まるでデジカメのようなカメラ機能で本格的な撮影を楽しめる
カメラは背面に搭載されており、3つのカメラとiToFセンサーが1つの枠の中に収められてる。Xperia 1の時は本体上部中央だったが、Xperia 1 IIでは背面の左上に搭載されるようになった。本体の持ち方にもよるが、横位置にした時は、こちらの方がセンサーを指でふさいでしまわなくていい。カメラは上から35mm判換算で16mmの超広角、70mmの望遠、24mmの広角となる。
16mm、24mm、70mmのトリプルカメラで、画素数はすべて1220万画素に統一されている。レンズ交換式のカメラをイメージしたためだ
Xperia 1 IIが特徴的なのは、標準で2つのカメラアプリを備えているところだ。1つが通常のカメラアプリで、こちらは一般的なスマホに近いユーザーインターフェイス(UI)。もう1つが発売後にアップデートで追加されたPhotography Proで、このアプリは、ソニーのαに採用されるUIを、スマホのタッチ操作に最適化したものだ。
Photography ProのUIは、αのそれをスマホ向けに最適化したもの
単にUIが異なるだけでなく、Photography Proは秒間20枚の高速連写ができたり、HDR撮影とダイナミックレンジオプティマイザーを切り替えられたりと、多機能になっている。Xperia 1 IIに搭載されたセンサーの実力を引き出せるのが、Photography Proというわけだ。画面上にシャッターボタンが表示される通常のカメラアプリとは異なり、本体側面に搭載されたシャッターキーを利用する。半押ししてフォーカスをロックしたあと、シャッターを切るという流れは、スマホというよりまさにデジカメだ。
Photography Proは、側面のシャッターキーで撮影するよう設計されている
仕上がりについても、AIを使って彩度やシャドーを大きく持ち上げる昨今のスマホのカメラとは異なり、自然な仕上がりになる。実物以上に“映える”写真に仕上がるというより、実物を忠実に写し取るカメラと言えるかもしれない。もっとも、オートで撮ると、被写体に合わせた適度な補正はかかるため、パッと見でもキレイに見える。カメラとしてバランスのいい仕上がりと言えそうだ。
連写については、スマホのカメラでここまでできるのかという驚きがある。シャッターボタンをわずかな時間押しっぱなしにするだけで、カシャカシャカシャと小気味よい音が鳴り、連続で撮った数十枚の写真が保存される。
写真はGoogleフォトで確認する形だが、連写した際にはそれらが1つにまとめられ、サムネールに枚数が表示されるため、同じような写真だらけになってしまう心配もない。子どもや動物など、動きの大きい被写体を撮る時に、非常に役立つ機能だ。しかも、きちんと瞳にオートフォーカスを合わせ続けているため、どの写真もピンぼけになることがない。
秒間20枚の高速連写が利用できるのも、Photography Proの特徴だ
少々特殊なのが、カメラの切り替え操作。スマホのカメラは、多くが複数のレンズをあたかもズームレンズのようにまとめて扱い、シームレスにズームイン、ズームアウトができるのに対し、Xperia 1 IIのPhotography Proではそれができない。レンズ交換式カメラのように、どのレンズを使うかは、ユーザーが指定する必要がある。デジタルズームは、それぞれのレンズに対してかかる仕組みだ。本格的と言えば本格的だが、筆者はこれが少々面倒に感じた。よく言えば考えながら撮れるカメラだが、そのぶん、操作がやや複雑になっているきらいもある。