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日本人によくありがちな外国人社員とうまく仕事ができない理由

2020.09.16

令和元年10月の厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況まとめによれば、外国人労働者数は165万8804人。

前年同期比13.6%増加し、平成19年に届出が義務化されて以降、過去最高を更新しました。

すでに職場に外国人の同僚がいるという人も多いのではないでしょうか。

「2018年12月には入管法(入国管理及び難民認定法)改正案が国会で成立し、新たな残留資格が創設されました。コロナ禍の影響で、日本企業の採用意欲が一時的に減退しているといわれますが、日本社会は急速に人口が減り続けていますし、いまでも人手が極端に足りない業種は少なくありません。今後も外国人材の必要性が減退することはなく、アフターコロナに外国人雇用が再び勢いを増すのは間違いないでしょう」と、外国人材コンサルタントの千葉祐大さんは言います。

しかし、このように職場に外国人労働者が増える一方で、はじめての外国人材にとまどう日本人が増えていると言います。

「外国人社員と日本人社員がうまく仕事ができない理由は、外国人社員に問題があるのではありません。むしろ相手を理解しようとしない日本人社員側に責任があることが多く、異文化の受け止め方ややり方次第で解決できるケースが多いのです」

外国人材コンサルタント、一般社団法人キャリアマネジメント研究所代表理事の千葉祐大さんの「異文化理解の問題地図」から、外国人社員とうまく仕事を進めるコツを紹介します。

日本人社員によくある外国人社員とうまく仕事ができない理由

外国人社員と仕事をする日本人社員から寄せられる悩みは以下のようなものが多いと千葉さん言います。

「言ったとおりにやらない」
「いつも中途半端な仕上がり」
「優先順位のつけ方がおかしく、期限を守らない」
「個人プレーが目立ち、チームで仕事をしようとしない」
「空気を読まない」
「自分が悪くても謝罪の言葉を述べない」
「突然辞める」

日本人社員からすると「なぜ?どうして?」と思うようなことが起こり、そのため仕事に手戻りが発生することが多いのだそうです。

しかし、このような問題は日本人社員が外国人社員の考え方や習慣を理解していないために発生することが多いと千葉さんは指摘します。

日本人社員が外国人社員とうまく仕事をするコツ

千葉さんは外国人社員とうまく仕事をするコツとして以下のような方法を提案しています。

指示が正しく伝わらない時

日本では「1を聞いて10を知る人」が賞賛される傾向があります。しかし、外国人社員にはそもそも1から10をくみ取ろうなんて意識がないことが多いのだそうです。

特に、日本人は「うまく意思疎通が図れないのは、外国人社員の日本語能力と日本のビジネス習慣に対する理解度が低い」と聞き手責任のコミュニケーションスタイルをとりがちですが、残念ながら「伝えるスキルが低い日本人社員」が多いことが原因であることが多いと千葉さんは指摘します。

このような時には「重要なことは最低3回繰り返す」「はっきり、具体的に、細かく伝える」「理由と目的を必ず伝える」などの方法が有効だそう。

「いつまでにこれをやってください」と一度言うだけでなく、「締め切りは1週間後です」「明日までですよ、分かりましたか」など3回ほど確認すると指示が伝わりやすくなるそうです。

主張が多いと感じる時

「あなたの今期の評価はBでした」と外国人社員の部下に伝えたところ「なぜAではないのですか。この評価は受け入れられないのでもう一度検討してください!」と主張が。

日本人社員ならこのような主張はしないことが多いのですが、外国人社員ではよくあること。

「ほぼ単一民族の日本人は、お互いの価値観が近いため、調和を優先して言葉のぶつかり合いを避けようとする傾向があります。一方多民族国家は言葉を重ねるのが基本。まず自分の意見をストレートに口に出し、相手の反応を見ながら次に何を言えばベストかを考えます。激しい競争社会の中で生きてきたので、人より優位になること、人から抜きんでることは当然で、競争に勝つためなら周囲からどう思われようとおかまいナシなのが常道なのです」と千葉さん。

このような時には「ほめること」「例外を作らないこと」「理由を3つ重ねる」などの対応が有効だそう。

「今回は例外的に検討します」といった例外を作らず、できない理由を3つほど重ねて伝えることで納得してくれることも多いそう。

空気を読めないと感じる時

会社の繁忙期であるにもかかわらず「明日からプライベートな用事で1週間休暇を取りたい」などと外国人社員からの要望が。

会社の繁忙期なら当然休暇は取らないという会社の空気を読んでほしいと日本人社員は感じてしまう傾向がありますが、外国人社員は「日本人が求めるレベルの空気を読めない」というのが正解です。

「多民族国家出身の外国人は、はっきり、きっぱり表現するのが基本。伝達方法は、空気ではなく、あくまで言語。そのため、相手の言葉を字義どおりに受け取ります」と千葉さん。

このような時には「ルールを「見える化」する」」「「やってほしいこと」と「やってほしくないこと」など上司のこだわりを言語化する」「日本人の本音を教える」などの対応が有効だそう。

外国人社員にとって「日本人の建前と本音」の使い分けは難解なのです。外国人社員に行間をくみ取って行動してもらうことを期待するより、行間をくみ取らなくても分かるような伝え方を考えるとうまくいくそうです。会社の繁忙期に休暇は取らないでほしい、何日にずらしてもらいたいなど会社の暗黙のルールをストレートに伝えた方が外国人社員には伝わりやすくなるでしょう。

外国人社員とうまく仕事をしよう

「受け止める側の捉え方次第で外国人材をめぐる問題の本質やレベルはいかようにも変わる」と千葉さんは言います。

千葉さんの書籍では、上記の方法以外にも日本人とは文化の違う世界で育った外国人社員との付き合い方を具体的に分かりやすく紹介しています。

外国人社員の多い会社で働く機会のある人や、外国人社員とうまく仕事ができないと悩んでいる人の参考になるのではないでしょうか。

【出典】
千葉祐大著
「異文化理解の問題地図 ~「で、どこから変える?」グローバル化できない職場のマネジメント(技術評論社)」
https://www.amazon.co.jp/dp/4297104156/

取材・文/平塚千晶

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