建設業界ではどんな内容の研修をどれくらいの期間、行っているのだろうか?また、その中で身につくスキルとは?
そんな「建設業の新卒研修」に関する調査がこのほど実施されたので、その結果を紹介していきたい。
なお本調査は、株式会社アーキ・ジャパンにより、建設業界の新卒研修担当を経験したことがある1,048人を対象にして行われている。
建設業界の研修で身につけさせたいこと、1位は「ビジネスマナー(75.5%)」
はじめに、「どのような研修を行っていますか?(複数回答可)」と質問したところ、「会社の理解を深める研修(55.4%)」と回答した人が最も多く、以降、「ビジネスマナー研修(41.0%)」「業界研修(36.7%)」「実技(25.6%)」「グループワーク(23.6%)」と続いた。
では、どのくらいの期間研修を行っているのだろうか?
調査の結果、「2週間未満(38.4%)」と回答した人が最も多く、次いで「2週間以上~1か月未満(31.8%)」「1か月以上~3か月未満(22.0%)」「3か月以上~半年未満(4.6%)」「半年以上(3.2%)」となった。1か月以内に終わる企業がほとんどのようだ。
また、「建設業として外せない研修内容」を問うと、次のような自由回答が寄せられた。
・技術力向上研修。命に関わるから(30代/男性/福井県)
・基礎的な建築関連法とコンプライアンスの意識の定着。これがないと重大なロスやミスを起こすことにつながるため(40代/女性/大阪府)
・人との関わりが多いのでコミュニケーション能力の研修を行う(40代/女性/北海道)
・現場で業者さんとの対面業務(50代/男性/宮城県)
・施工図作成。施工図がわからないと現場が進められない(50代/男性/奈良県)
続いて、「研修を通して何を身につけさせたいですか?(上位3つ)」と質問したところ、「ビジネスマナー(75.5%)」と回答した人が最も多く、以降、「技術力(72.8%)」「コミュニケーション能力(66.3%)」「理念の浸透(58.2%)」「発想力(25.4%)」と続いた。
施工管理や設計、営業や事務管理など、多くの部門のスタッフと関わる建設業では、ビジネスマナーやコミュニケーション能力が必要と考える人が多いようだ。
研修をする上での悩みや課題は?
「研修をする上での悩みや課題は何ですか?」と質問したところ、「配属後に研修内容が活かしきれていない(31.9%)」と回答した人が最も多く、次いで「研修内容が浸透しきれていない(30.2%)」「職場と連携が取れていない(25.8%)」「どのような研修内容にしたら良いかわからない(10.1%)」となった。
具体的な苦労話としては、以下のようなエピソードが寄せられた。
・時間が短く、中途半端になった(30代/男性/山口県)
・研修を受ける新入社員が退屈せず理解を深められるにはどのようにしたらよいか(30代/女性/神奈川県)
・研修生の意識の低さ(40代/女性/福岡県)
・わかりやすい資料作成(50代/男性/福岡県)
最後に、「現在行っている研修以外で取り入れたい内容はありますか?」と質問したところ、「ジョブローテーション(25.8%)」と回答した人が最も多く、以降、「チームビルディング研修(20.0%)」「コンプライアンス研修(18.6%)」「メンタルヘルス研修(16.4%)」「研修合宿(16.3%)」と続いた。
何種類かの業務を経験してその人に合った職種が見つかるような研修や、チームになって一つの課題に取り組むような実践的な研修を取り入れたいと思う人が多いことがわかった。加えて、最近厳しくなっているコンプライアンスについての研修も取り入れたいと思っている人も少なくないようだ。
<調査概要:「建設業の新卒研修」に関する調査>
【調査期間】2020年4月10日(金)~ 2020年4月13日(月)
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】1,048人
【調査対象】建設業界の新卒研修担当を経験したことがある方
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ
出典元:株式会社アーキ・ジャパン
https://akijapan.co.jp/
構成/こじへい