一方で、以前のような生活が戻ってくると考えている人も20%ほどいることがわかる。今後はニューノーマルの世界が到来すると言われているが、未だ予測がつかない状態は続いているようだ。
今回の調査では、多くの人が新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに価値観が変化し、それが自身に好影響を与えていると感じている人も多いことがわかる。
調査概要
調査内容 :新型コロナウイルスがもたらした価値観の変化について
調査対象者:当社を利用している全国の転職希望者(20代~40代の男女)
有効回答 :365人
調査期間 :2020年5月26日~6月2日
構成/ino.