熱帯夜になる日は年々増えており、寝苦しさから睡眠不足になる人も少なくありません。しかし、熱帯夜であっても、工夫や対策をすれば寝苦しさを緩和できます。簡単にできる睡眠対策を紹介しますので、暑い夜に試してみましょう。
熱帯夜に寝苦しく感じるのはなぜ?
熱帯夜は寝苦しく、なかなか寝付けなかったり、何度も目覚めてしまったりする人が多いでしょう。熱帯夜に眠りを妨げてしまう原因には、どのようなものがあるのでしょうか?
高い気温、高い湿度が原因
日本の夏は高温多湿で、夜間でも気温が25℃以上になる『熱帯夜』が年々増えています。熱帯夜で気温が高いと、体温が下がりにくくなります。眠気は体温が下がるときにやってくるため、寝付きにくい状態になるのです。
湿度が高いことも、寝苦しさの原因になります。体の熱を放出するために、無意識に寝返りを打つことが増え、夜中に目覚めやすくなってしまうからです。
寝苦しい熱帯夜は迷わずエアコンを活用
熱帯夜で寝苦しいときは、エアコンを使用することで眠りやすくなります。エアコンの活用方法や注意点について紹介します。
設定温度は26℃から28℃
エアコンを使用して快適に眠るためには、設定する温度と湿度が大切なポイントです。温度は26~28℃、湿度は50~60%がよいとされています。
省エネのために、タイマーを1時間程度に設定している人もいるのではないでしょうか?しかし、質のよい睡眠をとるためには、入眠から3時間程度を『眠りやすい快適な環境』に保つことが大切です。この時間帯は脳が休んでおり、体温調節がうまくできないためです。
従って、就寝の際にはエアコンのタイマーを3~4時間程度に設定するとよいでしょう。
就寝前から寝室を冷やす
就寝する直前にエアコンを付けても、室温が下がるまでに時間がかかります。特に熱帯夜の日は、日中も暑いことが多く、壁などに熱がこもり冷えにくい傾向にあります。
眠気が強くなり入眠しやすいのは、体温が下がっている状態です。室温が高いと体温が思うように下がらず、入眠しづらくなります。そのため、就寝前の2~3時間前にエアコンを入れ、寝室をしっかり冷やして快眠できる環境にすることが大切です。
寝室をエアコンで冷やす際は、掛け布団をめくってシーツやマットレスにこもった熱も取り除くようにすると、快適さが増すでしょう。
エアコンの使用は適度に
エアコンを使用することで寝付きがよくなりますが、使い過ぎによる『体の冷え』には注意しましょう。
適度な温度・湿度設定やタイマーを使用するなどして、寝室を冷やし過ぎないようにすることが大切です。タイマーを使用する場合は、入眠から3~4時間に設定すると快適に眠りやすくなります。
エアコンを一晩中使用する場合は、適度な温度・湿度に保つことだけでなく、風量や風向きにも注意しましょう。微風に設定して、直接風が体に当たらない風向きにすれば、冷えを防げます。
扇風機のみで暑さを乗り切る方法はある?
省エネを心掛けている人やエアコンが苦手な人は、扇風機に頼ることになります。熱帯夜に扇風機を利用して、快適に眠りやすくなる方法を紹介します。
上に向けて空気を循環させる
扇風機で眠りやすい環境にするには、風向きを斜め上にして使用するのがポイントです。
暖かい空気は上に上がる性質があるため、天井付近に停滞しやすく寝室の気温を上げる原因になります。天井付近にとどまっている空気を循環させることで、寝室全体が涼しくなります。
扇風機を2台使用して空気を循環させる方法もあります。1台は天井に向けて、もう1台は反対側の壁や床に向けて置きましょう。対流を作ることで、より効率よく空気を循環できます。
また、扇風機よりも空気を循環させる機能に優れている『サーキュレーター』を使用するのもよいでしょう。
氷を置いて涼しい風を作る
扇風機の前や後ろに凍らせたペットボトルを置くと、冷風が作られ周辺が涼しくなります。凍らせたタオルや、保冷剤を包んだタオルでも代用できます。これは、水を利用して涼しい風を作る『冷風機』や『冷風扇』と同じような仕組みです。
やり方は簡単で、2lのペットボトルに水を入れ、凍らせた物を扇風機の前や後ろに立てておくだけです。ただし、注意点が二つあります。ペットボトルに入れる水の量は、8割程度にしましょう。水は凍らせると容量が増え、膨張して破裂するリスクがあるためです。
また、水滴で床がぬれてしまわないように、ペットボトルの下に洗面器などを置くことも忘れないようにしましょう。
体の冷やし過ぎには注意
扇風機の使用は、「エアコンのように冷たい風を送るわけではないので安心」と思われるかもしれません。しかし、使用方法によっては、扇風機でも体を冷やし過ぎて体調不良につながるリスクがあります。
必要以上に体を冷やしてしまわないように、扇風機の風向きや風量に気を付けることが大切です。首振り機能を利用するなどして、体に風が直接当たらないようにしましょう。風量は、『微風』や『弱』に設定すると安心です。
タイマーを利用することでも、体の冷やし過ぎを防げます。タイマーは、エアコン同様に3~4時間程度に設定すると、眠りやすくなります。
エアコンと併用することも考えて
扇風機とエアコンをそれぞれ単独で使用するよりも、併用した方が効率よく寝室の温度を快適な状態にできます。その結果、省エネにつながるというメリットもあります。
日中の熱が寝室にこもったままでエアコンを使用しても、部屋の中はなかなか冷えません。まず寝室の窓や扉を開け、扇風機の首振り機能を使って、こもった熱を外に出しましょう。その後にエアコンを使用すると、寝室をより早く快適な環境にできます。
また、エアコンによる冷たい空気は下にたまり、暖かい空気は上にたまる性質があります。暖かい空気が留まったままだと、なかなか寝室が涼しくなりません。扇風機などを使用し空気を循環させることで、寝室の温度を効率よく下げられます。