目次
シャツのシワを伸ばしてパリッと仕上げられる〝洗濯のり〟。
アイロンを使う際に使用する「アイロンタイプ」と、洗濯時に使う「洗濯タイプ」の2種類の使い方があります。
使ったことがない人が多いかもしれませんが、実際に使ってみると非常に便利なので、この記事でぜひ使い方をマスターしてください。
スプレータイプの洗濯のり「アイロンのり」とは?
アイロンタイプの洗濯のりは、「アイロン用のり剤」や「スプレーのり」、「アイロンのり」などと呼ばれています。
基本的に乾いた衣類へスプレーするタイプで、袖や襟などワイシャツを部分的にパリッとさせたい時に便利です。
■アイロン用洗濯のりの基本的な使い方
アイロン用洗濯のりは、アイロンがけをする前の衣類に吹きかけて使いましょう。
吹きかけたあと、すぐにドライアイロンをかければ、クリーニングに出したようにシワがなくなり、パリッと仕上がります。
■アイロン用洗濯のりを使ったワイシャツの仕上げ方法
アイロン用洗濯のりを使ったワイシャツのアイロン掛け方法は以下のとおり。
1.ワイシャツをハンガーにかける
2.アイロン用洗濯のりを約20cm離し、パリッとさせたい部分にスプレーする
3.通常通りアイロンをかける
かために仕上げたい場合は、のりを一度に多くつけるのではなく、スプレーとアイロンの作業を繰り返しましょう。
スプレー噴射と衣類との距離が近すぎると、一部分だけのりの濃度が高くなり、アイロンをかけた時に焦げる恐れがあるので注意しましょう。
・アイロンのりをスプレーする際の注意点
スプレーのりは、床や畳につくとベタベタにします。室内でスプレーする場合は、衣類をハンガーに掛けて手で持ち、床に新聞紙を敷くなどして床を汚さないよう注意しましょう。
ベランダなどの屋外でスプレーすれば、床に洗濯のりが付着する心配がありません。
■襟をきっちり仕上げる上手なアイロンのかけ方
襟は生地が厚くなっているため、着た時に表に見える方を後にしてアイロンをかけると、綺麗に仕上がります。
襟先から中央に向かってアイロンをかけ、アイロンを持っていない方の手は、反対側の襟先を引っ張ると、ピンと尖った襟先に仕上げやすいです。
■アイロン用洗濯のりの落とし方
洗濯のりが軽く付いている場合は、洗濯機で通常の水洗いと洗剤を使えば大抵の洗濯のりを落とせます。
さらに、暖かい水に洗剤を少し溶かして衣類を数分間浸し、その後は普段通り洗濯機で洗うと、より効果的にのりを落とせます。
洗濯機を使った後は、必ずすすぎをしましょう。
■洗濯のりはダイソーやセリアなど100均でも手に入る
洗濯のりは、ダイソーやセリアといった100円均一ショップでも手に入ります。洗濯用品売場を探してみてください。
■ワッペンを付けるアイロンのりとは別物なので注意
ちなみに、「アイロンのり」という単語で商品をWebで検索すると、ワッペンなどを熱で衣類に接着させるのりがヒットすることがあります。
これらの商品と、今回の記事で紹介しているアイロンのりとは別物。アイロン用洗濯のりではワッペンなどを衣類に圧着できないので注意しましょう。
アイロンのりや洗濯のりの代用を手作りする方法
アイロン用洗濯のりを買い忘れてしまった場合でも、手作りで急場をしのぐことができます。アイロンのりを手軽に作る方法は以下のとおりです。
■アイロンのりの作り方
後述する「液体タイプ」の洗濯のりを水で薄め、スプレーボトルに詰めればアイロン用洗濯のりの代用になります。
ただし、そのままスプレーボトルを放置したり、のりの濃度が濃すぎたりすると固まり、目詰まりをおこすことがあるので注意しましょう。
■デンプンで作る洗濯のりの作り方
天然のりの主成分はデンプンなので、自作も可能です。
用意するものは、大さじ1杯のデンプン(片栗粉やコーンスターチなど)と、2カップ程度の水。さらにアロマオイルを数滴垂らせば香りも付けられます。作り方は以下の通りです。
[1]鍋にデンプンと水を入れ火にかける。
[2]なべ底からしっかりかき混ぜながら、沸騰したら火を弱めて液が透明になるまで煮る。
香りをつけたい場合は、鍋を火から降ろしたあとにアロマオイルなどを滴下するとよいでしょう。
液体タイプの洗濯のりの使い方
液体タイプの洗濯のりは、洗濯槽に直接投入して使用します。スプレータイプの洗濯のりはアイロンがけが前提です。それぞれの特徴を把握して、上手にアイロンがけをしましょう。
■液体タイプの洗濯のりの使い方
液体タイプの洗濯のりの使い方は簡単で、すすぎが終わったあとに一時停止して洗濯のり(分量は製品の表記に従う)を投入し、かき混ぜてから軽く脱水すれば完了です。
注意してほしいのは、「柔軟剤の投入口に入れないこと」と「脱水の前に洗濯槽内をかき混ぜること」、この2点。また、のりの使用後は必ず洗濯槽を洗うようにしましょう。
手洗いの場合は、桶に水を張って洗濯のりを溶かし、衣類を浸して3分ほど押し洗いして、のりを全体に行き渡らせます。その後軽くすすいで衣類を脱水すればOKです。
■スプレータイプとの使い分けのポイント
スプレータイプの洗濯のりはアイロンがけが前提なので、ワイシャツなど数枚だけのり付けしたい時に重宝します。
一方、液体タイプの洗濯のりは、まとめて多くの衣類をのり付けしたいときや、シーツのような大きな布製品にのり付けしたいときにも便利。
ただし、液体タイプの洗濯のりを使用したあとの洗濯槽・脱水層は、洗濯のりが残らないようにすすぎ洗いを忘れずに行いましょう。
デンプンが主成分の「天然のり」とPVAなどが主成分の「合成のり」、2つの洗濯のりの違いは?
洗濯のりは、植物由来のデンプンを主成分とした「天然のり」と、PVA(ポリビニールアルコール)やPVAc(ポリ酢酸ビニル)、加工デンプンなど化学合成されたものを主成分とする「合成のり」の2種類が主流。
天然のりは、かためのパリッとした仕上がりになるのが特徴です。
ただしデンプンが主成分のため、効果が長続きしにくく、のりをつけたまま放置すると虫が付いたり腐りやすいなどの弱点もあり、また、変色するなど長期保存には不向きです。
一方、合成のりは、天然のりよりもしなやかに仕上がるという特徴があります。
虫が付くことも少なくて扱いやすく、衣類の表面がのりでコーティングされるので、汚れがつきにくくなるというメリットもあります。