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ビジネスパーソンは知っておきたい、パワハラ関連の有名な5つの判例

2020.07.20

2020年6月、パワハラ防止法が改正され大企業におけるパワハラ対策が義務化された。これにより、雇う側も労働者側も意識改革が求められるものの、”パワハラの根絶”は容易なことではない。

過去にはパワハラについて争われた裁判が数多く存在する。本記事では、過去のパワハラ関連の判例、自分が訴えられたときの対処法を紹介する。加害者、被害者にならないようビジネスパーソンの新常識として、各判例のポイントを理解しておこう。

上司から部下へのパワハラの判例

はじめに、上司から部下へのパワハラが争われた判例について見ていこう。

JR東日本(本荘保線区)事件

JR職員のAさんは、旧国鉄労働組合の組合員として、そのマークの入ったバックル付ベルトをつけて勤務していた。上司Bから、それを外すように指示があったものの拒否。それにより「労働規則」の書写しを命じられる。

上司Bは手が止まると机を蹴る、叩く、怒鳴るなどの行為を繰り返していた。Aさんはトイレに行くこと、水を飲むことも禁じられてしまう。腹痛で病院に行くことを伝えるも、上司Bはそれも拒否。胃潰瘍の病歴を伝え、ようやく承諾を得られるも、その後Aさんは1週間ほど入院してしまう。

この事実に対し、最高裁は「上司が労働者に対して命じた就業規則書き写し等の教育訓練は、目的や態様において不当なものであり、労働者に肉体的・精神的苦痛を与えてその人格権を侵害する違法なものである」として、上司の不法行為責任・使用者の使用者責任を認め、連帯して20万円の慰謝料と5万円の弁護士費用の支払いを命じた。

出典:厚生労働省 あかるい職場応援団
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/foundation/judicail-precedent/archives/46

A保険会社上司(損害賠償)事件

サービスセンターで働くAさんは、上司Bから「意欲がない、やる気がないなら、会社を辞めるべきだと思います」などと書かれたメールを、Aさんだけでなく同僚全員に送信。Aさんはこのメール送信が不法行為に当たるとし、損害賠償を求め訴えを提起した。

一審では認められなかったものの、二審で損害賠償請求が認めらる。一通のメールでも、損害賠償請求されるケースがあることを示した、代表的な判例の一つだ。

出典:厚生労働省 あかるい職場応援団
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/foundation/judicail-precedent/archives/58

ボーダフォン(ジェイホン)事件

Aさんは異動を命じられたものの、さまざまな理由を伝え拒否する。結局は異動となってしまうが、その間にうつ病になり、最終的に自殺してしまう。遺族は、異動を命じたことでAさんが自殺したと、「安全配慮義務違反」を指摘し裁判を起こす。

名古屋地裁は、うつ病に罹患していたAさんに対する異動の打診と説得の経緯、うつ病の増悪には因果関係にあり、うつ病により自殺に至ったとしながらも、Aさんがうつ病に罹患していることを知らなかった使用者側には予見可能性がなかったため、安全配慮義務違反は認められないとの結論を出した。つまり、この判例ではAさんの家族が敗訴したことになる。

出典:厚生労働省 あかるい職場応援団
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/foundation/judicail-precedent/archives/65

逆パワハラの判例

実は、パワハラは「上司から部下」だけでなく「部下から上司」の言動もその対象となる。部下の言動により上司が被害を被った判例を見てみよう。

渋谷労基署長事件

X社の中間管理職であったAさんの部下Bは、X社を誹謗中傷するビラを親会社Y社の労働組合に持ち込む。X社はAさんらを調査したが、不正の一部が発覚したのはAを含む数名だけ。Aさんは事実関係は認められなかったものの、親会社Z社の手前、処分が下されてしまう。

その後、部下のBは再度Y社上層部にビラを配り、AさんはX社とY社の関係悪化を防ぐため、さらに違う部署へ異動させられてしまう。そして、Aさんは移動先に出社することなく、消息不明となり自殺。

Aさんの遺族は、自殺の原因が「職務中の精神的負荷によるもの」として労災申請をするが拒否されたため、裁判を起こす。裁判所は、X社からの事情聴取により「会社で起きた事故、事件について、責任を問われたこと」を取り上げ、「部下とのトラブル」が心理的負荷となったことを考慮。Aさんが発症したうつ病を業務上の事由として認めた。

出典:厚生労働省 あかるい職場応援団
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/foundation/judicail-precedent/archives/4

同僚同士のパワハラの判例

「上司から部下」「部下から上司」はもちろん、同僚同士でもパワハラに該当してしまうケースもある。ここで紹介するケースは、男性が女性を殴打するという傷害事件ではあるが、それ以外に言葉によるいじめ・いやがらせのような行為もパワハラになる可能性があるため十分注意したい。

アジア航測事件

X社で同じ課に所属していたA(女性)とB(男性)。BがAを殴打し、顔面挫創・頸椎捻挫を負わせてしまった。AはX社及びBに対して治療費・慰謝料を損害賠償を求めた。しかし、その暴行からおよそ2年半の休業中にAは解雇を言い渡されてしまう。Aは解雇の無効、地位の確認、賃金の支払いを求めた。

この事件は、Aが「命令口調」で印刷機のトナーを発注するよう指示されたことが発端となり、Bの暴行に至ったという。しかし、判決では「業務指示の在り方」に起因したものとして、X社が連帯してBと損害賠償を負う結果に。また、解雇は「権利の濫用」といて無効になった。「使用責任者である企業の対応」が焦点となった覚えておきたい判例の一つ。

出典:厚生労働省 あかるい職場応援団
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/foundation/judicail-precedent/archives/42

パワハラで訴えられたらどうすればいい?

「ついカッとなって暴言を吐いてしまった」「うっかり言いすぎてしまった」など、つい・うっかりであっても、それをされた側にすると許しがたい言動であることも十分に考えられる。加害者とならないよう、常に意識をする必要があるが、それでも時には訴えられてしまう可能性もゼロではない。もしくは、身に覚えがないことや誤解により訴えられてしまうケースあるだろう。

もし、部下・上司からパワハラで訴えられてしまった場合、どのように対処すればいいのだろうか。

まずは会社に報告を

「個人間の金銭の授受」により問題を解決しようとしてしまうと、「隠蔽工作を行った」と後の裁判で主張される可能性がある。そのため、まずは会社に今の状況を正しく伝え、一緒にトラブルを解決していく体制を整えよう。

会社の調査に協力する

会社は、訴えを申し出ている人から話を聞く。その後、訴えられた側の主張を確認するが、客観的証拠となるメールの内容などを拒まずに提出しよう。非協力的な姿勢を示してしまうと、かえって「事実を隠している」と捉われかねない。

業務上正当な指導であることを主張する

訴えた人が原因としているトラブルについて、「業務改善のために必要な指導であったこと」を、客観的な証拠とともに主張しよう。部下のミス、業務態度について詳しく説明し、「正当な指導」であることを理解してもう必要がある。

弁護士に相談

社内で問題が解決しない場合は、弁護士へ相談をする。裁判となった場合には、最終的に個人として慰謝料を請求されるケース、会社が責任を負うケースなどさまざまだが、ことが大きくなる前に弁護士に相談しておくのがいいだろう。

文/oki

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