贅沢品(個人的感想)が人生史上最高に安い!
外観も世間の角打ちとは違う店だけじゃなく、置いてある酒の中心銘柄はそれ以上に世間とは一線を画した店だったのだ。
なんとクラフトビールが中心の角打ちだったのだ!
最近のネオ角打ち的なオシャレな店ではクラフトビールを売りにしてる所もあるかもしれない。タップもあったりするような。だけど、こういう見た目フツ~の店……いやいや角打ちとしてはフツ~じゃないんだけど、なんかお店としてどこにでもありそうなフツ~の外観の店が、クラフトビールを何種類も置いていて、それ売りにしてるってのには驚いた。
厚木にはもともと“サンクトガーレン”っていう老舗クラフトビールブリュワリーがあるんで、それでらしいんだけど、クラフトビールの角打ちっていうのは素直に嬉しい!
オレね、普段ビールって呑まないの。貧乏臭いけどアルコール度数に比べてお高いっていう理由で。でもクラフトビールだとIPAなんかはアルコール度数も高いから安かったら呑みたい! でも日本でクラフトビールを店で呑もうとするとやっばり高い! だから呑まない……つうか呑めない! 贅沢品ってことだ。
しかし、ここなら売値で飲めるんだよね~。たまに角打ちでも店内で呑む時は売値プラス回栓料を撮る店があるけど、それもない! そしてそのお値段は“サンクトガーレン”の瓶のレギュラー商品のクラフトビール(330ml)で380円から!! これはクラフトビールを外で呑む価格として破格ですよ!
で最初は380円のIPAでも呑もうかと思ったんだけど、どうやら季節商品っていうか、このご時世商品っていうんすかね? 『アマビエIPA』ってのがあったんですよ。“アマビエ”ってのは知ってると思うけど、このコロナ禍の中流行ってる疫病退散の妖怪ね。
有名な漫画家の人が描いたアマビエのイラストがラベルに張られてて、“利益を「新型コロナウイルス感染症:拡大防止活動基金」に寄付する”っていうんで、これは呑んでおいた方がいいだろうと、ちょっとお高い……といってもクラフトビールとしてはやっぱり安い460円だったけど、呑んでみた。
いや~丁寧に作ってるインディアンペールエール!!
ちなみに、酒とかタバコとか売ってる奥に3畳くらいの呑み用スペースがあって、呑む人はここで立って呑むことになる。そこで、いや~本厚木はさっきブラブラしてたら南口の方には名物のシロコロホルモンとか喰える渋い焼肉屋もあったし、呑む人間にしてはそうとう面白い街だなぁ~と感服しつつ『アマビエIPA』を空け、もう一本、ココアのように濃厚なブラウンポーター、これは380円を呑んで、店を後にした。角打ちなんでダラダラいるのも粋じゃないし。
いや~、偶然こんな店を見つけるとは、仕事相手が待ち合わせに遅れたことに心底感謝!
あと『フランツィスカーナー』とか『フレンスブルガー』なんつうドイツの銘柄もありました。
本厚木で呑む! なんてことになったら0次会に最強だろうな、ココ。
文/カーツさとう
コラムニスト。グルメ、旅、エアライン、サブカル、サウナ、ネコ、釣りなど幅広いジャンルに精通しており、新聞、雑誌、ラジオなどで活躍中。独特の文体でファンも多い。