プリンターを選ぶ時に「インクジェットプリンター」「レーザープリンター」といった言葉を耳にすることが多いだろう。家庭用プリンターの中心は価格が比較的安いインクジェットプリンターだが、ビジネスユースで主流のレーザープリンターにも魅力がある。今回は家庭用プリンターの選び方や、レーザープリンターを中心としたおすすめ製品を解説する。
用途に合ったものを選ぼう! 家庭用プリンターの選び方
プリンターには、カラー印刷ができるタイプとモノクロ印刷のみのタイプ、コピーやスキャン、FAXなどもできる複合機、Wi-Fi接続可能な機種など様々なモデルがあるので、各製品の特徴を踏まえて自分に合ったものを選ぼう。
また、家庭用プリンターといえばインクジェットプリンターが一般的だが、レーザープリンターという選択肢もある。まずはこれらの違いを解説しよう。
【参考】コスパ最強の低価格モデルから写真、年賀状印刷に強いモデルまで!家庭用プリンターのおすすめ12選
家庭用プリンターの主流「インクジェットプリンター」とは?
まずは一般的なインクジェットプリンターについて、仕組みや特徴を見ていこう。写真を美しく印刷でき、コンパクトで本体価格が安いモデルが豊富なインクジェットプリンターは、家庭用として人気が高い。
インクを吹き付けて印刷するインクジェットプリンター
インクジェットプリンターは、液体インクを紙などに吹き付けて印刷する。シンプルな構造のため、レーザープリンターより本体価格が安いモデルが一般的だ。
カラーインクは少ない場合4色だが、現在の主流は6色。上位機種では10色以上を採用するものもあり、微妙な色合いの違いも再現できる。美しい写真を印刷できるのはインクジェットプリンターの特徴だ。
印刷スピードでビジネスユースに人気の「レーザープリンター」とは?
レーザープリンターはビジネスユースでは用いられることが多い。高価な印象があるものの、家庭用としておすすめしやすいリーズナブルな製品もある。また、印刷スピードはインクジェットプリンターよりもレーザープリンターのほうが早い傾向にあるので、大量の書類を印刷する家庭におすすめだ。
複数のプロセスで印刷するレーザープリンターの仕組み
インクジェットプリンターのインクに相当するものはトナーという粒子のことを指す。レーザープリンターの印刷の仕組みを簡単にご説明しよう。
1.帯電・露光
まず、感光ドラムの表面にマイナスの静電気を帯びさせておき、レーザー光で感光ドラムに画像を描く。レーザー光が当たった場所は静電気がなくなるのだ。
2.現像・転写
そして、トナーを感光ドラムへ近づけると、静電気のない箇所にだけトナーが付着する。その感光ドラムを印刷したい用紙に密着させて、用紙の裏側からプラスの電荷を与えると、描かれたトナーが用紙に移る。
3.定着
トナーが転写された用紙に熱と圧力を加えることで、トナーを用紙に定着させる。レーザープリンターを出たての用紙が何となく温かいのはこのためだ。
カラーレーザープリンターのトナーは4色が主流
インクジェットプリンターの場合、発色を鮮明にするためにインクの色数を増やすことがあるが、レーザープリンターの場合、シアン/マゼンタ/イエロー/ブラックの計4色が主流だ。
インクジェットプリンターは本体価格が安く、レーザープリンターは印刷コストが安い傾向あり
インクジェットプリンターは本体価格が安い傾向にあるが、実は1枚あたりの印刷コストはレーザープリンターのほうが安い場合が多い。ただし、インクやトナーの価格も考慮する必要があり、価格面については、自分の使用スタイルなどを総合的に判断するといいだろう。
単機能機と複合機、どちらのプリンターを選ぶ?
家庭用にプリンターを選ぶ際に、コピーやスキャンもできる複合機を選ぶか、印刷だけができる単機能機(単機能プリンター)を選ぶかという悩みがある。単機能プリンターには、機能を省いた低価格の製品もあれば、高精細の印刷を追及したプロ仕様の高級機も存在する。
設置場所を左右する家庭用プリンターとパソコンの接続方法
家庭用プリンターとパソコンはケーブルで接続もできるが、Wi-Fiに対応した機種なら無線でつなげて便利だ。同一回線のWi-Fiが届く範囲内なら部屋のどこにでも置けるし、複数のパソコンでプリンターの共有も簡単にできる。
家庭用を選ぶなら要チェック! プリンターおすすめメーカー
ここからは、家庭用プリンターのおすすめメーカーを紹介する。各メーカーの特徴を知って、製品選びの参考にしてほしい。
インクジェットプリンターのツートップ! 写真画質に優れたエプソン
エプソンは、写真印刷の画質の高さに定評がある。例えばカラリオシリーズの上位機種である「EP-884」の場合、シアン/マゼンタ/イエロー/ブラックの基本4色に加えて、ライトシアンとライトマゼンタの2色を加えた計6色のインクを採用。高品質の印刷が可能で、素肌や空の色合いをなめらかに再現できる。
【参考】エプソン「EP-884」
染料と顔料を組み合わせて、文書に強いインクジェットプリンターをリリースするキヤノン
高級一眼レフカメラからプロジェクターまで、優れた光学機器を生み出すメーカーとして名高いキヤノンの家庭用インクジェットプリンターの特徴は、グレーインクや文字印刷に強いブラックの顔料インク搭載に力を入れていること。文書を印刷する機会が多い人にも安心だ。
キヤノンの家庭用プリンターはアプリも充実
キヤノンはプリンターに対応するアプリも充実していて、写真のレイアウトやコラージュなどが手軽に楽しめる。パソコン用として「Easy-PhotoPrint Editor」や「My Image Garden」など、スマホ用は「Creative Parkアプリ」や、スマホ/タブレットから文書が印刷できる「Canon PRINT Inkjet/SELPHY」など、アプリのラインアップは豊富だ。。
キヤノンの家庭用プリンターのドライバーインストール方法
インクジェットプリンターを使用するためには、プリンターを制御する「ドライバー」と呼ばれるソフトウェアが必要となる。ドライバーは製品付属のCD-ROMからインストールできるが、ホームページから最新バージョンのダウンロードもできる。
大容量インクカートリッジで印刷コストも安いブラザーのプリンター
ブラザーのプリンターはコピーやスキャンに加えて電話やFAXの機能まで付属した複合機が充実している。さらに、印刷スピードや耐久性の高さも評判が高い。
写真の「HL-L6400DW」は、分離型トナー&ドラムで約1.4円/枚の低コストを実現したモノクロレーザープリンターだ。1分間に約50枚のモノクロ高速印刷が自慢の一台となっている。
【参考】ブラザー「HL-L6400DW」
また「ファーストタンク」という大容量インクカートリッジを採用する機種もラインアップ。黒なら標準タンクの16本分、カラーなら10本分のインク量を搭載でき、インクカートリッジ交換の煩雑を避けやすい。
家庭用レーザープリンターのおすすめ製品
ここからは、家庭でも使いやすいレーザープリンターを紹介していこう。レーザープリンターは、本体価格こそ高めのモデルが多いが、大量に印刷する場合コストを抑えられるケースがある。印刷スピードも速いので、ヘビーユーザーなら一考の余地ありだろう。
【参考】モノクロ、写真印刷向け、複合機タイプ、家庭用レーザープリンターのおすすめ12選
Amazonで人気のレーザープリンター複合機
キヤノン「MF232w」は、Amazonのレーザープリンター複合機ランキングで上位を獲得する人気製品だ。モノクロ機だが、A4サイズで毎分23枚の高速コピーが可能で、ワイヤレス接続機能が充実しており、スマホやタブレットからのプリントもイージーだ。Amazonで1万5000円以下で購入可能な場合もある。
【参考】キヤノン公式サイト製品詳細ページ
写真もきれいに印刷できるレーザープリンター
写真も印刷したい人におすすめなのは、キヤノン「LBP621C」。鮮明かつ表情豊かな高画質プリントができる機種だ。消費電力量を抑えており、省スペース設計のため家のデスク周りにも設置しやすい。
【参考】キヤノン公式サイト製品詳細ページ
置き場所に困らない小型のレーザープリンター
ブラザー「HL-L2330D」は、初心者でも使いやすいモノクロプリンターだ。レーザープリンターでありながら幅356×奥行360×高さ183mmというコンパクトさが特徴で、デスクサイドにも置きやすい大きさだ。しかも、レーザープリンターかつ複合機ながら、1万円を切る価格で販売されていることもあり、人気に拍車をかけている。
【参考】ブラザー公式サイト製品詳細ページ
低コストを実現したA3対応インクジェットプリンターのおすすめは?
「やっぱりインクジェットプリンターがいい」と思う方に、高コスパなインクジェットプリンターを紹介しよう。
エプソンの「EW-M973A3T」は大容量インク&低印刷コストのA3カラーインクジェット複合機だ。そのため、レーザープリンターからの買い替えでも快適に使えるはず。
大容量のエコタンクを搭載しており、インクもボトルから簡単に補充できる。本体価格はやや高めだが、長く使うほどメリットが感じられるだろう。
【参考】エプソン公式サイト製品詳細ページ
※データは2020年6月中旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。
文/ねこリセット