DIME MAGAZINE
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『体育の日』は国民の祝日の一つと知っていても、由来や目的について詳しく知らない人もいるのではないでしょうか？体育の日の始まりや目的から、名称や日程が変更になった理由についても紹介します。祝日についての理解を深めましょう。
体育の日の始まりと由来
国民の祝日には、それぞれ起源や由来があります。『体育の日』には、どのような由来があるのでしょうか？体育の日の始まりや歴史的背景を紹介します。
由来は1964年の東京オリンピック
1948年に『国民の祝日に関する法律』が施行されたときには、体育の日はありませんでした。これは、体育の日が制定された経緯と関係しています。
体育の日の由来は、64年に開催された東京オリンピックにあります。日本で開催される初めてのオリンピックだったため、それを記念して制定されたのです。
10月10日は開会式の開催日
体育の日が制定された当初、その日にちは10月10日でした。夏のオリンピックが開催されたはずなのに、なぜ秋に体育の日が制定されたのかと疑問に感じている人もいるかもしれません。
実は、64年の東京オリンピックは秋に開催されており、その開会式の開催日が10月10日だったのです。諸説ありますが、この日は長雨を降らすことが多い秋雨前線が去り、晴天になると予測されていたため、開会式に選ばれたといわれています。
1966年に祝日として制定
体育の日が国民の祝日として制定されたのは、64年に東京オリンピックが開催された年ではありません。それから2年後の66年に公布された『国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律』によって制定されました。
同年に制定された国民の祝日には、2月11日の『建国記念の日』と9月15日（2003年からは9月第3月曜日）の『敬老の日』があります。
体育の日の目的や行事
体育の日にはどのような目的があるのか、また、この日に行われている行事についても紹介します。家族でそれぞれの祝日の意味を考えて、1日を過ごすのもよいのではないでしょうか。
体育の日の目的
どのような趣旨や目的で祝日が制定されたのか、知らない人も多いでしょう。体育の日の目的は、「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」ことです。また、国民のスポーツについての理解や関心を深めることや、スポーツを積極的に行う意欲を高め、より健康を意識するという趣旨もあります。
※衆議院「法律第八十六号（昭四一・六・二五）」より引用
学校の『体育』の授業の目的も、体育の日の目的と近いものがあります。体育は、「生涯にわたって運動やスポーツに親しむのに必要な素養と健康・安全に生きていくのに必要な身体能力、知識などを身に付ける」ための教育なのです。
現在では、初夏に行われることも多い学校行事の『運動会』ですが、一時期は体育の日前後に設定されることが多かった背景には、体育の日の目的が影響していたと考えられます。
※「2．体育の目的の具体的な内容－すべての子どもたちが身に付けるべきもの－：文部科学省」より引用
スポーツイベントが多数開催
祝日の目的に合わせて、全国各地でスポーツに関連したフェスティバルなど興味深い行事が開催されています。
オリンピックやパラリンピックの選手たちの競技を見学したり、指導を受けられたりするイベントも多数あります。お笑い芸人が参加するイベントや子どもに人気のキャラクターショーなどがあるイベントも人気です。
中でも日本オリンピック委員会が開催している『スポーツ祭り』は、1万人以上の来客がある大きなイベントになっています。トップアスリートとジョギングや運動会ができたり、陸上競技・水泳・サッカー・テニス・体操など、さまざまなスポーツの指導を受けられたりします。
アスリートのトークショーやお笑い芸人のステージ、充実した飲食コーナーもあるため、子どもから大人まで体を動かしながら楽しい時間を過ごせるでしょう。
日程変更および名称変更の経緯
体育の日は、20年から『スポーツの日』に名称が変更になり、オリンピック開催に関連して日程も移動になりました。名称や日程の変更には、どのような経緯があったのでしょうか？
ハッピーマンデー制度で10月第2月曜日に
制定時は10月10日だった体育の日は、03年から10月の第2月曜日に変更になりました。これは、国民の祝日の一部を月曜日に移動させる『ハッピーマンデー制度』によるものです。
ハッピーマンデー制度は、週末と祝日をつなげることで3連休を作ることが目的です。3連休にすることで、コストをかけずに旅行業やレジャー業を活性化させるのが狙いとされています。
ハッピーマンデー制度により月曜日に移動になった祝日は、体育の日だけではありません。『成人の日』は1月の第2月曜日、『海の日』は7月の第3月曜日、『敬老の日』は9月の第3月曜日に変更になり、それぞれ3連休となっています。
2020年から「スポーツの日」に名称変更
関心の高いオリンピックに関連しているため、多くの人が既に知っていると思いますが、20年に体育の日は『スポーツの日』と名称が変更になりました。これは、同年に日本で行われる予定だった2度目のオリンピックを記念するという趣旨があります。
その目的は、『スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う』ことです。改名前と同様に、スポーツの日には全国各地でスポーツに関連したさまざまなイベントが開催されています。
東京オリンピック開催の影響で日程移動
スポーツの日は、本来10月の第2月曜日です。しかし、20年に限り東京オリンピック開催に伴う準備や運営を円滑に行うために、オリンピックの開会式が行われる予定だった7月24日に移動になったのです。
7月の第3月曜日の『海の日』も開会式の前日である7月23日に移動になっており、土日を含めて4連休となっていました。また、8月11日の『山の日』も閉会式翌日の8月10日に移動されています。
なお、東京オリンピックが延期になったことで、21年も三つの祝日の日程が変わる可能性があります。その場合には、海の日は開会式前日の7月22日、スポーツの日は開会式当日の23日、山の日は閉会式当日の8月8日（翌9日が振替休日）になる見込みです。
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構成／編集部
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